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23話 リトルナイト倶楽部開始

「……ってことで、ゴーレム部に入れることになったよ」


 ゴーレム部の部室から立ち去った後、その足でトール・ハクギンのいるリトルナイト倶楽部の部室にやって来た。


「ゴーレム部の活動頻度はそこそこらしいから、これからはゴーレム部に顔出しつつ、基本はリトルナイト倶楽部にも行くことになりそう」


「分かった。それにしても、なんて命知らずな先輩……魔女を相手にそんな暴言吐くなんて」


「もう最後なんか大変だったよ……でも、また明日も懲りずにゴーレム部には見学しに行くつもりだよ。あのゴーレム部、結構しっかりしてたし」


 部室に置かれていた作成途中のゴーレムの出来は結構良かったので、部の質は割と良いようだ。


「ねえトール、リトルナイト倶楽部の申請は通った?」


「うん。今日から同好会としての活動を始められる」


「今日からなんだ! トール、同好会の発足おめでとう!」


「ありがと。イエイ」


『やった〜!』


 トールの同好会は無事に認められたようだ。トールはピースをして喜びを表現している。

 対するピントは大喜びで跳ね回り、ハクヤはそんなピントをじっと眺めている。


 因みに、トールとは同級生で同い年ということで、これからはお互いに名前で呼び合うことにしたのだった。

 

「と、いうわけで……早速いい物持って来た」


「なになに?」


 私が期待の眼差しで見つめる中、トールは鞄からフカフカの敷物と銀色の缶を取り出した。


 そこそこ大きな敷物を床に敷き、大きな缶の蓋を開けて中身を1つ取り出した。


「それって……ガチャのカプセル?」


「リトルナイトのガチャ、大人買い」


 トールはそう言うと銀色の缶を逆さにして、敷物の上にガチャのカプセルを大量にぶち撒けた。


「うわっ!? すごい量!」


『カプセル沢山〜! ねえ、1個開けていい?』


「勿論。1個と言わず、何個でも」


『やった〜!』


 ピントは大喜びで青色のカプセルを掴み、カプセルを開けて中身を取り出した。


『えいっ』


 両手でカプセルを開けると、カプセルの中から説明書と共にティーポットのセットが現れた。


『おぉ〜このポット、絵が描かれてて綺麗だね』


「私のオススメガチャいっぱいだから、物には自信あり。カエさんも開封お願い」


「いいの? じゃあお言葉に甘えて……」


「カエさん、敷物どうぞ」


「ありがとう!」


 トールは敷物を幾つか追加して床に座り、私にも勧めてくれた。私はお言葉に甘えて敷物に座り、ガチャ開封に参加する。


『では私も失礼して……』


 トールのリトルナイトであるハクヤさんもガチャに興味を示したようだ。

 背中の白い翼を広げながら床に降りると、赤のカプセルを掴んで開けた。


「あ、私のはリトルナイトサイズの毛布出てきた! 可愛い!」


『こちらは……リトルナイトの装備ですね』


「リトルナイトの部品が入ってる物もあるんだ……」


「それは一般向けだから、使い魔レベルのリトルファイトには使用不可能」


 ガチャの中身は全てリトルナイト用の道具のようだ。しかも造りがかなり本格的だ。


「このティーポット、結構重いね……」


「そのポットは実際に使用できる」


「すごいなぁ……」


 現代のガチャはここまで進化していたとは。驚きだ。


「巷では、リトルナイトの影響でガチャの人気も爆増中」


「あ、それはテレビで聞いたことあるかも」


 最近ではどこの店舗もガチャを設置しており、ガチャコーナーまで存在するらしい。


『カエ見て見て〜! ロボのパーツ出てきた!』


「何々……」


 私はピントの持っていた説明書を受け取り内容を読む。


「えーと、全部揃えるとリトルナイトが完成する……えっ、そんなものまであるの?」


「簡単な動きしかしない旧式のオモチャ。でもしっかりしてるしデザインもいいから結構人気」


「確かにこのパーツ、ずっしりしてるし綺麗だね……」


『ねえ、これ完成できるかな?』


「沢山あるから完成できるかも。ピントさん、パーツコンプ目指して頑張ってカプセル開けてね」


『頑張る!』


 ピントは大喜びでカプセルをこじ開けていく。まるでクリスマスの日のプレゼント開封を見ているようで微笑ましい。

 折角なので私もカプセルを開封して手伝うとしよう。


「あ、ピント。追加パーツ出たよ」


『カエありがと!』


『ピント様、脚パーツが見つかりました』


『ハクヤナイス〜! えーと、後は頭と……』


「おっ、同好会の活動始まってるね!」


 ピントと一緒にパーツ探しをしていると、リトルナイトサイズ倶楽部にフレアが姿を現した。


「あれ? フレア……」


「私もリトルナイト倶楽部に参加しに来たよ! で、何してるの?」


「ガチャカプセル開封中」


「へぇ、楽しそうじゃん」


 部室にフレアが入り、遅れてフレアのリトルナイトであるゴウカも歩いて入室する。


(フレア、今日はリトルファイト部に行くって言ってたのに……何かあったのかな)


 フレアは放課後すぐにリトルファイト部に入部テストを受けに行き、そのまま部活動に参加すると宣言していた。

 だがフレアは、リトルファイト部の話題すら出さずにリトルナイト倶楽部に参加している。


「フレアさんもガチャ開け体験いかが?」


「勿論参加するよ! トール、オススメは何?」


「全部。敷物どうぞ」


「ありがと!」


 トールも何かを察したのか、フレアに深く追求せず敷物を勧めてカプセルを手渡す。

 フレアは素直に敷物に座り、カプセルを受け取って開封に参加した。


 そんな中、知りたがりなピントがすぐさま行動に出た。カプセルを手にフレアの足元に寄り、1つの質問を投げかけた。


『フレア、リトルファイト部はどうしたの?』


「ああ、やめたよ」


「……えっ?」


 ピントの質問に即答するフレアは、どこか気分が悪そうだ。ゴウカも心無しか不機嫌そうに見える。


「リトルファイト部なんかこっちから願い下げだよ。私、リトルナイト倶楽部に入る」


「フレア……」


 フレアは私達を気にせずガチャ開封を手伝う。どうやら本気でリトルファイト部への入部をやめ、リトルナイト倶楽部に入部するつもりらしい。


 フレアに一体、何があったのだろう。

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