第26章:深き森の国エルデンへ
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炎の王国ヴァルカナで ゴールデンサンドラグーンムーンジェイド を手に入れたロランドとオーブリーは、新たな目的地 深き森の国エルデン へと向かっていた。
ヴァルカナの溶岩地帯を抜け、山脈を越えた先——
鬱蒼とした緑の森 が広がっていた。
「……今度は、森の国ね」
オーブリーは静かに呟く。
「ノルディア、ヴァルカナと来て、次はエルデンか。ここもまた、封印に関わる国なんだな」
ロランドは慎重に森の入り口を見つめる。
この国には、エルフの民 が住んでいるという。
彼らは “封印の管理者” であり、瘴気の異変にも何かを知っているはずだった。
「まずは、エルデンの王に会う必要があるな」
「でも、この森……簡単には進ませてくれなさそうよ」
オーブリーが指摘する。
森の奥は 霧が立ち込めており、視界が極端に悪い 。
さらに、周囲からは 動物や鳥の鳴き声ひとつしない。
「……不気味だな」
ロランドが呟いた、その時——
シュッ!
突如、矢が二人の足元に突き刺さった。
「っ!?」
ロランドはすぐに剣を構え、周囲を見渡す。
「待て、攻撃の意思はない!」
オーブリーが手を挙げて叫ぶ。
すると——
木々の間から、影が現れた。
「……貴様らは、何者だ?」
現れたのは、エルフの戦士たち だった。
彼らは 深い緑の衣を纏い、鋭い弓矢を構えている。
「我々の森に無断で足を踏み入れた理由を述べよ」
リーダーと思われるエルフが、冷たい目で二人を見据えた。
◆
「俺たちは、封印の真実を求めてここに来た」
ロランドは慎重に言葉を選びながら答えた。
「ヴァルヘルム、ノルディア、ヴァルカナを経て、ここに来た。エルデンの王と話をさせてほしい」
「……封印の真実?」
エルフたちは顔を見合わせた。
「どういうことだ?」
リーダーのエルフが、さらに鋭い視線を向ける。
「封印が弱まりつつあるんだろう?」
オーブリーが踏み込んだ質問をすると、エルフの戦士たちはわずかに表情を曇らせた。
「……何を知っている?」
「俺たちは、封印が “瘴気の王エクリプス” を封じるものだと知った。そして、それが崩れつつあることも」
ロランドが核心を突く。
「だからこそ、お前たちの王と話したい」
エルフたちはしばらく沈黙した。
やがて、リーダーが口を開いた。
「……分かった。だが、エルデンの王に会うには “誠実の試練” を受けてもらう」
「また試練……?」
オーブリーが肩を落とす。
「これは、嘘偽りのない者のみが王と対面できるための儀式」
リーダーのエルフは、静かに言った。
「試練を受けよ。さすれば、お前たちを王のもとへ案内しよう」
ロランドとオーブリーは顔を見合わせた。
「受けよう」
「ええ……ここまで来たんだから」
こうして、二人は エルフの試練 に挑むことになった——。
(続)




