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第95話「勝利の直後」


ホネストは倒される直前、ベルに針を飛ばして刺した。

その結果、ベルは他の兵士同様に体の自由が利かなくなり、マイクに弓を向ける。



「アイツ!最後の最後でやりやがった!」


「みんな・・・私から・・・離れて・・・・ケケケ・・・」



突然ベルの口調が変わる。



「・・・この女の体は貰った。」


「なんだ!?」


「ケケケ・・・これが私の針の本当の能力・・・『精神支配』だよ。この女の精神は私が乗っ取った。元の体はもう使い物にならないが・・・この女の体で生きるとしよう。」


「ベルの体から出て行け!!」


「この女・・・中々の魔力を持っているね。・・・じゃあ・・・」



雷の弓を空に向ける。



「あれは・・ッ!」



そして空に向かって矢を放った。

放たれた矢は空中で全方向へ散り、雨の如く下へと落下。



「ベルの『雷雨の矢(サンダーレイン)』!!」



大量の雷の矢が降り注ぐ。



・・・・しかし、



ドォォォーーッン!!!



「「「「!!?」」」」



落下する雷の矢が全て落ち切る前に空中で爆発。



「なにィーー!?何が起きたのよ!!?」


「・・・・やっと終わりましたよ。」



場に現れたのは真也。

放たれた全ての矢を魔力弾で撃ち落とした。



「シンヤ!」


「全員の解除終わりました。」


「「「「おおおおお!!!!」」」」



ホネストによって操られていた兵士たちが真也の後ろに集まっていた。



「か、解除・・・ですって?そんな・・・あんな数がいたのにどうやって!!?」


「面倒くさかったけど一人一人順番に解除しただけ・・・・ん?あれ?お前ってたしか・・・北部の・・・」


「シンヤ!彼女は今護衛団に精神を乗っ取られている状態だ!」


「・・・・ああ、そういうことか。んじゃあ・・・」



真也はゆっくり歩み寄る。



「なによ・・・アンタ・・・・ッ!!」



ゆっくり歩いていた筈なのにいつの間にか一瞬で詰め寄っていた。

そして顔を掴む。



「『解放(リベレイション)』。」


「や、やめッ・・・・ッ!!」



ホネストの『精神支配』を解除。

同時にホネストは消失した。



「・・・・あ・・・私・・・貴方が解放してくれたのね・・・ありがとう。」


「やっぱ・・・とんでもねぇなシンヤは。」



ウェットとベルの活躍、そして後から現れた真也のお陰で護衛団ホネストを倒した。



「聖水の効力が切れる前にちゃんと飲んでおけ!」



聖水の支給は1人10本。

聖水は1本辺り約1時間効果を持続する。

黒湖に到着する前にも使用していた為、各自残りの手持ちは数本。



「このまま一気に突破するぞ!」


「「「「おおおおッ!!!」」」」



護衛団2匹を倒した第一陣が勢いを増して進撃。

次々に行く手を塞ぐ魔物たちを討伐。

そしてついに第二~四陣が出撃した。



最後の第四陣が黒湖内へ入った時・・・湖の中心がボコボコと泡を立てる。

そして、



バシャーーーーン!!!



湖の中から1匹の魔物が出現。



「・・・・・好機。」



魔物は水上で魔法を発動。

黒湖全体に魔法陣が広がり紫色に光る。



「・・・・な、なんだ!?」



すると陸地の地面からツルの根のような物が兵士たちの体を縛った。



「これは・・・!?」


「なんだよコレ!?う、動けねぇ!!」


「・・・フフフ、一網打尽ね。」



さらに、



「「「「「ッ!?」」」」」


「これ・・・まさか・・・毒ッ!?」



ツルの根に縛られた者たちの皮膚が急速に紫色へと変色。

兵士たちが次々と口から泡を吹き、倒れる。



「ぬおぁぁッ!!!」



いち早く危険を察知した者たちは自らツルを斬って解放。

真也たちもツルを斬って解放された。



「なんなのよ!・・・・うっ、」



少し触れただけで・・・

倒れる兵たちを見ると・・・聖水が効いていない?

聖水でも中和できない程の強い毒、さらに即効性がある毒か。



「ここに居る人間どもに告げる!」


「「「「!?」」」」



湖の中心から声が響く。



「ここは六天将のお一人であられるグラシャ様の土地!この地に足を踏み入れた人間は・・・全て排除させて頂く!」


「あいつが・・・これをやったのか?」


「私の名はシロマ!六天将グラシャ様の護衛団である!」



白い肌の女型魔物シロマ。

シロマは名乗った後、湖の中へ潜る。



「くそ!毒の湖に入りやがった!!」



すると・・・



ゴゴゴゴゴゴ・・・・



もの凄い地鳴りが響く。



「・・・・なんだ?」



バシャーーーーーンッ!!!



湖から巨大な大蛇が出現。

黒湖までの道中で襲われた大蛇とは桁違いの大きさ。



「貴様ら人間は1匹残らず喰らってやるぞ。」


「なんて大きさだ・・・・」


「この声・・・・さっきの魔物か?」



超巨大な大蛇は護衛団シロマの真なる姿。

シロマは湖の水を一気に吸い上げる。

そして、



まるでレーザーのように口に含んだ水を横薙ぎに噴き出す。



あれはマズイ!!



「絶対当たってはダメだ!!俺のところに!!」



真也が声を上げる。



「「「「「ぐああああ!!!」」」」」



攻撃を喰らった兵士は・・・



「あああ!・・・が・・・が・・・」



毒水によって体がドロドロと溶ける。



「「「「ッ!?」」」」



この湖は硫酸かなにかか?

なんでこんなものを口に含んで平気なんだよ・・・



真也は魔法障壁を発動。

真也の近くに居た者は全員無事だった。



「ありゃヤバいって!」


「シンヤがいなかったらマズかったわね・・・・」


「シンヤ!あんな奴速攻で倒せるだろ!?」


「・・・・待て。」


「カレンさん?」


「これから先、魔王を倒すには人手が必要不可欠。アズモンド、お前は至急救護に回ってくれ。」


「どういう事ですか?シンヤに早くアイツを倒してもらった方がいいですよ!」


「現状あの護衛団の毒によってかなりの人数が再起不能だ。・・・だが、毒を早急に治せばまた戦える兵も多い。」


「たしかにここで戦力を多く失うのは痛いな。シンヤ、行ってくれるか?」


「俺が居なくて大丈夫ですか?」


「・・・案ずるな。あの護衛団如き、我々だけで対処する。」


「了解です。」



真也はカレンたちのもとを離れて兵士の救護に向かった。



とは言ったものの・・・どれだけの人数を治せばいいんだよ・・・・

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