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16話 真夜中の冒険

 真夜中。自宅の庭でリトルナイトのアラジオと出会った。

 アラジオは靴下泥棒の魔獣に捕まって遠くから飛んできたみたい。帰りの手段が無くて目の前で困ってる。


「とりあえずこの町のリトルナイトの溜まり場を探して、そこで帰る手段を探すとするか」


「溜まり場?」


「そうだ。ピント、この町にリトルナイトが集まるような場所はあるか?」


「分かんない。僕、ここに来たばかりだから」


 溜まり場があるってことすら知らなかった。


「そうか……仕方ない、とりあえず溜まり場を探すとするか」


「あっ、ねえアラジオ」


「何だ?」


 僕はアラジオが何処か行く前に急いで呼び止める。


「僕も一緒にリトルナイトの溜まり場を探しに行くよ」


「いいのか? だが、ピントの主は外出は認めているのか? 無断で外に出るのはお勧めしないな」


「大丈夫だよ。夜は静かにして、そこまで遠くに出なければ大丈夫だってさ」


「なら大丈夫だな。では同行をお願いしよう、こちらとしても探す手が増えるのはありがたい。よろしく頼む」


「よろしく〜」


 僕とアラジオは庭に散らばった羽を集めたら、家の閉じた門を下から通り抜けて道路に出た。


「確か空を飛んでた時、向こうにリトルナイトが出してると思われる小さな明かりが見えた気がしたんだ。とりあえず向こうに行くぞ」


「はーい」


 アラジオはリトルナイトがいる場所に心当たりがあるみたい。確かな足取りで僕の前を歩き出した。


 誰も歩いていない広い道路を、アラジオと2人で歩いて移動する。夜中の暗い道路に2人分の足音だけが聞こえる。


「見回りしている警察と運良く遭遇できれば……もしくは、ギルドを発見できればいいのだがな。頼めばそこで、帰りのホウキの1つでも飛ばしてもらえるかもしれん」


「ギルド?」


「知らないのか?」


 アラジオは足を止めて僕の方を振り向いた。


「リトルナイトが勝手に運営している施設で、魔獣の素材とポイントと引き換えてくれるんだ」


「ポイント?」


「俺達リトルナイトにとっての金だ。リトルナイトが運営する店で使用できるぞ」


「リトルナイトがお店やってるんだ」


「勝手にな」


 リトルナイトサイズの小さなお店で、リトルナイト向けの商品とか作ってるのかな?


「人間用の店などで料理を作った際に出た端材を貰ってリトルナイトサイズの料理作ったり、山で取ってきた植物や鉱石を販売してるそうだ」


「へぇ〜面白そう!」


「リトルナイトサイズで人間には向かんが俺達リトルナイトからしたらだいぶ面白いぞ。さっき魔獣の羽を拾っただろ? それがあればそこそこ良いポイント貰えるぞ」


「おぉ〜」


 僕らが拾った羽はポイントに交換できるみたい。僕は片手に抱えた綺麗な羽を見つめた。


「これでご飯とか食べられる?」


「食える。だがそもそもの話、ギルドが無ければこの羽を換金することすらできない。運良くこの町のギルドが見つかれば……」


「そっか」


 そんな感じでアラジオと一緒にしばらく歩いていると、遠くに僕ら意外のリトルナイトを発見した。


「あ、向こうになんかいる」


「本当だ」


 ドレスを身につけた魔法使いの女の子型リトルナイトだ。大きなステッキ片手に道路を見渡して何かを探してるみたい。


「こんばんは〜」


「こんばんは! 貴方達、見ない顔ね?」


 魔法使いの女の子は僕達を見て挨拶を返してくれた。女の子は初めて会う僕らのことが気になるみたい。


「僕ピント。今日初めて外に出たんだよ」


「そうだったの? あら、貴方……」


 お話をしていると、女の子はふと僕らの持つ魔獣の羽に気がついた。


「それって魔獣ナイトバードの羽? すっごく綺麗ね! 近くのギルドで換金するの?」


「ん? この近くにギルドがあるのか?」


「あるわよ?」


 どうやらこの子はギルドの場所を知ってるみたい。これはラッキー。


「なら、ギルドの場所を教えてほしい。俺達はギルドを目指して歩いていたんだ」


「そうなの?」


「僕はこの町に来たばかりだからリトルナイトの溜まり場がどこにあるか分からなくて。で、アラジオは魔獣に乗って……」


「ピント! シーッ!」


 ついでに別の町から来たアラジオの経緯も説明しようとしたのに、アラジオに口を塞がれて止められた。

 そんな僕らの様子を、女の子は笑いながら見つめている。


「フフフ……! いいわ、私が2人をギルドまで案内してあげる! そのかわり……」


「な、何だ……?」


「アラジオさんが魔獣に乗ったお話を詳しく聞かせて!」


「だってさ。アラジオ、どうする?」


「……………………」


 女の子の提案を聞いたアラジオは口を閉じて黙った。


「……………………分かった」


 少し間を置いて、アラジオはようやく小さな声でオッケーを出した。


「決まりね! じゃあ一緒に行きましょ!」


「ありがとう! 良かったね、アラジオ」


「……そうだな」


 折角ギルドまで案内してくれる子が見つかったのに、アラジオはすごく微妙そうな声を出してる。そんなに魔獣に乗った経緯を話すのが嫌なのかな。


「私の名前はフリル! ピントさん、アラジオさん、よろしくね!」


「よろしく〜」


「よろしく頼む」


 ここからはフリルの道案内で移動することになった。目的地のギルドを目指して出発進行。

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