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ダメ聖女は追放された。  作者: 袖下片藍
2/7

聖女は逃げた。

ルシアは従者に言った。

「よし、逃げよう。」

「は?」

 そう言うないなや、ルシアは従者を抱えて走り出した。


 ルシアに無様にも脇に抱えられながら、従者、ーーラモンは言った。

「え、なんで逃げるんすか。別に俺達なんもやましい事してないっすよ。」

「や、まあそうだけど。でもなんか、ずっとあそこにいるのも気まずくない?どうせ私の追放は決定事項なんだろうし、私がいなくても勝手に話進むでしょ。」

 そう言いながらルシアはホールの玄関ドアを開ける。

「だからってこんな急がなくても…。」

「別に急いでないよ。」

「え?でもこんなにダッシュで、。かっ飛ばして…?えじゃあなんでこんな走ってるんすか。」

 ルシアはその質問には答えなかった。ただただ、暗い夜の冷たい風を切りながら走る。

 ルシアは今清々しい気分だった。踊り出したいような、走り出したいような、縦横無尽に芝生の上を転がりたいような。

 こんな日をずっと待っていたのかも知れない。

 毎日知らない誰かの侮蔑に耐え、上手くもできない仕事を黙々とこなす日々から、こんな風に逃げ出せる日を。

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