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第9話「魔法適正②」

魔法適正も残り2人。

シンヤとエルザだけとなった。



「次はエルザ・エルーシャ。」


「はい。」



エルザはゆっくり前へ出る。

そして・・両手に9枚全ての紙を広げた。



「!!」



呼吸を整え集中。



ボアッ!!


ビリリッ!!


ヒュウ~


ボゴッ!!


ジョワー!!


カチンッ!!


ピカッ!!



「なっ!?」


「「「ええええッ!!」」」



一度に7枚の紙から魔法が放たれた。

エルザが使用可能であるのは火・雷・風・土・水・氷・光の7属性。

7属性を扱える・・・これは人類歴史上初めてのことであった。



これにはシリウス教官も驚愕の表情を見せる。



「マジかよ・・・あいつあんな凄かったのか・・・。」



ゼルもパイロもクラス全員、目を大きくして驚く。




「・・・す・・・素晴らしいぞエルザ君!!!」



トラが大きな拍手をすると釣られて皆も拍手し出す。



「まさか・・・火・雷・風・土・水・氷・光の7属性を扱える者が出るとはな。私も驚きだ。この才能を遺憾なく人類の為に発揮して欲しいと願うよ。」


「はい。私は魔物を駆逐するためにここにいるので・・。」



エルザはその場から涼しげに後ろへ戻る。



「・・・・こほん、次で最後だ。アズモンド・シンヤ。」



ついに俺の番が来てしまった・・・。

エルザが7属性の魔法を扱えるのには正直驚いたが・・・。




どうしよう・・・・俺多分全属性使えると思うんだが!!




過去の転生でこの世界にある属性魔法は全て習得済み・・・特殊はどういったものかよく分らんが、おそらく転移とか強化魔法みたく何の属性にも当てはまらない魔法のことだろうな。



転移や飛行魔法、その他諸々・・それらも・・・・全部習得済み!!

ステータス引き継いでるから勿論今まで習得したスキルもそのまま引き継いでいる!



この魔法適正で全属性使えるってバレたら・・・また魔王討伐の最短ルートになってしまう!!

クソパッシブのせいだ。



誤魔化すしかない・・。

なんとかここを凌ぐ。




「―――アズモンド・シンヤ!早く前へ出なさい!」


「は・・・い。」


「シンヤ頑張れ!!お前も見せてやれ!!」


「シンヤ君!ファイトだッ!!」



応援は嬉しいんだけど今は全然嬉しくない!

頑張れないんだよ!

頑張ったらヤバいんだって!



真也は紙を手に取る。



もうこれしか無いな・・。



「んんんんんーーーー・・・・・。」



真也は目をつむり集中・・・・・・しているように見せかける。



「・・・ぷはぁ!!出ないか~。」



小鳥遊信也。

頭脳明晰、容姿端麗、運動神経抜群、富名声を手にしていた彼には長所が数えきれない程存在する。

ゆえに最初の転生時からステータスが著しく高かった。

だが・・・そんな完璧である彼にも唯一の欠点、短所は存在する。

それは・・・・・



演技!



小鳥遊信也という人間は今まで嘘をつくことをしてこなかった人生だった為、嘘の演技というは経験が著しく乏しい。

ゆえに過去に転生した際も何度か今回のようにバレない為の嘘の演技をしてきたが全て・・バレた。

それほど大根役者のような演技なのである。



「・・・・何をしている?」


「・・・え?」


「ちゃんと集中せんか。」


「いや・・・集中・・してますけど?」


「いや、全然集中しとらんだろ。わざとらしい演技をするな馬鹿者。」




な・・・なぜバレてる!?※本人は大根演技である自覚がありません



この教官・・嘘を見抜く才能でもあるのか!?※本人は大根演技である自覚がありません




「ハハハ!シンヤ!なんだよそれ!下手くそすぎだろ!!」


「そうか!!シンヤ君は一旦この場を和まそうとしているのか!!」



なわけないだろ!

和ませてどうするんだ!



「そろそろ時間だから早くやれ。」


「・・・・く。」



・・どうする?こいつらには何故か嘘を見抜かれてしまう。

だけどここで本気でやってしまったら・・・・。

くそっ・・・やるしかないのか?



「シリウスさーーーん!!!」


「!?」



突如校舎側から女性が駆け寄ってくる。



「メリー教官、どうされました?」


「手を貸してください!!4年生の生徒が喧嘩してまして・・・私じゃちょっと手に負えないんですぅ~。周りに他の教官が居なくて・・・。」


「・・・はぁ、わかりました。向かいましょう。」



これは・・・。



「これより私は上級生の仲裁に行ってくる。今日の訓練はこれにて終了だ。」



シリウス教官はそう言うと走って校舎へ向かった。



助かった・・・。



「シーンヤ!お前なんなの?あの下手くそな演技。」



ゼルが真也に寄りかかる。



「・・なんのことだ?」


「は?」


「シンヤの適正が見れなかったのは残念だね~。」


「・・まぁいいや。俺は自分が魔法適正無かったことが悔しいぜッ!!」


「教官も言ってたけどこれから適正するかもしれないよ?」


「・・・だな!とりあえず俺は身体能力を鍛えるぜ!」




今日はなんとか切り抜けたが・・・また魔法適正をやるってなったら危ないな。

対策を練らねば。



こうして本日の訓練は終了した。

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