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残虐皇帝の花嫁  作者: 雪斗
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異世界召喚

今回も楽しんでくれると嬉しいです。

静かな森の中で、蓮はセレネと二人で話をしていた。


『レン……貴方の体は月をイメージして創造したのですよ……』

「……どうして月なんですか?」


その蓮の問いにセレネは優しく微笑んだ。


『私が月の女神という事もありますが……一番は私の願いにあります……』


そのよく分からない答えに蓮は首を傾げた。


「願い?」

『……どうか貴方には月のように暗闇を照らす光となって頂きたい……どうか切に……』


そのセレネの悲しく切ない声に蓮は眉を顰めた。


「セレネ?一体どうしたんですか?」

『どうか……………を…………………………』


その言葉の後、突然セレネは消えてしまった。

それに驚いた蓮だったが、最後のよく聞こえなかったセレネの言葉に苦しく胸が締め付けられ、不思議とセレネを探す気にはなれなかった。


蓮は胸を押さえると呟いた。


「月か……」


元の世界では太陽より月が好きだった。

あの淡く優しい光がとても綺麗に見えて、よく月を眺めていた。


蓮は目を閉じると元の世界の月に想いを馳せた。

月が美しい夜空の下で、舞を舞えたらどれ程気持ちいいだろう。


そんな事を考えながら蓮は木にもたれ掛かって、徐々に微睡んでいった。


















目が覚めるとそこは森の中では無く、いつもの部屋の中だった。

現在蓮はセレネの居城のとある一室に住まわせて貰っていた。


蓮は部屋から出るとセレネを探した。

あの妙にリアルな夢が気になっていたからだ。


「セレネ?どこに居るんですか?」


大きな声でそう叫んでもセレネは出てきてくれない。

もう少しで舞の練習が始まってしまう蓮は焦った。


「セレネ!何処!出て来てよ!」


思わず敬語も忘れて声を荒げた……その時だった、突然蓮が立っている場所に不思議な紋様が浮かんだのは。


「えっ……何?」


蓮は驚いてそこから逃げようとしたのだが、足が動かない。

必死に逃げようとする蓮を置いて、その紋様は徐々に強い光を放ち始める。


「な、なんなの!」


そう叫んだ瞬間、辺りが眩い光に包まれた。

その余りにも眩い光に蓮は両手で目を覆った。


……どのくらいそうしていただろう。


「おおっ……貴方様が!」


突然の聞いた事もない野太い男の声に蓮は顔を上げた。

そこに居たのは見た事もない中年の男で、蓮が今居た場所はセレネの居城では無かった。


此処は何処なんだと……一体何が起きたんだ……そんな疑問が浮かぶ蓮だったが、目の前に居るこの男に対してはどうしても口を開く気にはなれなかった。

何故ならこの男がいやらしい目で自分を舐め回す様に見てくるからだ。


それに対して蓮はとてつもなく鳥肌が立ち、両手で己を抱きしめた。

そんな蓮に下卑た笑みを浮かべると男は話し始めた。


「良く我が国へ来てくださいました……舞姫よ。」


唐突なその言葉に蓮は眉を顰めると渋々冷たい声を発した。


「人違いです……貴方は誰ですか……此処は何処ですか…」


失礼かも知れないが、この男に対しては長文を話す気にはなれなかった。

そんな蓮に男は一瞬眉を吊り上げたが、直ぐに表情を戻した。


「私はこの国の王で、私が貴方様を我が国に召喚したのですよ……美しい舞姫……」


蓮はその言葉に大きく目を見開いた。

……此処は神々が住む天上の世界ではなく、人間の世界?

しかも……元々住んでいた僕の世界とは違う……異世界?


蓮は突然すぎる展開に理解が追いつかず、気を失った。






異世界召喚……

次回も読んでくれると嬉しいです。

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