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第9章:沈黙の神殿と宝石の試練
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沈黙の神殿の奥へと進むと、空気が一気に冷たくなった。
「……何、この感じ?」
オーブリーが腕をさすりながら呟く。
「神殿の外とはまるで別の空間のようだな」
ロランドも警戒を強める。神殿の壁には無数の古代文字が刻まれ、中央には 巨大な扉 がそびえていた。
「おそらく、この扉の向こうにピーチサンジェイドがある」
「でも……どうやって開けるの?」
オーブリーが扉に手を当てた瞬間——
ゴゴゴゴ……!!
神殿全体が震えた。
「わっ、な、何!?」
「汝、試練を受ける者なりや?」
低く、荘厳な声が響いた。
「試練?」
ロランドとオーブリーが顔を見合わせる。
次の瞬間——
ズズズ……!
扉の前の石像がゆっくりと動き出した。
「動いた!?」
「どうやら、これが試練の守護者らしいな」
巨大な 石の騎士 が、剣を持ち上げる。
「勇を示せ。さもなくば、ここを通すことは叶わぬ」
「……やるしかないってことね」
オーブリーが魔法陣を展開する。
「ロランド、私が援護するわ!」
「了解だ!」
ロランドは剣を構え、沈黙の神殿最後の試練に挑む——!
(続)