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17話 ギルド入店

 真夜中の町中。隣町の自宅まで帰る手段が無くて困っていた銀鎧のリトルナイト、アラジオと出会った。


 帰る手段になるらしいギルドを探して夜の町中を歩いていたら、ギルドを知ってる魔法使いの女の子型リトルナイトのフリルと出会った。


 僕らは「アラジオがこの町に来た経緯」の話と引き換えに、フリルにギルドへの道案内を頼んだのだった。


「へぇ、主の靴下を取り返す為にナイトバードにしがみついたらこの町まで飛んで来たのね」


「そうだ……出来れば君には話したくなかった……」


「僕には話してくれたじゃん」


 夜の道路を案内されながらフリルに経緯を一通り話し終えたアラジオは何故か落ち込んでる。


「そもそもの話、アラジオが元の家に帰る手段を見つけるのが本題でしょ? 経緯くらいは説明しておいた方がいいんじゃないの?」


「だからと言って経緯まで話す必要は……!」


「ピントさんの通りよ!」


 フリルは唐突に立ち止まって振り向いて、アラジオを睨みつけた。


「この町に来た経緯をろくに教えないリトルナイトだなんて不審者でしかないじゃない!」


「うっ……」


「どうやって来たか知らない人に協力するようなリトルナイトがいると思うの? 私が可愛いのは分かるけど、だからって見栄を張るのはどうかと思うわ!」


 フリルはアラジオに詰め寄りながら言葉を続ける。


「変に隠そうとするアラジオさんより、呑気そうにしてるけど本来の目的をしっかり理解してるピントさんの方が何十倍もしっかりしてるわよ!」


「くっ……その通りだ」


 フリルにあれこれ言われたアラジオは悔しそうにしながらも話に納得したみたい。


「帰宅する為の移動手段が欲しいなら、私が何とかしてあげる。ほら、そろそろ目的地に到着するわよ」


 フリルは空き地を歩いて突き当たりの柵を指差した。指の先をよく見ると、木で作られたリトルナイトサイズの門があった。


「普段は雑草に紛れて見つけづらいわけか……」


「ギルドやお店はこの門の先よ! ついて来て!」


「はーい」


 僕らはフリルの後に続いて木の門を通り抜けた。


 木の門の先にあったのは、四方を壁で囲まれたリトルナイトの街だった。

 土地の中には沢山のリトルナイトが集まっていて、リトルナイトサイズのお店の中で営業したり、お店を利用して食事したりしているリトルナイトがいた。


「すごい! リトルナイトが沢山いる!」


 カラフルなジュースや、綺麗な飴を売ってるお店がある。

 テーブルや椅子が沢山置かれたスペースには、食べ物を手に談笑しているリトルナイトのグループがいる。


 ラーメンやおでんの屋台を出してるリトルナイトもいるみたい。あの屋台、わざわざここまで引いてきたのかな。


「みんな夜の散歩で出て来たリトルナイトなの! ほら、ギルドはあの大きな建物よ!」


 フリルが指し示した先には大きな建物がある。すごく立派な建物だ。


「あれがこの町のギルド……!? 随分と大きいな……」


「リトルナイトが頑張って建てたギルドなの! 二階建てで中にお店もあるのよ!」


「楽しそ〜!」


 ギルドの建物には明かりがついていて、中には沢山のリトルナイトがいるみたい。


「では早速、その羽を換金しに向かおう」


「分かった。はい、これアラジオの分ね」


 魔獣を持ってきたのはアラジオだし、帰りの運賃も必要になるかもしれない。だから庭で拾った羽を半分くらいアラジオに手渡した。


「いや、その拾った羽は全てピントが換金するといい。俺は奴にしがみついた時にむしり取った魔獣の毛と羽がある」


「分かった」


 アラジオに魔獣の羽を受け取り拒否されたから、羽はありがたく貰っておくことにした。


「さて、ギルドに入るとしよう」


「お邪魔しまーす」


 僕らは魔獣から取れた物質を手に木造建ての大きなギルドに入店した。電球に照らされた店内はとても明るくて綺麗で、木製のカウンターやベルがいい味を出してた。


「いらっしゃいませ〜」


 大きな受付にいる、ゴーグルを装着した男性型リトルナイトに迎えられた。

 受付のお兄さんの背後には大きな画面が見える。人間用のテレビにしては小さい気がする。


「素材の換金をお願いしたい」


 アラジオは慣れた手つきで素材とカードのようなものをテーブルに置いた。


「はいは〜い……おや、ウサギの君はここを利用するのは初めてかな?」


「うん、初めて」


「ならポイントをチャージできるギルドカードを作成しようね! 君の名前は?」


「ピント。ピント・オームラ」


「ピントくんだね!」


 ゴーグルのお兄さんは棚から取り出したカードを機械に入れて色々と操作をしている。


「ピントくん、この機械に手を出してくれるかな?」


「はい」


 僕はお兄さんが差し出した機械に手をかざした。しばらくすると機械が光って変な音を出した。


「……はい! 君のギルドカードを作成したよ!」


「ありがとう」


「どういたしまして!」


 機械から出てきたカードをお兄さんから受け取った。

 カードには僕の名前が苗字までしっかり書かれている。


「このカードに君の簡単な情報を入れたよ。君以外にこのカードは使用できないから、万が一落としても大丈夫!」


「おぉ〜」


「さてと……次は素材を換金しようね! 君の持ってる素材と、さっき作ったカードをテーブルに出してね」


「はーい」


 僕はテーブルの上にカードと羽を全部置いた。


「ナイトバードの羽だね! 1本100Pだから、5本合わせて500Pだね」


 お兄さんが大きな機械をいじると、機械からまた変な音がした。


「はい! これで君のカードにはポイントがチャージされたよ!」


「お兄さんありがとう」


「どういたしまして! また素材が手に入ったらここにおいで! 待ってるよ!」


 アラジオも換金を終えてから、僕らはギルドを後に……する前に、僕はお兄さんに気になってたことを質問した。


「ねえお兄さん、その後ろにある機械は何?」


「これはノートパソコンとカーナビだよ!」


「カーナビ?」


 ノートパソコンは何となく分かったけど、カーナビは初めて聞いた。


「車に装着する電子地図さ! 僕の相棒が新しいカーナビを購入したから、古いカーナビを譲ってもらったんだ。テレビも見られる優れ物さ!」


「いいなぁ〜」


 ギルドって色んな物があって面白い。またここに来たいなあ。

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