俺、がんばったっ!!
「そうは言ってもねぇ、話くらい聞いてもいいじゃないか。」
「しかしっ!」
王も交えての4人での話し合いが始まった
…あーだ、こーだ
みんなで言い合ってるのはいいが俺だけ仲間外れ
そろそろ仕事をさせてほしい
てか、王は3人に対して寛容すぎるのも問題かもだな
これメモメモっ!
「おいっ!何にしてる!!どこから紙と筆を出した!」
一生懸命にメモをとっていると
騎士団長ネットにメモしてるのがばれてしまった
「俺は仕事をしてるだけだ。人が言い合ってるのは意外と情報を得るのに便利なんでな。」
そう軽口で言うと4人は黙り込む
ここからが俺の本領発揮ってところだ
「いやぁー。人間って意外と自分の気が付かないところで強みや弱みを相手にばらしてしまってるんだ。わかるか?」
そう言って反応をみてると
ギルドマスターのアニスは若干、表情を崩した
思うところがあるらしい
ま、智略家って言われるくらいだし心当たりがあって当然か
でも、これも大事な情報だ。メモメモっと!
それにしても今回は時間をだいぶ無駄にしてしまったし
それに何より疲れたから早く帰りたいしな…
そう思い、続けて声をかける
「騎士団長ネット・ガルダー。」
「なんだっ!何故、我の名を知っている!?」
ギロリとこちらを睨み付けるが大事なのはそこじゃない
さっき王が言ってたこと聞いてたのか?
俺は情報屋って言ってたよな…
これだから脳筋は嫌なんだよ
少しは考えてから発言してほしい…
はぁー………………
「名前を知ってるかなんてどうでもいい。お前は自分の弱みが何か知っているか?」
「我に弱みなどないっ!!騎士として誇りをもって国を守る任務にあたっている!!」
「じゃあ、1つ聞くが、騎士として誇りをもって守っているのは国か?王か?民か?」
「全てだっ!!我は全てを守ることに誇りをもっている!」
「では、王と民とどちらが命の価値が重いと考えている?」
それには答えられず
苦虫を噛み潰したような顔をするネット
「それがお前の弱みだ。全てを守ろうとするあまり、優先順位をつけられない。近衛騎士団長にとっては致命的にな。」
そう俺がいうと王が代わりに答えた
「命の価値なら、僕が1番重いだろうね。でもそれと等しく民全員の命を尊重しなければならない。ないがしろにしていい命なんてこの世にないからね。だからそれ以上ネットをいじめるのはやめてもらえないかな?」
真剣な顔でそう答える王を見て
周りには気づかれないように俺はにやりと笑ってしまった
やっと王が話に食いついてくれた!!
これで話が進められる
「じゃあ、俺が持ってきた情報は役に立つと思うけどな。」