第91話「黒湖攻略開始」
=== 黒湖 ===
軍は瘴気が漂う黒湖へと到着。
「・・・・っ。」
「身体が・・・びりびりするわね・・」
「聖水を飲んでもこれかよ・・・」
兵士たちの身体に若干の痺れが生じる。
毒を中和する聖水を飲んでいても完全には防げなかった。
「やはりただの瘴気じゃないな・・・毒の霧も混じってる・・全てはあの湖から出てるのか。」
「聖水にも限りがある。我々はいかにここを早く抜けるかだ。」
「カレンさん、でも簡単には抜けさせてもらえそうにありませんよ・・」
黒湖を抜けるには湖沿いを進むしかない。
だが、黒湖周辺には大量の魔物。
さらに・・・見るからに毒に耐性がありそうな魔物ばかり。
「いいかお前らーーーッ!この湖を抜けた先にあるのが・・魔王が居る城だッ!!我々はようやくここまで辿り着いたッ!!人類の悲願である魔物が居ない平和を取り戻す為に・・・戦えッ!!敵を捻り潰せッ!!!臆するなッ!!!我々人類は・・・強いッ!!!」
「「「「おおおおおッ!!」」」」
ボーギャン将軍が全体を鼓舞。
「全軍・・・突撃ィィィーーーーッ!!!」
号令でまずは第一陣が突っ込む。
第一陣はボーギャン将軍率いる約20万の軍。
傾斜のある丘を駆け下りて一気に敵陣へなだれ込む。
この第一陣の役割は黒湖前方周辺に群がる魔物の排除。
まずはこの群れを排除し、道を開いて第二~第四陣が左右に分かれて湖沿いを進む。
「・・・ケケケ!人間どもがわんさか来たよ~!」
「群がるだけで大した力を持たない人間がのこのこと・・・」
「わらわたちの力で葬ってあげようではないか。」
魔物の群れと軍がぶつかり合い、激しい乱闘となる。
「魔物を倒せーーッ!」
「人類の為にッ!」
兵士たちは次々と勢いよく魔物を倒していく。
・・・だが、
「・・・・くっ!」
「・・・・がっ!」
濃い瘴気が漂う黒湖での戦闘・・・
最初は勢いよく魔物を倒していたが、黒湖全体に広がる毒によって兵士たちの身体は元々少し痺れている状態。
その若干の痺れが動きを鈍らせ、魔物の攻撃を喰らってしまう。
徐々に・・・圧され始める。
「ケケケ!ここは私たちのホームグラウンド!人間が私たちに勝てる訳ないのよ~!」
「ホネスト、はしたない笑い方はやめさないって前から言ってるでしょ?」
「毒に侵され次第に決着はつく・・・・ん?」
「タランどうしたの~?」
「この中でも生きがいいのがいるようね。」
ドォォォォンッ!!!
「オラオラオラァ!!」
「ちょっとゼル!あまり飛ばさないでよ!」
「俺はこんな所から早く抜けてぇんだ!!魔王は俺が倒すッ!!」
「待ってよお姉ちゃん・・・ゼル・・・」
魔物の群れを一気に突破しようとしていたのはゼル。
ゼルの後をリビアとニック、所属する支部の面々が追いかけていた。
ゼル・リビア・ニックの3名も第一陣に組み込まれており、黒湖では真也たち88支部よりも前線に配置されていた。
離れた場所でゼルの声を聞いていた真也。
あの声・・・・ゼルか。
相変わらず元気だな。
どんどん敵を倒して前へ突き進んでいくゼルたち。
そこへ・・・
「生きがいいわね。」
「「「!?」」」
ゼルたちの前に現れたのは下半身は蜘蛛、上半身は人間の姿をした女型の魔物。
「ゼル、こいつ明らかにそこら辺の魔物と違うわよ・・・」
「へへ、ということは・・・護衛団か!」
「いかにも。わらわはグラシャ様の護衛団タラン。虫けらどもがこの地まで侵入してくるとはの。」
「いや、虫はお前だろ!!」
「ちょっとゼル!挑発しないでよ!」
「・・・・生きのいい人間ほど悶え苦しむ姿は滑稽じゃ。わらわはそれを見るのが楽しくてしょうがない。」
「・・・・いい趣味をお持ちで・・・」
「お主たちもわらわに滑稽な姿を見せておくれ。」
ゼルたちは構える。
「シロマ~、タランが先に行っちゃったけどいいの~?」
「私たちは別のポイントを攻めましょうか。」
「あいあ~い!」
タランは腹部から糸を噴き出す。
「この糸・・・得体が知れないわ!躱して!」
リビアの指示で散開。
だが、
「「「うわあああ!!」」」
避け切れなかった数人の兵士が糸を受けてしまう。
網状の糸が兵士たちに絡まる。
そして・・・
ジュワァァ・・・
「「「ぐあああああ!!!」」」
糸に絡まった兵士たちの身体が段々溶けていく。
「なによコレ!?」
「わらわの溶解糸に掴まれば・・・・溶けてしまうぞ。」
「ハァァァ!!」
ゼルが単身でタランに突っ込み、剣を振るう。
ガキィーーン!!
しかし脚で剣をガード。
「かてぇッ!」
ガードした脚とは別の脚でゼルを反撃。
ゼルは反撃を躱す。
「あっぶね・・・」
「バカゼル!単騎で突っ込まないでよ!」
「アイツの脚、かなりの硬さだぜ?んで鋭い。掠っただけで服が切れちまった。」
「リーチもあるし・・・厄介だね。」
「だけど・・・ここで俺はコイツを絶対倒す!!シンヤやエルザに置いて行かれてたまるかッ!!」
「・・・・フフ、本当に生きがいいわね。」




