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第31話 騎士とお姫様、ゲームの中でエンジョイタイム!

クナギはゆっくりと口を開いた。


「……私とチュチュは、“惑星ドール”という場所からやってきました。そこでは我々のような使い魔と人々が共に暮らし、穏やかで豊かな世界だったのです。


しかしある日、恐ろしい魔女が現れました。

その魔女はドールを怪人へと変え、街を次々と襲わせたのです


そんな中、一人の魔法使いが命を懸けて方法を探しました。

やがて“なんでも願いを叶える”とされる魔人が封じられた箱を見つけ出し、それを開いたのです」


チュチュが小さくうなずいた。

「……願魔ゾーイ様なのだ」


「そうです」


「召喚されたゾーイ様の力により、魔女は封印されました。

しかし封印される寸前、魔女は最後の悪あがきをしました

怪人たちを、異なる惑星の……この“トーキョー”へ解き放ってしまったのです」


「……だからこの世界に怪人が現れるのか」


「困った魔法使いは私とチュチュに命じました。

“魔法少女契約の術”を託し、

『怪人を倒し、100体分のドールを集めれば願いが叶う』――その報酬を掲げ、協力者を探せ、と。


こうして私たちはこの星で才能ある方を見つけ、交渉し……つばき様、そしてひより殿との契約に至ったのです」


クナギの言葉に、つばきはつぶやいた。

「そ、そうだったの……?」


「なるほど、事情は分かった。……だが、なぜ怪人たちは“その箱”を狙う?」


クナギは言葉を選ぶように、ゆっくりと続けた。


「……“解放を掲げている”。これはあくまで推測ですが怪人たちが集めようとしている百体のドールは、願いとして“魔女の封印”を解いてしまうのではないか、と」


つばきが椅子から跳ね上がる。

「なっ……それ、めちゃくちゃヤバいじゃない! 私たちが集めれば集めるほど、怪人に有利になっちゃうってことじゃない!」


「どうりで……ここ最近の怪人は、妙に強さを増しているのか。因果関係があるかもしれんな」


「ええ、可能性は高いですな」



少しの沈黙の後、アレリアは迷いなく前を向いた。

「……よし、分かった。ありがとう、クナギ。それでも私の目的は変わらん。どうにかして、この世界を抜け出さねばならない。怪人のドール箱を奪われぬよう、私たちも強くなる必要があるな」


「一緒にしないでよ!私は元々強いから平気よ!」


「いや、先ほど私が戦った怪人……ブシードは魔法を封じる結界を使ってきた。私だからこそ勝てたが、君では厳しかっただろう」


「むきーーっ!!私だって勝てたもん!」


アレリアとつばきは、いつものように言い合いを始める。


「また始まったのだ……」


「まぁ、この二人なら心配はないですな」


と、チュチュとクナギは苦笑いを交わす。


だがアレリアは真顔で言い切った。

「よし、つばき。明日から訓練を始める。君には危機管理がまるで足りん」


「えぇ~~っ!?」


ーーーー


翌朝・午前5時


「つばき、走り込みだ。自分の力量で構わん、三十分は走るぞ」


「いぃぃ……眠いぃぃ……」


朝焼けの空の下、目を擦りながら全力で嫌がるつばきと、淡々と走り出すアレリア。

対照的な二人の姿が、トーキョーの街に溶け込んでいた。


朝の訓練


「登校までまだ時間があるな。筋力の訓練に移る」


アレリアに言われ、つばきは渋々と腕立て・腹筋・スクワットをこなす。

その横では、常人離れした負荷を軽々こなすアレリア。


「ひぃぃぃ!!無理無理!もう死ぬぅ!」


「つばき様…ファイトですぞ!」


ーーーー


そんなこんなで学校にて


朝練のせいでつばきは机に突っ伏し熟睡。

「ぐぉぉぉ……」


「つばきちゃーん、起きてぇ!授業始まっちゃうよ?」

「ぐぉぉぉ……」


結局、終日眠気と戦うはめになり、放課後もグロッキー。


「ね、ねむぃ……もう限界……帰って寝たい……なんで私がこんな目に…」


「つばき様…まだ初日ですぞ!」


「わーー!もう!あの脳筋勇者と一緒にしないで!私はただの女子中学生よ!」


「しかし…これでは怪人に負けるかもしれません…!」


「ぐぬぬ…!」

(困ったわね…最近クナギまで反論してきた…なんとかしなきゃ…そうだ!)



アレリアの部屋


「つばき…君から訓練を誘うとはな。だが確かに、これはいい発想だ。身体を鍛えても思考が鈍っては意味がない」


アレリアが行っているのはシンプルなRPGゲーム。

騎士が姫を救う王道ストーリー。


「そうでしょ!ゲーム…じゃなくて

これは模擬訓練よ、模擬訓練!」


「……つばき様、悪知恵だけは天才的ですな」


「なのだ……」


「うるさい!これは私とアレリアの大事な訓練なの!」


アレリアはコントローラーを握り、画面をじっと見つめる。

「つばき、このスライムとやら…液体なのになぜ動ける?」


「あ、それはね……(やば…また始まった。面倒な質問攻め!)」


その瞬間


ピコピコピコピコ!!


「怪人なのだ!」


「えぇ~!せっかくサボれてたのに!」


「チュチュ、怪人はどこにいる?」


「えーっと……あ、あれ!? 目の前のテレビなのだ!」


「なにっ!?」


その瞬間、テレビの画面がまばゆい光を放つ。

バチバチと火花が散るように画面が歪み、白い閃光が室内を覆った。


「ぐっ……!」

「きゃああああ!」


光が収まったとき、アレリアとつばきの姿は跡形もなく消えていた。


「うわあぁぁ!! ふ、2人がテレビの中に吸い込まれたのだ!!」

慌てて画面に駆け寄るチュチュ。


「た、大変ですぞ!まさかテレビに怪人が潜んでいたとは……!」



室内にはただ、不気味に光を揺らめかせるテレビだけが残されていた――。


ドシン!ドシン!

大地を踏み鳴らすような振動とともに、2人は地面に投げ出された。


「くっ……ここは……。大丈夫か?つばき」

「な、なによこれ……もう!」


つばきが文句を言いながら起き上がる。

周囲を見渡すと、そこにはどこか安っぽい草原が広がっていた。


ハリボテのようにぎこちなく揺れる木々。

同じ動きを繰り返す草花。

遠くには貼り絵のように重なった山々。


まるで、先ほどまで遊んでいたRPGゲームの画面そのままのような世界だった。


「今度の怪人は……また奇妙な術を使ってきたものだな」

剣を構えながら周囲を警戒するアレリア。


「もうっ!とにかく、さっさと倒して終わらせるわよ!」


バチンッ!

目の前に突然プラズマが発生する。


そこに現れたのは――四角いテレビに手足が生えたような怪人。

画面には電子文字で組み上げられた顔が映し出され、ピコピコと音を立てて笑っていた。


「ピーッコッコ!私はゲーム怪人ピコー!ゲームの世界へようこそ!楽しみましょう!笑いましょう!」


「ぬぅっ!」

アレリアはためらわず聖剣を抜き放ち、一気に斬りかかる。


しかし――


ヒョイッ!


軽快な電子音とともに、ピコーはまるで画面の中のキャラクターのように一瞬で横へスライド移動。


刃は空を切った。


「君〜!説明くらい聞きなさいな!焦らない、慌てない!」

電子文字の顔がニヤリと歪む。


「……やはり当然のようにかわすか」

剣を構え直すアレリア。


「アレリア…あんた、相変わらずね……!」


「ピーッコッコ!エンジョイターイム!」


ピコンッと効果音が響いた瞬間、アレリアとつばきの服装がみるみる変化していく。


アレリアは重厚な鎧姿に。

つばきは、ふわふわのドレスにティアラを載せられた。


「これは……!」

「えぇ~!?お姫様の格好!?なんで?!」


怪人ピコーの画面には電子文字で「クスクス」と表示される。

「貴方達には、このゲームをクリアしてもらいます!」


ヒュー……

ドシーン!!


突如、空からドット絵風の巨大なドラゴンが降臨。

バサバサと翼を広げると、爪でつばきを掴み取った。


「わー!ちょっと!離しなさいよ、このこのー!」

必死に暴れるが、当然この世界では魔法は封じられている。


「アレリアーー!!助けなさいよぉぉ!!」


「……馬鹿な、なぜここに……!?」

一瞬の硬直。


「アレリアったら!早く!!」


「はっ!今助けるぞ、つばき!」

聖剣を構え直したアレリアに対し、怪人ピコーが高らかに笑う。


「ピーッコッコ!お姫様はドラゴンに攫われるもの!囚われるもの!これがゲームのルール!」


ドラゴンはアレリアを尻目に空へ舞い上がり、そのまま遠くへ飛び去っていった。


「うわぁぁぁぁ~~!!」

「つばき!!くそっ、なんて不覚を……!」


怪人ピコーの電子顔に「HAHAHA!」と文字が躍る。

「お姫様を取り返したければ、このゲームをクリアしなさい!励みなさぁい!」


そしてピコーも姿を消し、辺りは静けさに包まれる。

残されたアレリアは剣を強く握りしめた


「ゲームをクリアしろ、か……。とにかく先ほどの怪人が飛んでいった方向へ――」


アレリアは足を進めながら、身に纏った騎士の鎧を見下ろす。

「しかしこの格好……妙に懐かしいな。私の世界のものとは少し違うが……」


その時だった。


プヨン……プヨン……

目の前に現れたのは、半透明の液体のような生き物。

ドット絵で描かれた質感のまま、アレリアの前に立ちはだかる。


【スライムが現れた!】


「文字が頭上に……!?これは、さっき遊んでいたゲームの……」


アレリアは無視して駆け抜けようとする。

「構っている暇はない!」


しかし――


【アレリアは逃げられなかった!】


「なっ……!?どういうことだ!」


突然、スライムが弾むように体当たりを仕掛けてくる。

ドスンッ!


「ぐっ……身体が……重い!? 動きが制限されているのか!」


【スライムの攻撃!】

【アレリアに 2 のダメージ!】


「がっ……直撃……!?この私が、たかが液体の魔物ごときに……!」


アレリアの表情が険しくなる。

これはただの戦いではない。この世界の“ルール”そのものが、自分を縛っている。


「なるほどな……この世界にはこの世界の法則がある。ならばそれを理解すれば勝ち筋は見える。待っていろ、つばき……必ず助ける」


アレリアは優秀だった。

ほんの少し触れただけで、このゲーム世界がターン制の戦闘に基づくと理解し、行動の最適化を次々と見抜いていく。



始まりの村


「俺はドワーフのガンダロス!俺に勝てたら仲間になってやるぜ!」


「……なんだこの既視感のある戦士は」

そのまま軽く勝利。



第二ステージの村


「はぁぁ!気功こそが最強!私は武闘家のリュー・シーシン! 勝負だ!」


「また既視感のある男が……」

こちらも難なく突破。



第四ステージの村


「ホーッホッホ……私は魔女のセローナ!お前ごときに勝てると思って?」


「……うむ、なんとなく既視感のある魔女だな」

アレリアは淡々と攻略していく。



一方その頃――


ラストステージ、お城の最上階。

檻の中に閉じ込められたつばきは、退屈そうに壁にもたれていた。


「ぐぉぉぉ……すぅ……くかー……」


怪人に囚われているはずの彼女は、状況も気にせず深い眠りに落ちていた。



ガチャァ……ギィィィィ……

大きな扉が重々しく開く。


「ここが最終ステージか……むっ、つばき!」


「すぴー……」


牢屋の中、つばきは相変わらず熟睡していた。


「……寝ているのか?」


だが次の瞬間――


ゴァァァァアア!!!


ドット調の巨大なドラゴンが咆哮を上げ、檻ごとつばきを揺らした。


「ひゃっ!?なによ!?……あっ、アレリア!助けに来てくれたのね!」


「安心しろ、今すぐそいつを倒す!行くぞ、お前たち!」


「わーっはっは!任せろ、アレリア!」

「我が気功で粉砕してやる!」

「ホーッホッホ!高まってまいりましたわ!」


後ろに控えるガンダロス、リュー、セローナ

アレリアがここまで仲間にした者たちも士気を上げる。


「な、なんか変なの連れてる……ていうか、あのキャラって……ゲームに出てきたやつじゃない!?」


【ドラゴンが現れた!】


「アレリア!そいつ、とにかく攻撃力が高いわ!えっと、どうすれば――」


アレリアは迷わず声を張り上げた。


「アイテム!聖なる光壁!」


瞬間、眩い光がパーティを包み込む。


【アレリアの防御が100上がった!】

【ガンダロスの防御が100上がった!】

【リューの防御が100上がった!】

【セローナの防御が100上がった!】


「ガンダロスとリューは光属性で攻撃!セローナは“ためる”で次に備えろ!」


「おう!」

「うむ!」

「任せてちょうだい!」


アレリアの采配に即座に応じる仲間たち。


その光景を見て、牢屋のつばきは唖然とする。

つい数時間前までスライムすら相手に戸惑っていたはずのアレリアが――


「……ゲームを完璧に理解してる……?この数時間で何があったのよ……」


アレリアはまるで攻略ページを見ているかのように、隙のない立ち回りを見せていた。

ドラゴンの属性が闇だと即座に見抜き、弱点である光属性で徹底的に攻撃。

MPが尽きかければ、タイミングを逃さずマジックドリンクで回復。確実にドラゴンのHPを削り切っていく。


そして…


ズシーーン……!


【ドラゴンを倒した!】


カチャリ、と牢屋の錠前が開く音。


「……あ〜、待ちくたびれたわよ、アレリア。まぁ……感謝はしてあげるわ」


「つばき、無事で何よりだ。だがあの時……」


「あっ!思い出した!確かこのゲームって、ドラゴンの後に……」


「……何?これで終わりではないのか?」


その時、頭上から響く声。


「ピーッコココ!そのとおーり!ラストは私との戦いだよ!勝負だよ!!」


ズドォーーーン!!


【ピコーが現れた!】


「イッツ・エンジョーーイ!ターーーイム!!!」


【ピコーのエンジョイタイム!】


電子ノイズ混じりの全体攻撃が炸裂する。


「つばき!攻撃は基本避けられん!当たる瞬間に防御を意識しろ!」


「分かってるわ!このゲームやり込んでて良かった!ふんぬっ!」


【アレリアは攻撃を防いだ!】

【つばきは攻撃を防いだ!】


しかし――


「「「うぎゃあああーー!!!」」」


【ガンダロスは倒れた】

【リューは倒れた】

【セローナは倒れた】


「ちょ、ちょっと!?仲間三人とも一撃で!?役に立たないじゃないの、コイツら!!」


「恐らくこれは“そういうイベント”だ。ここは私達2人で戦うしかない」


「イベントって……ていうか私も戦うの!?」


「私の戦闘は見ていただろう?やり方は大体分かるはずだ」


「馬鹿にしないでよ!……ステータス!」


【つばき 役職:お姫様

HP1500 攻撃200 MP350】


「攻撃200!?もっとあってもいいでしょ!」


「いや、十分だ。補助役に徹してくれ」


「くぅーっ!私だって派手にぶちかましたいのに!」


「アナライズ!」


アレリアはピコーを解析する。


【ピコー HP30000 攻撃500 MP1500】


「これは……厄介だな。つばき、私は今の分析でターンを消費した。ひとまず防御を頼む」


「もう!このゲームにお姫様なんて出なかったはずなのに……ええっと、ええっと……あっ!これだわ!《姫の祈り》!」


【アレリアの防御が200上がった!】

【つばきの防御が200上がった!】


「ピコ!行きます!参ります!」


【ピコーの攻撃】

【ブラウンショック】


バチィィンッ!!


雷撃がアレリアを直撃する。


「ぐっ……!」


【アレリアに200のダメージ!】


「くっ……防御が間に合わなかったか……!」



「アレリア…!」


「つばき、臨機応変にいけ。ここは今までの戦闘と違う。頭を使うんだ、やれるか?」


「相変わらず馬鹿にして!このゲーム、誰の持ち主だと思ってるのよ!こう見えてやり込んでるんだから!」


「ふっ、君ならそう言うと思った。――いくぞ!」


アレリアとつばきは息を合わせ、ピコーの攻略を開始する。

光属性の本体を見抜いたアレリアは攻撃、HPが減ったら今まで集めたアイテムを駆使し回復、つばきは闇属性の毒技でじわじわと削っていった。


「結局、こういうシンプルなゲームは毒が強いのよ!」


「やはりピコーは状態異常を治す術を持っていないようだ。助かった」


「ぐぬぬ!ピコピコ!」


【ピコーはチャージを始めた!】

「次のターンでまとめて倒すピコ!」


「私もだ…《聖剣の儀式》!」

【アレリアは集中し始めた】


「アレリア!HPが危ないじゃない!」


【アレリア HP150/攻撃550/MP350】


「問題ない。秘策がある。つばき、君は防御を固めろ」


「ぬぬ!……信じてるからね!――《姫の祝福》!」


【つばきの防御が300上がった!】


「ピコーー!行きます行きます!ジ・エンドです!」


【ピコーの攻撃!】


【ハイボルテージショック!】


バリバリバリバリッ!!


「ぐあぁぁぁっ!」

「きゃあああっ!」


【アレリアに1000のダメージ!】

【つばきに700のダメージ!】


「アレリアっ……生きてる!?」


本来ならば、倒れるほどのダメージ…アレリアはというと


「………根性のバンダナだ。一度だけ致命傷を耐える」


【アレリア/HP1】


「そういえば、そんなアイテム、あったピコ!まずいです!困ります!」


「もう遅い。くらえ!」


【聖剣波動連斬!】


虹色に輝く聖剣が何度も振り下ろされる。


ザシュッザシュッザシュッ!!!!


【ピコーに1500のダメージ!】


「ピコッコーーーッ!!!」


チュドォォォォォン!!!


【ピコーは倒れた!】


バチッ!バチンッ!


ドシーン!!


「わ〜!もうなんなのよ!」

「ぐっ…ここは……私の部屋か?」


「折り重なる、つばきとアレリア

それに驚くチュチュとクナギ


「帰ってきたのだ!!」

「おお、おかえりでございます!」


ピコーを倒した瞬間、2人は元の部屋へと戻っていた。

そして――


ポンッ!


テレビの前に、ピコーのドールが転がり落ちる。


「なんとか帰還できたな……とんだ模擬訓練だった」

「まったくよ……まぁ、新しい体験にはなったんじゃない?」


「うむ、少し懐かしさを覚えた……それに――奴の模擬戦闘になっていればいいのだがな」


「……奴の?」


つばきは疑問の目を向けた。


「それより……つばき。君は私が何時間も攻略している間、寝ていただろう?」

「えっ……そ、それはー、その……」


アレリアは冷たく言い放つ。

「相変わらずなのはどっちだ?君はいつも油断している。明日から訓練三倍だ、覚悟しておけ」


「わぁぁぁ!!ひどすぎるわー!!」


「自業自得なのだ……」

「ですな……」


そして部屋に、笑いとも嘆きともつかない声が響いた。




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