第4話 日に常に茶と飯の事
謎の転校生レンが現れた事から影と呼ばれる存在にその命を狙われる事になったシン。
世界の神だと言われた所で壮大すぎる話に実感がわかないまま、彼の平凡だった日常は少しずつ壊れて行く…。
SE(朝、鳥のさえずりが聞こえる)
シン「ん……朝か…」
SE(目を擦ろうとした手が温かい何かに邪魔をされる)
シン「あ……?」
SE(シンがぼんやり目を開けると目の前でレンが寝ている)
シン「……」
レン「……ん…(熟睡中)」
シン「……き…」
SE(寮全体にシンのキャーと言う叫び声が響く)
シン「ソウルブレイカー」
レン「第4話、日に常に茶と飯の事」
SE(ベッドから出て部屋の隅で心臓をバクバクさせているシン)
シン「な、な、ななな、なっ;」
レン「(未だ熟睡)」
シン「そ、そうだ、コイツ昨日からルームメイトなんだった;」
レン「(まだ熟睡)」
シン「確か昨日先にベッド占拠されて…仕方ねーからコイツずらして俺も寝たんだ…くそー、何が悲しくて野郎と添い寝なんかしなきゃなんねーんだよ;」
レン「(まだまだ熟睡)」
シン「つーか…」
SE(レンを見る、気持ち良さそうに寝ており起きる気配はない)
シン「コイツどんだけ寝るんだよ…既に12時間以上寝てないか?;」
SE(シンが時計を見ると、時刻は8時5分)
シン「……げっ!!!;;」
レン「んー…(寝返り)」
シン「おい起きろ!!遅刻すんぞ!;;(レンを揺する)」
レン「…あと5分…」
シン「あと5分じゃねーよ!遅刻なんだって!;」
レン「ちくわ…」
シン「遅刻だよ!ちーこーく!;;」
レン「ちくわぶ…」
シン「言ってねぇぇっっ!!;;」
SE(その頃のエルダは)
エル「…いい朝だわ…こんな朝はイングリッシュブレックファストにレモンスコーンがぴったりね…(ほぅ)」
SE(数分後、通学路を自転車でダッシュするシンがいる、後ろにはレンが乗っている)
シン「うわっ、もう20分かよ!;」
レン「遅刻だね」
シン「お前のせいなんですけど!!」
レン「低血圧なんだよ」
シン「だったらレバーでも食ってろ!」
レン「レバーやだな、苦手、それ以外がいい、そもそも鉄分補給ならレバー以外にも色々…」
シン「うっせぇわ!お前もう黙れ!(怒)」
レン「はいはい…」
シン「あーもう間に合わなかったらお前のせいだかんな!(怒)」
レン「………」
シン「なんか言えよ!;」
レン「黙れって言ったじゃないか」
シン「あー、そうね;」
レン「8時21分」
シン「なにぃ!?;」
レン「57…58…59…8時22分」
シン「うおぉあぁぁぁぁー!!!;;」
SE(シンが全力で駆け抜けて行く)
SE(学校)
エリ「皆さんおはようございますっ、今日も元気そうで何よりだわぁ♪」
ユウ「…シン来ねぇなー、レンたんも」
ジュン「遅刻じゃない?」
ユウ「だろうなー…ったく、レンたんまで巻き込んで遅刻たぁいい度胸だ」
ジュン「あぁ、でも…」
SE(廊下をバタバタ走る足音がする)
ジュン「来たみたいだよ(にこっ)」
ユウ「あ?」
SE(スパーン!と軽快に扉が開く)
シン「スイマセン、遅れましたぁっ!!;」
エリ「……天嶺君…これでもう6回目よ;」
シン「す、スイマセン;」
SE(シンより少し遅れてレンがやってくる)
レン「おはようございます、すいません遅れました」
エリ「もー、しかもレン君も遅刻なのねっ!;二人ともたるんでますっ!;」
シン「す、スイマセン;」
レン「すいません…」
エリ「…まぁ、レン君はまだ2日目だし、何かとわからない事もあるだろうから今日は大目に見ますけど…次はありませんからねっ」
シン「はい;」
レン「はい」
エリ「じゃあ二人とも席に着きなさい」
SE(二人が席に着くと、後ろからユウがシンに話し掛ける)
ユウ「シンー、レンたん巻き込むなよ、可哀相だろ」
シン「ちがっ、だってコイツ全然起きねーんだもん!;(レンを指差す)」
ユウ「初日だから疲れて寝不足だったんだろー?なー、レンたん(レンを見る)」
レン「うん」
シン「昨日5時に寝た奴の言う台詞じゃねーよ;」
ユウ「マジ!?5時に寝たのか!?;」
レン「うん」
ユウ「そんな明け方までレンたんに何させてたんだよお前…(じっとぉ…)」
シン「あのね、夕方の5時だから、17時、つーか何させてたって逆に俺がコイツに何をさせるんだよ;」
ユウ「そんなっ…お前それっ、こんな所で言わせる気か…?」
シン「おい待てなんか変な空気作るんじゃねえ!!(怒)」
SE(ユウが頬を両手で覆うとシンが思わずガタンと立ち上がる)
エリ「シン君と結城君、平常点−30…と」
ジュン「ハハハ、二人とも減点されてるよー(笑)」
二人「何ぃ!?;」
聖「…(その様子を離れた席から見ている)」
SE(昼休み)
シン「…ふう、朝はえらい目にあったな;」
聖「シーン♪」
SE(頬杖をついてぐったりするシンの元へ、一人の少女がやってくる)
シン「(声をかけてきた人物をちらりと見ると、間をおいて視線を戻し)…なんだ聖か」
聖「なんだとは何よ(怒)」
シン「はいはいなんですか聖ちゃん(ぶっきらぼうに)」
聖「(ため息)…まぁいいわ、ねぇ、一緒にお昼行かない?」
シン「あぁ、別にいいけど」
聖「やったぁ♪」
シン「じゃあぼちぼち行くかー…ほらユウ、起きろ(後の席で寝ていたユウを起こす)」
聖「え?;」
ユウ「…んー…もうメシ?」
シン「そーだよ」
ユウ「あ〜じゃあ起きるわ…(ゆっくり起きる)」
SE
ジュン「二人ともご飯行こうよ、レンも(笑顔)」
レン「(ノートを机にしまう)うん、行こうかな」
聖「ちょ、ちょっと…;」
シン「あ?なんだよ聖」
聖「なんで人が増えるのよっ;」
シン「?人いたほうが楽しいじゃん、まぁ例外はいるけどな」
ユウ「シンちゃんそれ誰の事ぉ?(笑顔)」
シン「(笑いながら)決まってんじゃんユウとレ」
ユウ「穿冲拳っっ!!(せんちゅうけん) 」
シン「ぐぶふっっ!!;(鳩尾にHITする)」
SE(シン、その場にうずくまる)
ユウ「さぁ…もう一回言ってごらん?(笑顔で指ポキポキ)」
シン「ユウ様と…レンたんが、いないと…つまらない、です…(ピクピク)」
ユウ「そーかそーかそんなに俺らの事が好きかー(笑)」
聖「シン大丈夫っ!?;(しゃがんでシンに近寄る)ちょっとユウ!アンタやりすぎなんじゃないの!?(ユウを見上げて睨む)」
ユウ「おぉ、なんだいたのかクソ女」
聖「そーよいたわよクズ男(怒) アンタちょっと限度ってもんがあるでしょ?本気で鳩尾蹴ったら内臓が破裂するわ!」
ユウ「大丈夫だって、シンの内臓ゴムだから」
聖「んな訳ないでしょ!スライムのようにか弱いわよ」
ユウ「いーや、ゴムだね!」
聖「スライムよっ!!」
レン「(しゃがんでシンを見下ろしながら)…シンの内臓は化学物質で出来てるの?」
シン「出来てねぇぇー…;」
ジュン「シンは全体的にチョコレートで出来てるんだよね(笑顔)」
シン「お前らこぞって俺を人外にするなぁぁー…;」
SE(場所は変わって食堂。受け取り口でランチを待つシンとレン、他のメンバーは席取り)
シン「あー、まだ鳩尾痛てぇ;」
レン「大丈夫?」
シン「お前一応俺の事守るんだよな、の割に俺すげぇボロボロな気がするんですけど;」
レン「命に差し支えなければ別にいいかと思って」
シン「いや、よかないだろ!;」
レン「それに見てて面白いし」
シン「あ!本音だな!?;それがお前の本音だな!?;」
レン「まぁ、あながち間違ってない」
シン「大正解だろうが!!;」
SE(聖がやってくる)
聖「シンー、私もランチ運ぶの手伝うよ♪」
シン「ん?あぁ、サンキュ」
聖「…」
SE(聖がレンをガン見する)
レン「…?」
聖「……(ふいっと目を反らしてシンを見る)ねぇシン、今日は何ランチ頼んだの?」
シン「え?Aだけど…つーか俺、大体Aだな、外れないし」
聖「ふーん、私ならBだなー」
シン「はっ、邪道だな(鼻で笑う)」
聖「何よ、Bランチの方が大体ヘルシーだし量も調度いいんだからねっ」
シン「でもデザート追加したら意味無くね?」
聖「デザートは別腹だもーん♪」
SE(シンと楽しげに二人の世界を作る聖、再びちらっとレンを見て、ざまあみろと言ったような笑みを作る)
レン『(それに気付いてきょとんとする)…?この子…』
食堂のパートさん「はいAランチ4つにBランチとプリン!出来たよ!」
シン「お、待ってました♪」
聖「あ、私Aランチ一つ持ってあげよっか」
シン「ん?いいよ聖は自分のだけで」
聖「で、でも」
シン「レン、2つ持てんだろ?」
レン「…(持ってみる)うん、余裕」
シン「じゃあ問題ねーな、ほら行こうぜ」
聖「あ…;」
SE(シンとレンが並んで先を歩く、それをしゅんとした様子で見つめる聖)
聖「…」
SE(席までたどり着く3人)
ユウ「おぉ、こっちこっち(手招き)」
シン「(席を見て)あ、そうか、今日奇数なんだよな」
聖「あ、私シ」
シン「じゃあ俺とレンこっち座るわ、聖そっちな」
聖「え;」
シン「だって丁度そっち側立ってるのお前だけだし、席替えめんどくさいし(ガタンと椅子に座る)」
レン「…(シンの隣に座る)」
聖「そ…そうね;」
ユウ「なんだクソ女、俺様の隣は不満だと?」
聖「そうね、むしろアンタが存在してる事自体が不満ね」
ユウ「まぁ貴様の存在よりはマシだ」
聖「なんですってぇ!?(怒)」
ユウ「おぉなんだやるか?」
ジュン「二人ともその辺でねー(笑顔)」
レン「ご飯冷めるよ」
ユウ「そうだな、食べるか♪(ころっと)」
シン「あー腹減った、いただきまーす」
レン「…いただきます」
SE(4人が食べ始める)
聖「…もうっ;(椅子に座る)いただきまーす」
SE(聖も食べ始める)
ユウ「……そーいや次のライブどーするよ」
シン「あぁ、なんか再来週までは運動部が体育館使うってさ」
ユウ「じゃあ月末までは無理かー」
ジュン「いいんじゃない?レンも入ったばかりだし、調整するには調度いいよ」
聖「ちょっと!もしかしてその子R0に入ったの?;(レンを箸で指す)」
レン「?」
ユウ「オイコラ箸で人を指すなバカ女」
ジュン「うん、昨日からギター担当で正式にメンバーになったんだよ(笑顔)」
聖「あたしシンのギターが好きだったのにー!!;」
シン「あぁ、そりゃどうも;」
聖「大体こんな見るからに初心者で無口でぼーっとした奴にギターが務まんの!?;どうなってんのユウ!!;(ユウに向き直りやっぱり箸で指す)」
ユウ「だから箸で指すなっつーの;」
ジュン「てか前者はともかく後者の二つは関係ないんじゃ…」
ユウ「まぁ何にせよレンはギターが弾けるんだ、別にそれ以外に理由いらねーし、メンバーはメンバーだから仲良くやってく、そんでいいだろ」
ジュン「うん、異義無し(笑顔)」
聖「……シンもなの?;」
シン「あー、うーん、まぁー、そうね;(明後日の方を見る)」
聖「…;(なんで?と不満そう)」
ユウ「ほらほら皆さん早く食べないと冷めるわよー♪」
ジュン「そうそう、ほらレンなんか…」
レン「ごちそうさま」
シン「ってお前早くね!?;」
レン「朝食べなかったからお腹空いてて…」
シン「いやそれ以前の問題だろっ;」
レン「みんな喋ってるから遅いんだよ」
シン「お前は喋らなすぎだっ;」
レン「どうでもいいけど昼休みあと10分だよ」
シン「えぇ!?ヤバッ、俺全然食ってねぇ!;」
ユウ「ヤベ、俺もだっ;」
SE(慌てて食べ始める二人、因みにジュンは間もなく終了)
レン「…(やれやれといった具合にランチに付いていた紅茶を飲む)」
聖「…(そんなレンをじっと見ている、レンは気付かない)」
ユウ「おばちゃんごちそうさまっ」
SE(昼休み残り3分、廊下を全力で走り急いで教室に戻るユウとジュンと聖)
聖「あーもうっ、なんでこうなるのっ!?;」
ユウ「知らん!いいから走れ!」
聖「大体教室まで遠いのよ!何なのこの学園!」
ジュン「文句は建築士に言いなよ」
聖「てかシンは!?」
ユウ「食器置いてたからそのままおいてきた」
聖「はぁ!?アンタ何シンをパシリに使ってんの!?;」
ユウ「使ってねーよ!人聞き悪りぃな!!」
ジュン「レンが場所とかわかんないからついでに教えるんだってさ」
聖「え…」
ユウ「そのついでに俺らの食器もやって貰っただけで…」
聖「結局こき使ってんじゃない!(怒)」
SE(その頃のシンとレン)
シン「(走りながら時計を見る)げ!あと3分かよ!;」
レン「(同じく走りながら)間に合う?」
シン「ムリ!!;」
レン「始めから諦めるのは関心しない」
シン「(被って)その原因はお前ですが(怒)」
レン「何でも人のせいにするのはよくな」
シン「(被って)お前以外誰の責任でもねーよ!(怒)」
レン「……まぁなんでもいいけど」
シン「投げやりになんなっ!」
レン「……来るよ」
シン「は?」
SE(直後、キィンと耳鳴りがシンを襲う)
シン「っつ!」
レン「…(立ち止まる)」
シン「これ…昨日のっ;」
SE(瞬きをした刹那に辺りから人が消え、窓の外は不気味な赤黒い空が広がる)
シン「…;」
レン「…(銃を出す)」
シン「今日は…どっから…」
レン「ここは廊下だからね、前後の見通しはいいけど…」
シン「じゃ…じゃあ前後で背中合わせにしてれば…;」
レン「懸命な判断だね」
SE(ずずっとどこかで影が動く)
レン「けど相手は影だ、つまり実態の無いもの…だから…」
シン「…;」
SE(シンの足元にざぁっと黒いものが現れる)
レン「そこから離れろっ!」
シン「っ!?;」
SE(シンがとっさに一歩引くと、ゴバッと下から影が現れる)
シン「なっ、下からっ…!;」
レン「生憎だけど今日は長くやるつもりは無い!」
SE(直ぐさまレンが一発撃ち込む、が、瞬時に影は床へと戻り弾は外れる)
シン「外れたっ!?;」
レン「ちっ…(次弾装填)」
SE(しばし沈黙が流れる)
シン「ど…どこにいったんだ?;」
レン「まだ近くにいる…」
シン「…;」
SE(レンの頭上で影が動く)
レン「!?」
シン「っ上だっ!;」
SE(レンの頭上から再び影が現れる)
レン「!!」
シン「危ねぇっ!!;」
レン「…くっ」
SE(そのまま上からレンが飲み込まれる)
シン「そんなっ…飲み込まれっっ…;」
SE(直後、影の中から光が溢れ、丸く膨らんだ影が内側からぱぁんと破裂する)
シン「っうぁ!!;」
SE(光がおさまりばらばらと影の破片が落ちてくる中で、真上に銃を掲げたレンの姿が目に入る)
レン「……僕を取り込もうなんて100年早い…甘く見るなっ」
シン「……;」
SE(レンが銃を下ろす)
シン「…すげぇ;(ぽかんとしながら)」
レン「そうでもないよ」
SE(言いながら銃を小さなアミュレットに変型させる、それを一先ずポケットにしまうと)
レン「…さ、そろそろ戻るよ、教室に急ごう」
シン「あ…あぁ;」
SE(教室へ再び足を向け歩き出す二人)
シン「…なぁ(レンを見る)」
レン「なに?(前を見たまま)」
シン「……俺は一体…どれだけ大変な事態に巻き込まれてんだ?;」
レン「……今はまだ…ピンと来なくて当然だ」
シン「…;」
レン「(シンを見上げて)心配しなくても、君は僕が守るよ」
シン「あ…あぁ…;」
SE(シンの心に不安を残したまま、世界は元の色を取り戻していく…が)
シン「…あれ?;(立ち止まる)」
レン「なに?(少し前で立ち止まり振り返る)」
シン「なんでだ?空も元に戻ったのに…誰もいねぇっ;」
レン「…あぁ、それは多分…」
シン「なんだ、まさかまだ影が…?;」
レン「いや、多分授業が始まったんじゃないかな」
シン「何ぃ!?;」
レン「僕らが向こうの世界にいる間も、こっちの世界では少しずつだけど時間が経過しているんだ」
シン「お前何冷静に分析してやがる!;(怒)」
レン「や、慌ててもしょーがないし」
シン「慌てろよ!頼むからっっ!!;(怒) 」
レン「慌てると髪が抜けやすくなるってゲンさんが…」
シン「どこのゲンさんだ!つーか誰だよゲンさんっ!!(怒)」
レン「つむ」
シン「(被って)あーもう!いいから教室行くぞっ!!(怒)」
レン「…はいはい」
SE(教室に向かって走る二人)
シン「その後、授業開始から10分後に教室についた俺達は、現国担当のシスターにこっぴどく絞られて、放課後に課題を追加されました」
レン「ちなみに部活にも遅刻したのでシンはユウから飛び蹴りをされてました」
シン「うっ…うっ…俺なんでこんな苦労人…(涙)」
レン「次回に続く」
シン「勝手にシメんなぁぁーっ!(泣)」
第5話へ続く