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テストパイロット
風化させてはいけない記録
平成23年当時93歳の男性。
僕はテストパイロットでした。
戦闘機開発のテストパイロットをしていて、終戦時は事故で両足を骨折していて入院をしていました。
アメリカ軍が来て、軍の機密情報を知らせるわけには行かないので、護衛に両脇を支えられて汽車で生まれ故郷に帰りました。護衛には身を隠すようにと言われ別れる際はお互いに敬礼をしました。捜索されないように婿養子に入り名字を変えました。
自分で会社を興して今まで一生懸命働いてきました。
背筋のピンと伸びた背の高いおじいさまでした。字も達筆でした。奥さまのお父様が18歳ぐらいで書いたとお聞きした、とても美しい書を時々思い出されます。
話の真偽性はわかりません。