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閑話2ー天界の様子

「いつものです。どうぞ」



古臭いバーで働いているのは、これまた古臭い年寄りのバーテンダー。そんな白髪の老人は、丁寧にオレンジと赤の液体が綺麗に重なっている液体を提供する。


そんな落ち着いた雰囲気の店や老人とは反対に、グラスに手をつけるのは派手な見た目をした露出の際どいおっぱいの持ち主だった。


客として来ていたのは、言うまでもなく女神である。



「毎度毎度、あんたは私のストーカーなの〜?」



カウンターはがらがらなのに、わざわざ隣に座ってくるタキシード姿の男性。



「そんな友人は嫌いかい?」


「友人じゃないし、あんたの事は嫌いよ〜」



その流れは何度も交わしたやり取りのようで、お互いに軽い微笑みを浮かべて話す。



「一人目の四天王討伐、おめでとう」


「うーん?あんた、第一四天王の討伐率を知らないわけじゃないでしょ?それくらいで大袈裟なのよ〜」



綺麗にグラスを持ち、色を楽しむ。



「まあ、今回が魔物相手で良かったよね、なんてったって次の相手は...」



ドンッと露出の際どいおっぱいの持ち主は肩を小突き、グラスを回して色を混ぜ始める。



「勇者がお手柄だったらしいね?とどめを刺したとかで」


「魂に働きかける敵だからね、能力を使えば一瞬でしょ〜」



それが合図となったように突如、壁にかけられたスクリーンに群がってた酔っぱらい達が歓声をあげる。



「うおおおお!四天王戦の続きが出たぞ!!」



そしてそれがまた合図となったように、バーテンダーの老人は、拭いていたグラスを雑に放り出し、スクリーンのそばに駆け寄る。



「リリーたんは自制心を失った後どうなるんじゃああああ!心の内側を見せてしまうのかあああ!!」



そして自分が毎朝丁寧に手入れしているであろう椅子に足をかけ、布巾を頭上で振りまわす。



スクリーンに映し出されたのは勇者が自分の短剣を四天王のチャームに投げつけ、注意を惹きつけていたところ。


そこでチャームは床下に消え、再度勇者に襲いかかるが、勇者はこれを躱し反撃にナイフをチャームの足に刺す。



「なあ、なにかおかしいと思わないかい?」


「はあ?普通に戦ってるだけじゃない、勇者が優勢なのもそんなにおかしいことじゃないでしょ〜」



勇者が反撃をすると、バーは喜びの歓声で満たされるが、その後のチャームの蹴りによりヤジが飛び交う。



「魔物相手なのに、なんで能力を使わないんだい?」


「え?あ... 」



露出の際どいおっぱいの持ち主の目には、戦況が一気に変わって見える。両腕を失い、片足に傷を負ったとて、能力なしでは人間が敵うような魔物ではないからだ。



「あいつ... 能力の使い方知らないんじゃ...」



倒れている勇者に向かってくるチャーム、勇者はナイフで反撃を試みるが、呆気なく蹴飛ばされる。


だが、先ほどのように野次は飛ばない、代わりに飛んだのは歓声だ。神々の目に映っていたのは、体の発散するチャームだったからだ。



「あ、危ないわね〜」


「なぜか勇者は、能力の発動条件を知らないみたいだね」



再度露出の際どいおっぱいの持ち主は男の方を小突く。そして、完璧に混ざり合わさった茶色の液体を一気に飲み干してしまう。



「どこへ行くんだい?もしかして死に戻り勇者の出迎えの準備?」


「次の相手は人間よ?第二四天王で死んだら賭場が大騒ぎになるじゃない」



興奮覚めぬといった野次を背に、露出の際どいおっぱいの持ち主はバーを後にする。


今日は二話投稿!


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