だんだんおかしくなった姉の話
だんだんおかしくなった姉の話
私、幽谷燈には三歳下の弟の悠真がいる。
いや、いたと言った方が正しいかな
二年前私が十五歳、悠真が十二歳の時に事件があった。
回想
家の近所にある河川敷に人間の全身バラバラの死体が見つかった。
捜査の結果遺体は幽谷悠真であることが分かった
私はあの時から徐々におかしくなった
どんなふうにかというと、悠真の死体を回収しに行った。
だが回収出来たのは右腕と左脚だけだったので、私は自らの左脚と右腕を切り落とし悠真の左脚と右腕を縫い付けた。
「これでずっっっっと一緒だよ悠真」
特に一気におかしくなったのは縫い付けた後ぐらいから
ドンドンドンドン
「せっかくなら残った部位も良い物と取り替えたいなぁ……そうだ他人から奪えばいいんだ」
とそう考え残った部位を変えた。
変えた後はただただ殺しを続けた
回想終わり
これが私がおかしくなった理由
今はもう私は人間じゃない精神的な物だけじゃなくて肉体的にも
私は……もう死んでいる
怨霊になっている
時折変えた部位の持ち主の人格的なのが出てくることがある
私の今の家は県内最強と言われる……心霊スポットとなっている
だから毎日毎日私の家に肝試しにくるやつらがいるから数人を逃し噂を広めさせ残りを全て殺し魂を喰らい力をつけている
三ヶ月後
「ここがつぎはぎの霊がいる心霊スポットか……おい景義覚悟は出来てるか、俺たちが除霊出来るかどうかでこの地の未来が決まるようなもんだ」
「分かってるよ義虎、しっかし俺たち二人で全国最強に勝てるのかよ……たった噂が生まれて三ヶ月ほどで県内最強から全国最強になるほど霊を喰らって強くなったやつだぞ」
「だからそのために準備したんだろ……そもそも除霊に向かった人が誰も帰ってこなかったから怖気付いた理事長が俺たちに依頼してきたんだろ」
そう俺と景義は理事長直々に依頼があったが、理由としては俺たちに実績があるのはあるが、問題児扱いをされていたこともあり、ついでに消えて欲しいっていうのもあるのだろうな。
まあ憶測に過ぎないから帰った後に聞くとするか。
「なあ景義、慎也にはなんて伝えてきたんだ」
「…………な〜んにも、なんか言ったら心配させるかもだろ。それに弟子は慎也だけじゃねえしな」
「だとしても何か一言ぐらい言ってやっても…………まあいい、入るぞ!!」
「はいはい、分かってる分かってる」
そして俺たちはトンネルに入った
つぎはぎ霊はトンネルの奥にいるのでそこを目指した。
コツコツコツコツ
「本当暗えな…………さっそく来た。義虎死ぬなよ」
「景義お前もな!!」
「あ〜あ、また人が来た……あははははどんな魂かなぁ、美味しいかな……どうやって殺そうかな」
そういったつぎはぎの霊は壁から今まで殺した人間のであろう身体の部位が出して俺たちを攻撃してきた。
すると霊たちが
「テメェらも道連れじゃあぁぁぁ」
「どうして私だけ……あなたたちが私の代わりに地獄に落ちてよ」
「こいつらを殺せば僕だけは助けてくれるんですよねぇぇ!!」などなど騒ぎ始めた。
すると景義が
「俺が被害者の霊を成仏させるんで、義虎はつぎはぎ霊を足止めしててくれ成仏させたあと必ず追いつく!!」
被害者の霊を成仏させればつぎはぎ霊が回復するために喰らうことは出来なくなる。
そのためには足止めが必要……まあ当然だよな
「了解絶対油断するなよ、それに何かある前に呼べよ分かったな!!」
俺はそういいつぎはぎ霊に向かって走った。
走り続けトンネルの中間あたりに差し掛かった時も被害者の霊が俺に攻撃してきたが無視し、つぎはぎ霊に向かった
「おお、餌がやっと来たぜ!! なあ姉貴ここは俺がこいつを殺していいよな」
「好きにしていいよ……ああ一つあるとしたら、絶望を与えた上で殺してその方が美味しくなるから……じゃあ殺したら起こしてね」
「はいは〜いおやすみっと……さて聞いてたよな、んじゃっ始めっか!! その前に……すぅ、テメェら喰われたくなきりゃ攻撃やめろ!!」
つぎはぎ霊がそう叫ぶと被害者の霊の攻撃が止まったのか景義が走りながら
「義虎〜突然霊が消えたんだけどさ、もしかして義虎のところに行ってない!?」
「来てないぞ……景義来てくれたんならちょっと手伝ってくれ!!」
一応奥の手はあるが今は出せない
「いいぜ義虎二人でぶっ飛ばそうぜ!!」
「そのために止めさせたんだからなぁ。まずは弱い方のテメェからな」
つぎはぎ霊がそういうと景義の足を狙って攻撃した。
「おっとあっぶねぇ、当たってたら完全に足がなくなってたな…………おい義虎何ボーッとしてんだ!!」
まずい!!
俺はつぎはぎ霊の攻撃を避けきれず左脚を落とされた
「あ〜ラッキー別のやつに当たっ……おい、おいおいなんなんだよその脚!!」
このつぎはぎ霊が見て驚いているのは俺の脚
なぜなら俺は体内に複数の霊を飼っている
俺の怪我の痛みも体内の霊にも共有される
俺の奥の手というのは自分の中の霊を使うこと
自らの身体が欠損することから痛みもあるが"祈り"で治る。
今までも何回も治っている首が刎ねられたこともあるがくっついている
身体がバラバラになればなるほど強力な力を発揮出来る……俺は人間であって人間じゃない、そのことは景義も知っているが『極力それは使わないでくれ義虎が傷つく姿は出来ることなら見たくねえ』と言われたが今回は使うことは言ってある
「景義頼む!!」
「はあ、後で説教だからな!!」
俺は景義に身体をバラバラにしてもらった。
これで条件は整った
「景義……ここから今すぐ離れろ」
俺がそういうと
「分かってるすぐ終わらせろよ」とすぐにトンネルの入り口まで戻っているのを見て安心した。
「ああやっと解放された……こんな身体にしたのはテメェか? テメェだよなつぎはぎ野郎!! よくもよくもよくも痛ってぇじゃねぇか……テメェも同じ目に、もっともっともっと痛めつけた上で喰って養分にしてやるよぉぉ!!」
「いやいやいや見てないのかよ今走ってる奴だろお前を傷つけたの!! まあいいやお前を喰えば俺も姉貴も強くなれる」
俺の身体の所有権は今霊にある
「まずはテメェの身体を動かせねえようにしてからぐちゃぐちゃにしてやる」
十五分後
ゲプ
「美味かった……姉貴終わったぞ」
「あぁやっと終わったの、まだ逃げてる奴が一人いるじゃない……まあそれぐらいなら私でも殺せるから任せて」
「いや俺がやるから」
「はあ、はあ、まさか義虎が殺されるなんて嘘だ嘘だ……なんとか理事長たちに伝えねえと…………あぁぁぁ!!」
グチャ……クチュ
「あっ、あっ逃げ……な……い……と」
「なあ姉貴ちょっとだけ喰い残して逃したのって」
「あの姿を見せたほうがもっと噂になるって思ったからだよ」
一ヶ月後
「今から全世界除霊協会の会議を始める。議題はあのつぎはぎ霊の件だ。皆の者も知っての通りあやつは世界の霊を喰らいつくし霊の王とかした。そこでその霊王をこの世から全人類の命運を賭けて消滅させることに決めた。もう会議してる場合じゃない今すぐ向かうぞ理事長命令だ」
そしてつぎはぎ霊と人類の戦いが始まった
おしまい
見つけて読んでいただきありがとうございます!!
気分転換にほのぼの日常系の話を読んでいたら思いつきました