まとめと次回への決意の話
いよいよ最終話だ。
これまでのなろう活動の振り返りエッセイだったはずが、終わってみれば研究結果の発表ターンの方が長くなっていた。
まあ、「研究結果発表」も振り返りではあるから、決して横道に入ってしまったわけではないと思うが。それに、あらすじにも書いた「反省と挑戦」にも相応しい話題だと思うし。
実験は楽しくもあるので、色々と試し始めてからの方がなろうでの活動も活発になった気がする。とにもかくにも、「次のステージに進もう!」と決めたあの時が、私のなろう史の大きな転換点となったのは間違いない。
ランキングを駆け上がるという決意とは矛盾するかもしれないが、私にとって読まれないことは大失敗ではない。それよりも致命的だと感じるのは、ミスから何も学べることがなかった時だ。
特に同じような失敗をして、「これ、前に気を付けないとって感じたところだ……」と思い出した時は大ダメージを受ける。新しい実験をしている時などは、目先の研究対象に夢中になって、よくこういう事故が起きる。
その度に脳裏に蘇るのは、「復習は大切」という誰もが一度は聞いたことのある言葉だ。
先人たちは正しかった。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」ということだろう。気付いたことや実験結果は皆ノートにまとめているので、定期的に見直す方がよさそうだ。
早速、有言実行。最終話なので、これまでに述べてきた異世界恋愛ジャンルの研究結果をまとめておくことにする。
・好まれる主人公は、「積極的に動く」、「自分に原因があったり、今までの頑張りを否定したりするような欠点を持っていない」人物である。
・ざまぁ要素は必須ではない。
・タイトルは「定番要素」「準定番要素」「新要素」の組み合わせを意識すること。
・タイトルに付ける主人公の属性で好まれるのは、「ネガティブ>ニュートラル>ポジティブ」。
・短編の文字数を削るために必要なこと。「プロットの立て方に気を配る」、「暴露される真実を少なくする」、「ヒーローのバックボーンはあっさりめに」、「外野を黙らせる」、「問題が解決するのは主人公のみ」。
・短編のヒーローは「主人公の目的達成を助ける存在」である。また、ヒーローが読み手に与える好感度の高さは「中~高」辺りがいい。
以上だ。
もちろん、これらの用件を無視した人気作があるのは百も承知である。だが、それは異端児だったとしても、それを補って余りある他の魅力があったということだ。
けれど、「魅力」なんて一朝一夕には身につかないわけで……。
まずは模範的な話を作るのが正攻法だろう。とは言っても、私の一番の欠点は、改良点が分かってもそれを上手く次作に落とし込んでいけない不器用さや要領の悪さにあるのだが。
また、それとは別に私の作品にはとてつもない欠陥があるということに最近気付いてしまったため、鋭意改善中だ。微々たるものだがその成果も出てきているので、後は数をこなしながら細かいところを詰めていくつもりである。
このエッセイは「ステップアップしたい!」な内容だったが、今度は「ステップアップしました!」な話を出せることを願おう。私の命を救ってくれた創作に返すべき恩はまだまだ大きいのだ。道半ばで立ち止まるわけにはいかない。
ここまで振り返りの旅を共に歩んでくれた読者の方々、感謝する。私がどこまで行けるのか、恩返しがどうなるのか、これからも見守っていただけると幸いだ。