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残虐皇帝の花嫁  作者: 雪斗
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天上の舞

今回も楽しんでくれると嬉しいです。

絹よりもサラサラな銀髪が舞と共に揺れる。

人々はその少女の舞に時を忘れて見惚れた。


そんな人々の視線を一身に浴びながらも、少女は何処までも妖艶に微笑みその舞で皆を魅せる。


少女……蓮は心の中で高らかに言い放った。

……刮目せよ。これが天上の舞である、と。





















体が男から女に変わってしまった事に蓮は数日悩んでいたが、ある日立ち直った。


「体が変わっても、心は僕のままだ。だから大丈夫……前を向こう!それに天国に行く時にはこの体とも離れる訳だし……今を楽しもう!」


そう思い直して、蓮はこの美しい天上の世界の色々な場所に行ってみる事にした。

女神達の居城に、花々が咲き乱れる森そして白亜の神殿など……蓮は早速色々な場所を見た。

それらは何処も彼処も目が眩んでしまうくらい美しかった。


「これが……この美しい世界が神様達の住む世界……なんて幻想的で神秘的なんだろう……」


蓮は白亜の神殿に見惚れながら呟いた。

元の世界では決して見ることなど叶わない。

今初めて蓮は死んで良かったと思った。


そうして蓮が最後に見た白亜の神殿から、セレネの所へ帰ろうとした時……辺りに玲瓏たる鈴の音が響いた。

蓮は音のした方向を見て、目を見開いた。


そこにいたのは数十人の女神達。

彼女達は舞を舞っていた。

その美しさをなんて表現すれば良いのだろう……美しくて高潔で……どんな美辞を並び立てても足りない。


蓮はその女神達の舞に見惚れた。

見惚れている間、蓮の中では時が止まっていて、気がついたら女神達の舞は終わっていた。


蓮はまるで引き寄せられるようにふらふらとした足取りで女神達に近づくと、思い切って話しかけた。


「あ、あの!とても素晴らしかったです!」


余りの興奮に声が上ずって蓮は赤面した。

そんな蓮を最初は不思議そうに見ていた女神達だったが、何かを思い出したのか手を叩いて微笑んだ。


「貴方ね!セレネが言ってた特別な子って!」


その言葉に蓮は首を傾げたが取り敢えず頷いた。

……確かにある意味特別だと思う。


女神達は蓮に近づくと手を引っ張り、舞を舞っていた舞台に強引に引き上げた。

その突然の行動に蓮は戸惑った。


「あの、どうして僕を此処に?」

「だって貴方、とっても私たちの舞を気に入ってくれたのでしょう?だから貴方にも教えてあげようと思って、私たちの舞を。見ているより、やる方がとても楽しいのよ!」


その言葉に蓮は心臓を鷲掴みにされた様な衝撃を受けた。

僕が舞う……あの美しい舞を……

それを思い浮かべただけで自然と笑みが溢れた。


蓮は顔を輝かせると満面の笑みを浮かべた。


「是非!教えてください!」


これが蓮と天上の舞との運命の出会いだった。








次回、蓮が異世界召喚されます。

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