第85話「将官VS六天将バラム」
六天将バラムがドラゴンへと姿を変えた。
「こ、これは・・・竜!?」
「そんなバカな・・竜は太古の昔に絶滅したと聞くが・・」
このエスティアにかつて竜という種族は存在していた。
竜は他を寄せ付けない圧倒的な力を持ち、その力で一時世界を支配し頂点に君臨していた種族。
・・だが竜は生殖力が弱く、時代の流れと共に次第に数は減り、遥か昔に絶滅したと言い伝えられてきた。
圧倒的スケールに騒然とする兵士たち。
するとバラムが口を開く。
「俺は竜一族の末裔。この力で再び竜が、俺が世界の頂点に君臨する!!」
「か・・・勝てる訳ない・・・」
「竜が相手じゃ・・・」
竜化したバラムに怯える兵士たち。
「お前らは絶対的な力を持つ俺には勝てんッ!!」
その瞬間、バラムから途轍もなく重く、絶望的な重圧が放たれる。
「が・・・・」
「うう・・・」
周囲に居る兵士たちはバラムの重圧に耐え切れず次々と倒れた。
兵士たちが倒れていく中、アーノルドは臆さず立っていた。
「ほう・・さすがアーノルドだな。俺の圧で倒れんとは。」
「・・・貴様を倒すしか道は無い。ここで私がおめおめと逃げる訳にもいかないのでな。」
「この竜化した姿で戦うのは久しぶりだからな・・・準備運動といくかッ!!」
バラムは口を大きく開けて巨大な魔力弾を放つ。
「ッ!!」
ズドォォォォォーーンッ!!!!
たった一発の魔力弾で辺りの大地は抉れ、木々が吹っ飛ぶ。
兵士や魔物たちも大勢巻き込まれた。
「・・・まぁ、お前なら躱すよな。」
『雷の羽衣』を纏ったアーノルドは魔力弾を躱しバラムの顔まで接近していた。
・・・だが、
メキッ・・・
「・・ぐッ!!」
バチンッ!!!
長い尻尾でアーノルドを地面へ強く叩きつける。
「竜化した俺は全ての能力が格段に跳ね上がっている。今のお前の動きはよく見えるぜ?」
「・・・くッ。」
アーノルドは起き上がるが、再度尻尾の攻撃。
剣で防御するが・・勢いに負けて吹き飛ばされる。
「・・がはっ!!」
「どうしたァァ!!」
バラムは翼を広げ飛翔。
アーノルドが吹き飛ばされた位置まで猛スピードで飛ぶ。
そして腕を振り上げ地面を強く叩きつけた。
バゴォォォンッ!!!
叩きつけた衝撃で中心は大きく凹み、周り大地がひび割れて盛り上がる。
天変地異かと思うような衝撃。
「ア・・アーノルド様ッ!!!」
「・・・・ハハハ、やはりお前はいいな。楽しませてくれる。」
バラムが攻撃した箇所にアーノルドの姿は無く、少し離れた場所に回避していた。
「手応えが無かったからな。速度を上げたか。」
「出力をさらに上げる。」
バチバチバチッ!!
アーノルドは『雷の羽衣』の出力を上昇。
「・・・アーノルド将軍、ここは手を貸すぜ?ガハハ!」
「!」
現れたのは・・アーノルドが率いる軍に配属している将官4名。
ストローク・ギン大将
コレス・ベア・ワークマン大将
サーニャ・オリビア中将
ニース・ゼット中将
この4人はアーノルドと共に東部大規模攻略作戦にて活躍した将軍たち。
「お前たち・・なぜ来た?持ち場は?」
「部下に任せてきたんだよ。そりゃこんな化け物が現れたら居ても立っても居られないだろ。ガハハ!!」
「私も持ち場は部下に任せて応援に駆け付けました。」
「ドワハハ!!相手が竜とはドワーフの血がたぎるの!!」
「申し訳ございません。私もまずはこの竜を倒すことが第一だと考えました。」
「・・・・わかった。竜となった六天将バラムは脅威だ。我らの力で討伐する。」
全員が構える。
「・・・お前らが集まったところで俺には勝てんッ!!」
バラムは口を広げ魔力弾を放つ。
放ったと同時に将官全員がバラバラに散って回避。
「美しき氷よ 冷たく残酷で 非常なる氷よ 青き天井の空から 愚者の鮮血を吸い 赤く染まれ 『氷柱の大雨』!!」
サーニャ・オリビア中将が魔法を発動。
バラムの頭上に大量の大きな氷柱が出現。
「む!?」
勢いよく大量の氷柱がバラム目掛けて落下。
「こんな氷、溶かしてやるよッ!!」
口を広げ火のブレスを放とうとする。
「やーーらーーせんッ!!!」
コレス・ベア・ワークマン大将が斧を振り上げバラムの横腹に強力な一撃を与える。
ドォォン!!!
「むぐッ!?」
「なんつー硬い体じゃ。儂の斧で斬れんとは。じゃが・・」
コレス・ベア・ワークマン大将の攻撃によって一瞬怯んだバラムに大量の氷柱が落ちた。
「まだだぜッ!!そらぁぁッ!!!」
ストローク・ギン大将がバラムの腕を攻撃。
バリンッ!
「・・ッ!?・・硬いな。鱗しか剥げんとはな。」
「・・・お前ら・・・邪魔くせぇぇぇッ!!!」
バラムが咆哮を上げると、その咆哮の衝撃にて全員が吹き飛ばされる。
「ただ吠えただけだってのにこの衝撃か・・」
「やはり竜ってのはとんでもないわね。」
「私が仕掛けます。」
ニース・ゼット中将が詠唱を開始。
「この地の土よ 我の名はゼット 我らの味方である土よ 愚者が荒らすこの大地を この大地を守る為に 愚者を固め 拘束せよ 『土の拘束』!!」
大地が一気に盛り上がり、バラムの四肢を土が拘束。
「今です!!」
「ッ!?」
バチバチバチッ!!
「『雷鳴剣』。」
雷に覆われたアーノルドの剣。
出力を上げた『雷の羽衣』によって移動速度は上昇。
高速でバラムに接近し・・・
ズバァァァァァンッ!!!!
アーノルドの剣がバラムを斬る。
バチバチ・・・バチバチバチバチッ!!!!
斬った瞬間、バラムの全身に雷が走る。
「ぐぐぐぐッ!!!」
雷が全身を走った後、バラムは沈黙。
大きな体の胸部分に剣で斬った大きな傷ができた。
「・・アーノルドォォ!お前、二度も俺にでかい傷をつけてくれたなッ!!」
つけられた傷を見てバラムは激昂。




