現世にて
初投稿です。趣味で書いているので、余り期待しないでください。
都内のあるビルの一角、深夜2時
「はあ、はあ、これで何日目だったっけ」
"木谷 陽太"それが俺の名前だ。ごく普通の一般家庭で生まれ、私立の高校を卒業し、1浪して都内の大学に入学するも、特にこれと言った成績を残せず、一度留年して卒業した。卒業後、3社目の面接で、
「これ以降他の会社の面接を受けなかったらウチで働けるけどどう?」
と、面接官に言われた俺は大学で浪人や留年していた為、就活に焦っていた俺は気安くokしてしまった。
そうやって就職した会社は主にガスの販売、コンロや洗濯機などの家電の販売、外壁リフォームなどを行う会社でこの業界ではそこそこ有名らしい。
俺は運良く営業部に配属された。主な業務内容は新築のアパートなどにガスを売り込んだり、ウチのガスを使いたいと言う店の契約の取り付けなどだった。後にスマホで調べたが面接で「これ以降他の会社の面接を受けなかったらウチで働けるけどどう?」などと言う会社はブラック企業が多いと書いてあったが、自分は定時で帰れていたし、残業した場合はちゃんと残業代も支払われていた。そんな中、ある日自分がガスを売った店が燃えた。理由はガス漏れだった。上司は
「お前のせいじゃない。気にすんな」
そう言ってくれたが、自分はしばらく何も考えられなかった。その結果、自分は新たな顧客を三度も逃すと言う大失態をしてしまう。
その結果、俺は経理部に飛ばされた。経理部は会社の出費や売り上げなどを記録するだけの仕事。しかし、ただただデスクに座ってパソコンで作業するのは別に良かった。だが、この部署は営業部と違い、まず、タイムカードは上が管理すると言うものが採用されていた。そしてどれだけ残業しても、残業代が1銭も入らなかった。恐らく、上が定時にタイムカードをきっているのだろう。そして、残業しないと仕事が終わらないのである。営業部にいた頃顧客を得るため会食などにいっていたのだが、その出費、何処の会社か、などをパソコンに打ち込んでいく。この作業を繰り返しやっていると、飽きてくる。そもそも自分はこの作業にやりがいを感じていなかったのである。その内、近道をしたくなり、次第にやる気も失せてくる。その結果、スピードが遅くなり、残業が長引くと言う現象が起こる。しかも、他にも商品のコストや決算書やその資料の製作など、がある為会社に寝泊まりしないと間に合わないのである。
そう言う事で、俺は今日も残業している。いつからか、飲み物もお茶からクリーチャー(エナジードリンク)へ、そしてジェットブルに変わった。そして、本日4缶目を開け、口に含んだとき、唐突に苦しくなり、床に倒れる。同僚が近寄ってきて何かを言っているが、何を言っているか分からなかった。狭くなる視界の中、俺はせめて俺の死が世の中に伝わるといいな。そう思った。そして視界が真っ暗になった。 木谷 陽太 (29) 死亡 死因過労死
誤字、脱字があれば教えてください。あと私はまだ学生なので会社の事とかよく知りません