もう俺、帰って良いですか?
話がなかなか進まないので
部屋の内装をじっくり見させていただいて時間を潰すこと数分
体感では数十分くらいがたったときだった
今まで3人をにこにこ見てた王がやっと動き出した
「君たち、いつまで僕を待たせるのかな?君たちのことを見てるのは楽しいけど、話が進まないよ?」
王が3人に向かってにこにこした顔で言うが目は笑っておらず
怒ってるように見える
それは向こうの3人も同じだったのか
言われた瞬間に黙り込む
「よしっ!これで話が進められるね。改めまして!僕がこの国を治めるリアードだ。」
平民に支持されてるだけあって俺のような不審者にもしっかりと名乗ってくれる
名乗られたらこっちも名乗らないとって思ってしまうのは
俺だけじゃないはずだ
それが例え偽名だとしても
「俺は、クラウンと呼ばれてる。」
自己紹介をするが胡散臭そうにこちらを見ている王
特に、騎士団長のネットはこちらに食って掛かってきそうだ
「では、クラウン君。君はどんな情報を持ってきてくれたのかな?
門のところの騎士に情報があると言ってきたらしいね。それも僕への情報が。」
王が俺にそう問いかけてくるが
ここで騎士団長が待ったをかける
「我らが王よ!このような素性も知れぬ者からの情報など信じられませぬ。お聴きなさるなっ!!」
「そうは言っても、このクラウン君って有名なんだよね。」
「なんですとっ!!我はこやつのことを何も知りませぬ。」
胡散臭そうにこっちを見てる割に俺のこと知ってるのか
まぁ、そりゃ俺の素性くらい調べてるよな
そうじゃなきゃここまで呼ばれないだろうし
俺が1人で納得していると王が騎士団長に俺のことを紹介してくれる
「情報屋、クラウン。どんな情報でも調べられない情報はないとまで言われている。その情報に見合った対価も必要だけどね。」
説明の手間が省けて助かった
自分で自分のことを言うのって恥ずかしくてなかなかできないし
客観的にどう見られてるのかも気になるしな
ありがたいことだ
やっとこれで話が進められる
そう思っていると今まで黙ってた2人が話しに入ってくる
「でもね、王様。この子が本当に情報屋のクラウン君かどうかなんて確信はないはずよ。
顔も知らないのだから偽物かもしれないわ。」
「そうだよ!王様はこんな簡単に信じるの?他国がわざとその情報屋のふりして、
こっちが不利になるような情報をつかませる為の罠だってあるんだよっ!!」
「それはそうかもしれないけど、そうじゃないかもしれない。
話くらい聞いてもいいはずだよ。」
そんなふうに全員で俺をそっちのけにして話しているが
そういうことは俺がくる前に話し合って欲しかった
はぁ、外で待っててもいいかなぁ
帰りたくなってきた…
なんでもいいから話進めてもらいたい
そう思う他なかった