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自己紹介

俺の名は薫。

歳は多分高校生くらいだ。

なんで多分なのか。だって?


_____________________

AI


そんなの、俺はこの世界の人間じゃないからさ。

そう。俺は異世界から来たんだ。

あ、いや別に中二病とかじゃなくてね? 本当だよ? まぁ簡単に説明するなら……あれかな。

異世界召喚ってヤツ。

最近流行り


_____________________


のアレさ。

とは言っても俺の場合は少し、違う。

なにが違うのか。だって?

簡単だよ。

俺は俺の物語を持たないからだ


_____________________

AI


つまり、"主人公"ではない。

だからきっと、あの世界では"モブキャラ"だったんだろう。

まぁそんなことはどうでもいいんだけどさ。

とにかく、俺はその異世界召喚とやらに巻き込まれて、この世界にやって来たわけだ。

だけどもちろん、そのまま放置

_____________________


されているわけがない。

流石にモブキャラといえど出番はくらいあるのさ。

俺はよく周りから『自分を持っていない』とか、『印象がコロコロ変わる』とか好き勝手言われる質で、実際そうなんだろうと俺でさえ俺をそう思っている。

そんな俺だから。

そんないくらでも中身を変えられる俺だから。

選ばれたんだろうな。

俺を異世界に送り込む実験台として。

俺を送り込んだ奴の正体はわからない。

分かっていることは俺は、そいつの気分で、そいつに『飽き』が来るまで好き勝手にいろんな世界に送られること。

俺は新しい世界に来る度にそれまでの記憶を消され、自我を消されること。

そのあと、新しくその世界の知識、その世界での俺の立ち位置がインプットされ、違う自我を持った俺が作られること。

時にはただの学生に。

時にはロボットのパイロットに。

時には異世界転生の主人公に。

そして、そんな行為をもう何回も繰り返しているらしいとのこと。

更に、まるで変わりばんこの様にそいつが俺の思考、体をジャックし、俺になりきり動かすこと。


_____________________

AI


それは俺の意思に関係なく、俺はただそいつの玩具のように扱われるだけの存在だということ。

そのくせ、俺には拒否権はないということ。

これは俺にとって、とても理不尽なことだ。

けど、仕方ないんだよ。

だって、それが俺に与えられた役割なんだから。

俺はただ


_____________________


そいつの思うがままに動かされるだけの存在。

思うがまま、は言い過ぎたな。

時折、俺の行動が不可解すぎてそいつが頭を悩ませているときがある。

そんな時は、俺の行動をなかったことにしたり、そのまま悪乗りしてしまうらしい。


_____________________

AI


そのときばかりは俺も困るが、仕方ないことだと割り切っている。

だってそうだろう? 俺は俺であって俺ではない。

そいつにとっては、俺はただの道具にすぎないんだから。

それにしても……今日はいつもより長い気がするな……。

「あー……もうこんな


_____________________


こんな時間か…」


とは言っても今回、俺のした行為はゼロに等しい。

どうやら、そいつは今回俺の動かし方に悩んでいたらしい。

それで時間を食ったというわけだ。


さて、この世界ももうそろそろ終わらせるとしよう。

あ~、今回はなぜ過去の記憶を持っているのか。だって?

今回、俺は『俺という人間を伝える』という使命を持たされた。

俺が俺という人間を教えるには過去知ってなくちゃ不可能だろう?

だから今回ばかりは記憶を持つことを許されただけだ。

そして、その使命も全うした。

いや、全うされたの方が正しいか。

そういうわけだ、次からはまた別の俺になる。

だからなにも心配しなくてもいいのさ。


_____________________

AI


俺はただの駒に過ぎないんだから。

それじゃあ、さよなら。

俺は次の世界に飛ばされていく感覚を感じながら、そう思った。………………あれ? ちょっと待てよ? そういえば、俺って誰に何を伝えられてるんだっけ? まぁ……いっか

思ったよりもこういうの難しかった

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