二日目・4
あやさま たい がありません
「なあんだ、できないんだ、がっかり~。大したことないじゃない」
いやいや、◯◯エモンと勘違いしているだろ、絶対。
ざいりょうが ないと できません
「まあ、それもそうか。でもねえ、わたしは、買い物に行ってる暇なんてな・い・の」
慈良は、かちんときた。
わたしが うごけるのは こーどのながさ までです
電気コードがついていて、よかった。
この姿で近所のスーパーに行って買い物なんて、できるわけがない。
何かのイベントと思われるのならまだいい。子どもに絡まれたり、戦いを挑まれたりしたらどうしてくれるんだ。
「使えねーやつ。……しょうがないなあ、今日は○ーバーイーツで頼むか」
りょうりするには ざいりょうが ひつようです
「しつこいなあ。わかった。このタブレット預けておくから、宅配でも何でも注文して」
しはらいは どうしますか
「ちゃっかりしてやんの。仕方ないなあ。注文するときに、わたしがカード情報入れるから」
ちゃっかり?
オレは一口も食べれないんだ。
食べるのは、オマエだろうが!
しかし慈良はおとなしく答えた。
わかりました
慈良がタブレットを操作するのを、アヤは横からじっと見ていた。
「指先が、本当によく動くのね。……まるで、ロボットじゃないみたい」
あやさまの にがてなものは なんですか
慈良は、聞こえなかったふりをする。
こんなことでいちいちドキドキしていたら、身が持たない。
正体がばれたら、逃げるだけだ。いやむしろ、逃げる方がいいかもしれない。
こき使われる予感しかしない。
「えーと、人参でしょ、ピーマンでしょ。トマト。シイタケ。ニンニクも嫌い。脂身の多い肉も嫌い。魚は、青魚は苦手……」
おおすぎるので めもして ください
「えー、AIでしょ、このくらい覚えられないの?」
もじでないと むりです