妹
君は、撲滅師を知っているかな?
日常の裏に潜み、人間を食い荒らさんとする化け物を倒す力を持つ者達、それが撲滅師だ。
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AI
そして、その撲滅師の頂点に立つのが、俺の父さんだよ」
「お父様が……!?」
「ああ。だから、俺はお前たちを守る為にも、撲滅師の修行をしているんだ。だが、それはあくまで家族としての愛であり、決して恋愛感情ではない。
それは
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俺
間違えてはいけないよ?」
「でもでもお兄様、お兄様はよく私に抱擁を求めるではないですか」
「ふふっ妹よ、それはな、日々修行で生死の境目を彷徨って疲れ果てた体を癒すための合理的行為だよ決して勘違いするでない」
「でもでもお兄様、お兄様はよく寝言で私の名を呼ぶじゃないですか。」
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AI
「それはきっと夢の中で君を求めているからだろうね」
「なら何故、最近お母様に抱きつかれると恥ずかしそうにするのです?」
「うぐぅッ!そ、それは……」
「それは?」
「…………実は、君の言う通りなんだ。僕は、君を愛している
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俺
しかしな妹よ、家族間での恋愛というのはご法度なのだ。故にこれは許されないことなのだよ」
「でもでもお兄様、私もお兄様が好きですよ?なぜこれが許されないのですか?」
「血縁者同士の子供には生まれなくなるからだよ。妹よ。」
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AI
「そんなの関係ないです!」
「あるさ!だって君は僕の大切な妹じゃないか!!」
「いいえ関係あります!!私はお兄様の子供を生むためにこの世に生まれてきたんですもの!!!」
「……………………は?」
「さあお兄様、私を抱いてください!今
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俺
ここで!」
そういって妹が谷間を俺の眼前に寄せてくる
「待つんだ!待つんだ妹よ!」
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AI
「待ちません!それにもう待てないんです!我慢の限界なんです!」
「ダメだ!これ以上はいけない!僕たちは兄妹なんだぞ!?」
「血なんか繋がってません!」
「えっ」
「お兄様とお姉様、お父様とお母様の血
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俺
によって生まれたあなたたちと違い、私はただの捨て子なので血の関係は一切ありません!」
「な、なにいい~~~~!!」
「だから、ねえ、いいですよね、お兄様」
「しかしだな妹よ、俺たちは兄妹だぞ!?」
「愛さえあれば関係ないのです!」
妹が俺を押し倒す。
まずい、これは非常にまずい
俺とて妹は好きだ。
愛している。
そういうことだってしたい。
しかしだ、俺とて人の子。
理性が働く。
その理性が今、俺に危険のゴングを鳴らしている。
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AI
鳴り響いているのだ!
「やめるんだ妹よ!」
「嫌です!今日という今日こそは逃しません!大人しくして下さいお兄様!そして早く私を抱いてください!」
「くっ……!なんて力だ!こんな華奢な体のどこにそんな力が……
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俺
くそ…!」
そこから先の事は覚えていない。
俺は妹の有り余る欲に打ち負けたのだ。
気が付いたら雀がチュンチュン鳴いたいた。
「ふにゅ~、お兄様ぁ…」
隣で寝ている妹が愛らしい寝言を吐く
「…まじでどうするんだ、これ…」
俺はこの先を考えた事による絶望の感情を吐いた。
化け物退治でさえ荷が重いのに、妹との関係なんて続けられるのだろうか…
「いや、問題視するのはそこじゃないだろ!」
妹と関係を持った方だろうが!
くそ!幸せすぎて自然と脳から外れていた!
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AI
「ん……?朝から騒々しいですねお兄様……」
しまった!起こしてしまったか!
「ああすまない、なんでもないよ」
「そうですか……むにゃ……」
再び眠りにつく妹。
寝顔も可愛いなあ! って違う!そうじゃなくて
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俺
だな!
まじでどうする…?
家族には打ち明けるべきか?
いやダメだろう。
化け物退治の撲滅師の権威と名高い厳格な父上の事だ。
このあまりにもOUTすぎる行いを許してくれるはずがない。
それにそれは世間的にもだ。
ああくそ、考えれば考えるほど自分がどん詰まりだってことを再認識してしまう。
なんで化け物退治より妹とのこれからを考える方が難しいんだ。
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AI
俺は、一体どうすれば……
「……おはようございます、お兄様……」
「……おお、おはよう……」
昨晩の事を思い出したのか、少し頬を赤らめて挨拶をする妹。
可愛い。…………ってそうじゃなくて!
「……あの、お兄様
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俺
妹の顔が暗くなる。
まさか、寝た事で事の重大さに気が付いたのだろうか。
「ん?なんだい妹よ」
「昨晩の事は、忘れずに大切な思い出としてとっておいてくださいね」
いやなんでだよ。
そこは普通『忘れてください』じゃないのかよ。
「なんでだい?」
「な、なんでって、それは…私たちお互いの初めてを卒業した最後の日だったのと同時に、私たちのこれからが始まる始まりの日だったんですから…当然でしょ…」
そう言って妹は頬を赤く染める。
自分でも気が付いて恥ずかしいのか、手で顔を覆ってしまった。
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AI
「…………」……うん、まあいっか。
「わかったよ、妹よ。」
「本当ですか!?やったー!」
「ただし!」
「?」
「妹よ、一つだけ約束してくれないか?」
「なんですか?」
「今後一切、僕に近
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俺
づかないでくれ。いいかな?」
「…え?」
妹の顔が青くなる
「ああ違うんだ、人前では、って話だよ。」
「え?」
妹の顔が更に暗くなる
「ダメなんですか?」
「いやダメだろ。
「でもでもお兄様、カップルというのはいちゃいちゃするのが仕事って聞きましたよ?」
一体それはどこの誰の情報だ。
「ダメな物はダメ、これだけは譲れない」
「でも」
「でもじゃない、これだけ絶対に守ってくれ。」
「ッ…!お兄様のおたんこナス~~~!」
そう言い放って妹はどかどかと足音を立て部屋から出ていった。
辺りにあるのはさっきまで妹が寝ていたせいでまだ少し暖かい布団、使い捨てられたティッシュ
さっきまでの様な騒がしさが嘘のように鳴りを潜め、今やこの部屋にあるのはボケーっとした顔の俺一人。
「ちょ、ちょっと待てよ妹!」
俺は一目散に妹を追いかけようと走り出した
ああもう、昔から妹は感情に身を任せすぐ行動するのが悪い癖だ!
なんで追いかけているのか?
それは俺でもわからない、わからないけど。
今追いかけなかったらダメな気がしたんだよ。
俺は扉に手を掛け廊下へと身を乗り出した。
あった、妹の背中。
まだ追いつく。
俺は妹の背中に掴もうと手を伸ばそうと
「ッ!」
したが、高速で通り過ぎたでかい何かに、
蛇の鱗の様な何かにその手を阻まれた。
「ッ…!ァ…」
蛇の様なでかい何かが通り過ぎた後、そこには何もなかった。
否、何もなかったというのは少々間違っているのかもしれない。
あるにはある。
でかい何かが通り過ぎたが為に作られた穴と、それによって生じた瓦礫。
そして、誰の物かはわからない、何かに轢かれた為にできてしまったミンチよりも酷い赤黒いナニかなら。
そこにはあった。
君と出会い~君と行く~ハッピーエンドのその先へ~~~