告白。
「薫君、好きです!付き合ってください!」
男の俺とは真逆な高く、まるでこの世のすべての物質さえも無いもののように通り抜けてしまいそうな透き通る声は、さっきまで約30人もの人間を内包していたとは思えないほど静寂と化していた為によく響いた。
時刻は四時半。
放課後である。
窓から空を見ればさっきまで俺たちを照らしていた白光は鳴りを潜め、まるでムードを演出するかのように赤く、静かに俺たちを照らしていた。
おかげで可愛らしい真っ赤な彼女の顔が更に赤くその頬を照らしている。
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ここからAI
……これって、もしかして告白? そんなまさか。こんな可愛い子が俺に惚れるわけがないだろ。きっと何かの罰ゲームかドッキリだよ。
俺はそう思いながら隣に立つ友人を見る。
そこには――
「えっ」
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ここから俺
「えっ」
彼女がいた。
「な!?さっきまで目の前にいたはずなのに!?」
慌てて視線を戻す。そこに居たのは
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AI
先程までいたはずの女の子ではなく……俺の友人である『佐藤拓海』だった。
「おいおいどうしたんだよ薫?」
「いやお前こそなんでここにいるんだ?」
俺は困惑しながら聞く。
すると奴は何を言っているのか分からないといった表情を浮かべたあと、あ
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俺
り得ない。そんなものを見たかのようにその日焼けで黒い顔をみるみるうちに白くさせた。
「うし、うし、うし、後ろ!か、薫!」
なんだよ、後ろ?お前は何を言っている?俺の後ろに何かいるってのか?
おい、ちょっと待ってくれよ。なんだよ何がいるってんだ
ああ、あれだろ?なんかのおふざけなんだろ?そうだそうに違いない。
女子と位置が入れ替わったのだってあれだ。
どっかのゴリラを増やせる念能力者かタッパとケツがでかい女がタイプの戦闘狂を呼んだんだろ?
ああもう分かったよ。終わらせよう拓海。楽しかったよ。
「おい拓海ぃ~!この告白はどっきりだったんだろ?俺を弄ろうと画策して」
「お前何言ってんだよ!これが茶化している様に見えるかよ!」
「もういいって。お前が演技派だってことはわかったからよ。もうそろそろネタバラシと行こうや。どうせ振り返ったら『ドッキリ大成功!』の看板を持ったさっきの女子がいるんだろ?わかってる分かってる。」
そう言って俺は後ろに振りこうとする。さーてと楽しかったぜ拓海。今日は某ハンバーガーチェーン店でも行くかぁ。
「ば、馬鹿!」
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AI
瞬間、視界が大きく揺れ動いた。
直後、背中に激痛が走る。痛みを感じる暇もなく、今度は腹にも衝撃が来た。
そして次の瞬間には意識は暗転した。…………………………
目が覚めるとそこは知らない天井だった
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俺
「知らない、天井だ。」
fin