22/39
ラモンは待つ。
婦人は寝室であろう部屋に入ると、手短にベッドを整えラモン達に勧めた。
ラモンはそれに従いルシアを横たえる。
それを見届けると婦人は、またパタパタと部屋を出ていった。
ラモンはベッドの隣の椅子に腰掛ける。
覗くと、ルシアは先程よりも険しい顔をしていた。
ずっとそうしていると、外から楽しげな子供達の声が聞こえてきた。
ラモンは手を膝に置き、ただ、待つことしかできなかった。
少しして、また、家の奥から、ふたたび足音が聞こえて来た。
部屋の戸が開き隙間から婦人が顔を出す。
「今、お医者様を呼びましたからもう少し待っていてください。私は飲み水を用意してきますね。」
そう言い戸を閉めると、三たびパタパタと足音を立てながら遠ざかっていった。
こんなにも短時間で医者を呼んだ、ということは伝書鳩を使ったのだろうか。なるほど確かに、わざわざ病院に足を運ぶよりも速く済むだろう。
改めて見渡すと寝室にはベッドは一つしか無く、枕元には、少女と、今よりも若い婦人の写真がぽつりと置かれていた。
写真立てから目線をずらして、目を閉じる。




