メタいバトル!?
「それで、本当に1人だけなのね?」
「はい。」
「どうやって人をコピーしたの?」
「オリジナルの魔法で…。」
「先代国王の思想に従ったと?」
「はい。」
「ギロチンですわ。」
「お慈悲を、何卒。お願いしますぅ。」
「こういうのって裁判にかけてある程度法律に則って決めるんじゃないのか?」
「ここは王国よ、法を犯したら死刑が原則よ。それに、見てごらんなさい。」
絞首、電流、暴行、圧死、凍死、ギロチン
(まさか、賭け?)
「ああ、外れたぁ。」「俺なんて1ヶ月分の小遣いが消えたよ。」「ケケケケ、一番儲かるのは運営側って決まってんのさ。」「1円が35億円になった!」
(…言葉が出ない)
「はい執行。」
ザク ドサッ
祭りが終わったかのように静まり返る城内
「ところで、あのー、結婚のことなんだが…」
「お断りします!」
「「「「えーーーーー!」」」」
「みなさん、これは政略結婚です。あろうことかこの文明が発達した現代においてこのような不自由なことがまかり通っていいのでしょうか。また、この男と私は非常に仲が悪く、ことあるごとに殴られています。」
「な、仲が悪いことは認めるが、誤解を与えるような言い方をするな。いつも僕が出会い頭に殴られてその反撃をしているだけであって…。」
「うるさい!」
ガン!
「痛いじゃないか!なんでギロチンの台とか投げてくるんだよ、このバイオレントクソババア。」
「言ったわね?今日という今日はメタメタにして再起不能にしてやるわ。」
READY? FIGHT! カン!
「さあ、試合が始まりました。実況を務めさせていただく国王です。そして、急遽来ていただきましたこの方!」
「え、えーっと元魔王側近のカルナです。あっ、解説です。よろしくお願いします。」
「さあ、早速ボクシングの禁じ手キックを打ち込んでいきますセリアンヌ=マルコシアス=カンタラバンタラ=王様大好き親衛隊長4世選手。」
「お父様、とっくの昔にセラに改名しましたわ!」
「ああ、そうなの? ところで、連続のキックにどういった意図があるかを解説していただけますか。」
「執拗に股間を狙っています。狙いは子種を絶やすことかと。しかし、軟体動物のように鮮やかに避けていきます、シード選手。そして、こちらも先程から股間に触れる隙を伺っているようです。ムッツリか?」
「いや、伺ってないんだけど!?」
「どうやら膠着状態になったようです。お互いの攻撃が当たらなくなってきました。おっと、ここでセラ選手が仕掛ける!猛ダッシュからのライダーキックだ!さあ、どうなる!」
ぷよんっ
「跳ね返されたー!」
「あれは、硬度を弱めた結界魔法です!そしてその中で、シード選手はジュースを飲みながら携帯ゲームをしています。一体どこから…。」
「さあ、セラ選手鬼の表情です。かわいいですが鬼です。」
「いい加減にしなさいよ!喧嘩を売っておいてやっぱやめますって言うつもり?」
「いや、そもそも売ってないんだけど…ん?」
ガラガラガラガラ
「さあどちらの技でしょうか天井が崩れてきます。」
「実況している場合ではないですよ!」
「おっと、すまない。
聞け、民よ!慌てずに姿勢を低くして、腹を押さえておれ!」
「それは雷です。みなさん、頭を押さえてください。」
「…っ!魔王、あんたの魔法で…。」
「わかっている。はっ!」
(言ってはみたけど、この範囲を覆いつくすほどの風魔法、なんて魔力よ。)
いつぞやの勇者のように瓦礫は大気圏外まで飛ばされていった。
「さて、敵のお出ましか。」
「クク…我らは六暴騰、この世界に革命をもたらす者だ。」
「暴投?」
「暴騰だ、ちなみに私は三者凡退をさせたことがあるほどの腕前だ。」
「まあ、なんでもいいや。そろそろ王都編を終わらせないといけないからサクッと行くよ。召喚:元幹部フォルス!」
「へ?どこです?ここ」
「6人空飛んでる奴がいるだろ、そいつらの魔力を吸え!」
「(よくわからないけど)ウッス。うぉぉぉぉ!」
「「「「ぎゃああああ。」」」」
バタッ
【悲報】六暴騰、出番が短すぎる