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Soul Breaker  作者: 旋風元気
3/33

第2話 R-0

突如異界のような空間に1人閉じ込められたシン。

そこで人ならざる者に襲われる彼を救ったのは転校生のレンだった。

そしてシンはレンの口から信じ難い事実を聞かされる。

レン「君の魂は神の生まれ変わり…つまり君は、この世界の神そのものなんだ」

シン「俺が…神…?」




シン「ソウルブレイカー」

レン「第2話、R・0(アール・ゼロ)」




SE(空の色が戻り、辺りは放課後の活気に包まれる)

シン「なんだよそれ…神だのエクソシストだの…それに俺は、そんな大それた奴じゃねぇっ!;」

レン「けど事実は事実だ」

シン「そんなん信じられるかよっ!;」

SE(シンが怒鳴ると周りの生徒が数人こちらを見る。それを見て、レンは溜息をついてシンを見つめ返した)

レン「場所を変えようか、順を追って説明しよう」



SE(体育館裏)

シン「…で?ちゃんと説明してくれるんだろうな」

レン「もちろん」

シン「俺が神ってどういう事だ」

レン「その前に、この聖クリストファ学園の宗教は?」

シン「は?カルフィム教だろ?そんくらい知ってる」

レン「そう、世界の半数以上が信仰しているとされるカルフィム教、信仰される神の名はレウス。彼は約3000年前に人間に姿を変えて地上に降り立ち、人々にあらゆる教えを解いたと言う」

シン「でも最後はその力に恨みを持った人間に処刑されちまうんだろ?」

レン「そうだね、でもそれは一部の人間達がした事だ。だからレウスを心から敬愛し、信仰していた人達の手によって、今もカルフィム教として伝わり続けている」

シン「…で、それがなんなんだよ」

レン「ここからは教会の最高機密に近い話、2980年前に処刑されたレウスは、その3年後に生まれ変わった」

シン「…神が蘇ったって事か?」

レン「そう、それが彼の最初の転生。生まれ変わりの赤ん坊には額に十字の聖痕せいこんがあった…レウスと同じ、十字の聖痕が」

シン「…」

レン「赤ん坊は成長すると、レウスと同じ力を使うようになった…それをきっかけにその子供はレウスの生まれ変わりと判断された」

シン「…」

レン「そしてその子供が死んで、それから10年後にはまた同じ事があった。その次も、またその次も…教会が確認するだけで、レウスは50回以上も生まれ変わり続けているんだ」

シン「まさか……それで、今度の生まれ変わりが俺だって言うのか?;」

レン「あぁ」

シン「は…信じらんね……つか、俺の額にそんな十字なんかねぇぞっ;」

レン「今はね」

シン「は?;」

レン「今はまだ君の力が覚醒していないから、普通の人間の目では確認することが出来ないんだ、勿論君にも」

シン「…;」

レン「何度も生まれ変わる内に聖痕も薄くなってきてるんだ、教会の資料によれば、300年前辺りからは、もう覚醒してないと聖痕は見えなくなってきている」

シン「はぁ…;」

レン「でも君の力はとても大きな物なんだ、悪用されれば世界が大変な事になる…わかりやすいので言うと、570年前と120年前にあった世界大戦は知ってるかい?」

シン「あぁ、歴史で習ったから」

レン「あれはレウスの力が人の欲の為に悪用されて起こった出来事だ」

シン「…マジですか;」

レン「その時は教会のレウス発見が遅れたんだ…結果レウスも死に、世界中の沢山の命が消えた」

シン「…;」

レン「だから僕達にはレウスの魂を保護し、見守る義務がある…繰り返さない為にも」

シン「それで今度は俺を守るってのか;」

レン「そう言うこと」

シン「冗談じゃねぇっ、そんなのっ…」

レン「(被って)言っておくけどっ、…君に拒否権は無いよ、君の持つ力を悪用される訳にはいかないんだ」

シン「……その力を消すことは出来ないのか?;」

レン「残念ながら無理だ」

シン「…(絶望したように落ち込む)」

SE(俯いて可哀相な程落ち込むシン、そんな彼を見兼ねたように、少ししてレンが声をかける)

レン「……ただ君に、今までと変わらない暮らしをさせてあげる事は出来る」

シン「ホントか?(ぐすっと泣きながら)」

レン「狙われはするけど」

シン「いやそれ本質的なトコ変わってねぇし(泣)」

レン「でも僕は何があろうと必ず君を守る、死なせはしない…この命に変えても」

シン「…お前…」

レン「だからこれを…」

SE(レンが小さなクロスのついた黒いチョーカーを取り出す)

シン「なんだソレ」

レン「チョーカーだよ…これをこうして…」

SE(言いながらそれをシンの首に着ける)

シン「…」

レン「これで主従の契約成立だ」

シン「………いやいやいや!契約ってなんだよっ;」

レン「今この時を持って君は僕の主になった、これで僕には正式に君を守る義務が生じる」

シン「生じても困んだよっ!つかなんでイキナリそんな関係になってんだ!;」

レン「契約した方が僕も守りやすいから」

シン「だからその契約ってのが意味わかんねぇんだって!;」

レン「そう言われても…」

シン「ったく、ふざけんな!こんなモン…(頑張ってチョーカーを外そうとする、が)……は、外れねぇ;」

レン「あ、それ僕しか着け外し出来ないから」

シン「外せっ!;」

レン「防具は呪われている」

シン「やかましい!どこぞのゲームじゃねーんだよ!(怒)いいから外ー…」

SE(シンの台詞に被ってユウの声)

ユウ「オラこのサボり魔ぁーっっ!!」

SE(跳び箱の1番上の段が一つ飛んでくる)

シン「どわっ!!;」

SE(瞬時にしゃがんで避けるシン、すぐにユウが歩いて来る)

ユウ「お前部活すぐ来いっつったろーが!!」

シン「だからって跳び箱投げんなっ!当たったらどうすんだよっ!!;」

ユウ「YOU A DEAD(真顔)」

シン「殺す気か!!」

レン「…(『部活…?』と考えてる)」

ユウ「ん?(レンに気付いて)お前…」

SE(ユウより少し遅れてジュンがやってくる)

ジュン「あれ、君確か転校生の…」

レン「…レン」

ジュン「そうそうレン君(笑顔)」

ユウ「転校生とシンがこんな体育館裏で何してんだ」

シン「あ、いや…;」

SE(隣にいるレンにしか聞こえ無いように)

シン『オイ、お前俺が神だとかコイツらに絶対言うなよっ;』

レン『言われなくても一般人には言わないよ』

ユウ「2人で何コソコソ話してんだよ(じと〜っと見つめる)」

シン「Σや!な、なんでもないっ!;」

ユウ「はぁー?怪しいな…」

ジュン「愛の告白?」

シン「違うっつーのっ!(怒)」

ユウ「シン…お前意外と手ぇ出すの早かったんだな」

シン「ぶっ殺すぞテメェ(怒)」

レン「アナタ達は?」

ユウ「あぁ、俺らか?俺同じクラスの大道寺結城だいどうじゆうきんでこっちが…(ジュンを指差して)」

ジュン「藤沢純哉ふじさわじゅんやだよ、よろしくねレン(笑顔で握手を求める)」

レン「…どうも(差し出された手を握り返す)」

ユウ「で?マジで何話してんだ?」

シン「あ?か、カンケーねぇじゃん;」

ユウ「なんでそんな隠すかねぇ…だから怪しまれんだぜ?(ニヤニヤ笑い)」

シン「だからそんなんじゃねーって!しつこいな!;」

レン「…話を」

シン「へ?;」

レン「話を聞いてたんだ、その…部活の話を」

シン「…おま」

ユウ「おぉー!なんだそっか!早速勧誘なんてやるなーシン♪(笑顔でシンの背中をバンバン叩く)」

シン「あだっ、いてっ;」

ユウ「それならそうと早く言えよな♪」

ジュン「そうだよ、隠すことでも無いのに」

ユウ「んじゃ早速新入部員を案内をしますかね♪行くぞ皆の集!」

ジュン「はいはい、じゃあレンもついて来てね」

レン「うん」

SE(ユウとジュンが歩き出す、後ろをレンとシンが続く)

シン『(レンに向けて小声で)オイ、どういうつもりだよ;』

レン『よくわかんないけどなんか困ってるみたいだったから』

シン『それはそうだけど…;』

レン『それに僕は出来るだけ君の傍にいなきゃならないんだ』

シン『は!?』

ユウ「はい到ちゃ〜く」

SE(言ってたどり着いたのは音楽準備室、部屋名を書いたカードには上から『R0部室』と書いた紙が張ってある)

ジュン「さぁどうぞ(扉を開けてレンに中へ入るよう促し)」

レン「どうも」

SE(4人が中に入る。埃っぽい狭い部屋には小さな小窓から光りが射し、隅に無造作に集められたブラスバンドの楽器の前にはギター、キーボード、ベース、ドラムがそれぞれ丁寧に置かれている)

レン「これが部室?」

ユウ「あぁ…正規の部じゃないからこんなんだけど…まぁ座れよ、一応掃除はしてんだぜ?(適当な場所に腰を降ろす)」

SE(レンが床を見ると、確かに言葉通り掃除はされているらしく、埃っぽい割に室内は綺麗だった。レンがその場に座ると他の二人も座り、4人で円を作る)

ユウ「さて、改めて我が部へようこそレン、歓迎するよ。まずはメンバー紹介からな」

レン「はぁ」

シン「あ、あのさ、とんとん拍子に話進んでるとこ悪いんだけど…;」

ユウ「(遮って)ボーカルとギターがコイツ、シン(シンを指差す)んでドラムのジュン」

ジュン「ドラムです(にっこり微笑む)」

レン「はぁ…」

ユウ「最後に、俺様がリーダー兼キーボード兼ベース、曲によって使う楽器は変えてるんだ」

レン「…あの」

ユウ「ん?」

レン「さっきから…これはなんの話?」

ユウ「へ?…なんだよシン〜、説明全然してねーんじゃねーか;」

シン「跳び箱投げて妨害したのお前だろ;(ホントは違う話してたケド;)」

ユウ「しゃーねーなぁ…んじゃー、一から説明しますか」

レン「お願いします」

ユウ「俺ら3人でバンドやってんだ、ジャンルはパンクロック、バンド名はR0(アールゼロ)!(語る内にだんだん熱くなる)」

ジュン「元々はユウが勢いで始めたバンドでねー、それが思いの他ハマっちゃって、文化祭や放課後にミニライブとかやったりしてるんだ」

ユウ「これがまた楽しいんだよ」

レン「へぇ…」

ユウ「てな訳でレンは何担当したい?(キラキラと爽やかに)」

レン「え?」

シン「えぇっ!?;」

ユウ「なんだよシン、うるせーな」

シン「や、なんでそんなイキナリ入部前提で話進んじゃってる訳?;」

ユウ「は?誘ったのお前だろ?」

ジュン「それにちょうどもう一人メンバー欲しかったし、何も問題ないじゃん」

ユウ「そーだそーだ」

シン「それは…そうだけど;」

SE(チラリとレンを見る。淡々と無表情で座っている彼にいまいち馴染めないらしい)

シン『俺…なんかコイツ苦手なんだよなぁ…守るとか訳わかんない事も言われるしさぁ…;』

ユウ「で、レンはどこ担当したい?ボーカルか?(笑顔でレンに話し掛け)」

シン「ちょっと待てい!;(ユウの肩を掴み)」

ユウ「あぁ?なんだよ今大事な事聞いてんのに」

シン「何勝手に話進めてんだよ!つか何ナチュラルに人のポジション勧めちゃってるワケ!?;(怒)」

ユウ「別にいいだろ、減るもんじゃあるまいし」

シン「減るわっ!!(怒)」

レン「…なら僕ギターでいい」

シン&ユウ「へ?」

レン「ギターでいいよ…って言ったんだけど…」

SE(ここからレンが応えるまで二人同時に喋る)

ユウ「おー!♪」

シン「Σなぁーっ!?;」

ユウ「そっかー、やってくれるかー♪でもマジギターでいいの?なんならボーカルでもいいけど」

シン「おまっ、なんで参加する気満々なんだよ!つかギター弾けんのか!?」

レン「…うん、大丈夫;(同時に言われて怯みながら答える)」

ジュン「ハイ決まりー(笑顔)」

ユウ「いえー♪」

シン「はあぁあぁぁ!?!?;」

ユウ「なんだよまだ文句あんのかよシン」

シン「だってこんな奴…」

ユウ「(遮って)ボーカル降板」

シン「うっ!;」

ユウ「レンの参加に何か問題でも?(にっこり)」

シン「いえ、大賛成ですリーダー;」

ユウ「よーし!これで新R0の完成だ!」

ジュン「よかったねー、レン(拍手しながら)」

レン「うん」(何がだかよくわからないケド…)

シン「うっ…うっ…卑怯者…;(号泣)」




SE(同時刻、ヴァルシア法皇陛下宮殿)

側近「陛下、申し上げます」

法皇「うむ」

側近「レン=グロウスがレウスと接触しました」

法皇「そうか…」

側近「エルダからの報告によると、シャドウ一体の襲撃があり撃退、後契約を済ませ、今後はレウスと行動を共にするようです」

法皇「わかった…ならば例の手配を」

側近「かしこまりました」

SE(側近がいなくなる)

法皇「…ようやく…出会ったか…」



第3話へ続く


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