最終章:運命の選択と新たなる世界(終)
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神々の遺跡の奥で、ロランドとオーブリーは 究極の選択 に直面していた。
「封印を維持するのか、それとも解くのか」
目の前には、封印された 闇の王エクリプス 。
彼は静かに二人を見つめ、最後の問いを投げかける。
「お前たちは、どちらを選ぶ?」
ロランドは剣を握りしめ、オーブリーを見つめた。
「……オーブリー、お前はどうしたい?」
オーブリーは迷っていた。
もし封印を維持すれば、世界は今のまま続くだろう。
だが、その均衡は既に崩れつつあり、瘴気が世界を蝕み始めている。
封印を解けば、新たな均衡が生まれるかもしれない。
だが、それがどのような世界になるのかは誰にも分からない。
「……私は」
オーブリーはロランドを見つめた。
「私は、ずっと “強くなりたい” と思っていた。でも、それだけじゃない」
彼女は、ここまでの旅を思い返す。
ロランドと共に戦い、共に傷つき、互いに支え合ってきた。
「……私がここまで来られたのは、ロランドがいたからよ」
「オーブリー……」
「もし、私たちが “未来を選ぶ” ことができるのなら——」
オーブリーは、ロランドの手を握った。
「あなたと一緒に、その未来を見たい」
ロランドは目を見開き、静かに彼女の手を握り返す。
「……そうだな」
「俺たちの選ぶ道が、どんな結果をもたらすのかは分からない」
「でも、俺は——お前と一緒に未来を選びたい」
二人の間に、これまでの旅路のすべてが込められた 沈黙 が流れた。
やがて——
ロランドとオーブリーは 封印の石碑に手をかざした。
◆
次の瞬間——
神々の遺跡が まばゆい光 に包まれた。
封印が解かれる——
それは 世界が新たな均衡を迎える瞬間 だった。
エクリプスがゆっくりと目を開き、静かに言った。
「お前たちの選択が、新たな世界を創る」
光と闇が交わり、世界が変わりゆく中——
ロランドは、そっとオーブリーの手を引いた。
「これからどうなるか分からないが……」
彼は彼女を抱き寄せ、穏やかに微笑む。
「お前がそばにいるなら、どんな未来でも怖くない」
オーブリーの頬が赤く染まる。
「……ロランド」
彼女はゆっくりと顔を上げ、そっと彼に口づけを交わした。
——世界がどう変わるとしても、二人は共に歩み続ける。
光と闇の交わる新たな世界で、ロランドとオーブリーは新たな旅へと踏み出すのだった。
(終)




