第7章:沈黙の神殿の決闘
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ギィンッ!
金属の音が鋭く響き渡る。
ロランドの剣と、 ラミエル の刃が正面からぶつかり合った。
「……なるほど」
ラミエルはロランドの腕力を確かめるように、剣を押し返した。
「なかなかの剣筋だが、所詮は貴族の遊びか?」
「生憎と、俺は遊びでやっているつもりはない」
ロランドは一歩踏み込み、剣を振り下ろした。
しかし——
「遅い」
ラミエルの身がブレたかと思うと、次の瞬間にはロランドの懐に潜り込んでいた。
ズバッ!
ロランドの服の端が切り裂かれ、冷たい刃が肌をかすめる。
「クソッ……!」
ロランドは間合いを取るが、ラミエルの動きは尋常ではなかった。
その速度、技のキレ——まさに 剣の達人 だ。
「ロランド!」
オーブリーが叫び、素早く魔法陣を展開する。
「ファイア・ショット!」
ゴウッ!
炎の弾がラミエルへと飛ぶ。
しかし——
「甘いな」
ラミエルは刃を軽く振り、炎の弾を斬り裂いた。
「なっ……!?」
「魔法など、俺には通じん」
ラミエルの目が鋭く光った。
「貴様らが集めようとしている宝石は、ただの財宝ではない。これを集めることが、何を意味するのか、まだ知らぬのか?」
「……どういうことだ?」
ロランドは息を整えながら問いかけた。
「貴様らが追う宝石は、 世界の均衡を揺るがす鍵 だ。むやみに集めることで、封印されしものが目覚める」
「封印されしもの……?」
オーブリーが驚いた表情を浮かべる。
「それが何なのか、お前は知っているのか?」
「知っている。だからこそ、俺は貴様らを止めねばならない」
ラミエルは剣を構え直した。
「ここで引け。さもなくば、貴様らを討つ」
「冗談じゃない」
ロランドは剣を握り直した。
「俺たちは、知るべきことを知るために旅をしている。たとえお前が立ちはだかろうと、それをやめるつもりはない」
「……ならば、力で止めるしかないな」
再び、刃が交わる。
砂漠の風が吹き荒れる中、二人の戦いは 熾烈を極めていった——。
(続)