第70話「死霊術師(ネクロマンサー)」
=== ブルンガルド・中央部 ===
「ダニエル、平気!?」
ローザがダニエルへ駆けつける。
「・・ああ、大丈夫だ。」
フルーレの足蹴りを喰らったダニエルは立ち上がる。
「もっとボクを楽しませておくれよ~。」
ジルニールは剣を構え駆け寄る。
距離を詰めたジルニールは連続攻撃。
「ほっ!・・はっ!・・やっ!」
だが、攻撃を躱し続けるフルーレ。
「ていや!」
フルーレも鎌で攻撃をするがジルニールは防御。
二人は攻撃の応酬でどんどん後方へ下がる。
「ちょっと邪魔ッ!」
スパンッ!!
「ギャオッ!!!」
その時、フルーレが後ろにいた魔物を斬り裂く。
「な!?アイツ仲間を!!」
「・・・仲間では無いのか?」
「仲間?ハハハ!仲間なんて思ってないよ。ただの駒だよ駒。邪魔だから斬った。それだけ。」
ジルニールとフルーレの激しい攻撃の応酬。
周りの者がこの戦いに入る隙は無かった。
「大地よ 我が名はジルニール・・」
「詠唱?この戦っている最中に?」
ジルニールは剣を交えている最中に詠唱を開始。
「大地よ この大地に害を成す 愚者を大地の監獄にて・・」
「ハハハ!凄いね!この最中に詠唱するなんて!」
「取り押さえよ・・」
するとジルニールがバッと後方へ下がる。
「!?」
「『大地の監獄』!」
地面に手を置いて魔法を発動。四方の大地が盛り上がり、フルーレを四角い大地の箱に閉じ込めた。
そして、
「大地よ 我が名はジルニール 大地よ 地獄の針にて裁きを 愚者に与えよ 『土の針』!」
続けざまに高速詠唱で魔法を発動。
フルーレを閉じ込めている箱内部の地面が盛り上がり、針の形をした突起物に変化して突き刺す。
「流石将軍!1つ目の魔法から2つ目の魔法までの発動が恐ろしく速い!」
「閉じ込めた六天将はこれで串刺しね。」
「・・・ッ!!お前たち下に避けろッ!!」
突然ジルニールが大声を発する。
次の瞬間、
・・・スパンッッ!!!
「!!」
大地の箱から真空波が横向きで飛んでくる。
ジルニールの掛け声によって咄嗟に下に避けるダニエルとローザ。
周りの魔物や兵士たちが真空波によって一刀両断された。
「・・な、なんだッ!?」
フルーレを閉じ込めていた大地の箱も真っ二つに切れる。
その中から・・フルーレが出てきた。
「いや~、なかなかの攻撃だったよ~。」
ジルニールの攻撃を拍手して賛辞するが、フルーレ自身は全くの無傷。
「そんな・・あれでも無傷なの!?」
「閉じ込められた時はちょっと焦ったけどね~。まぁ、対処できない程でも無いかな。」
「・・・・・。」
「君は強いね~。是非とも君はボクのコレクションに加えたいな~。」
「・・??」
「コレクション?」
「ボクって以外と収集家なんだよね。色んな所に行ってはコレクションを集めるのが趣味なんだ~。」
次の瞬間、フルーレ周辺に幾つもの魔法陣が展開。
すると魔法陣から何かが召喚された。
「・・ッ!!」
現れたのは甲冑を身につけ、武器を所持しているアンデッドの集団。
「アンデッド!?」
「・・・・死霊術師か。」
「ボクは死体収取家。死体を拾ってボクの魔力を注ぎ込み、ボクだけの人形を作ることが趣味なんだよね~。・・・因みにこのアンデッドは元々ここで戦った戦士たちだよ。」
「!!」
「さっきも言ったけどここで戦った戦士は中々強かったからね~。沢山作っちゃった。」
「じゃあこのアンデッドの群れは全部・・ブルンガルドに居た戦士たち・・?」
「・・・死者への冒涜。貴様・・万死に値する。」
ジルニールは静かに怒りを露わにする。
「ボクの人形たちと君たちがどう戦うのか見せてよ。・・行け。」
フルーレの命令で動き出すアンデッドの群れ。
「魔物に対処しているところを次はアンデッドだと!?くそ!!」
アンデッドの投入により混乱する兵士たち。
ジルニールたちにもアンデッドが襲い掛かる。
「はっ!!」
ジルニールはアンデッドを斬り倒す。
「まだまだ沢山いるからね~。」
フルーレは次々とアンデッドを召喚。兵士たちを襲わせる。
「将軍!」
「・・・ああ、元を断つ。」
ジルニール、ダニエルとローザは襲い掛かるアンデッドを群れを剣で一掃。
そしてフルーレのもとへ駆け抜ける。
「はああッ!!」
ジルニールの剣がフルーレに届きそうになるが、
ガキンッ!
アンデッドがジルニールの攻撃を防ぐ。
フルーレの前に3体のアンデッドが立ち塞がる。
そしてそのアンデッドたちは他のアンデッドとは異なる身なりをしていた。
「紹介するよ。このアンデッドたちはボクのお気に入り。元ここの戦士で・・えっと・・なんだっけ・・戦士長?・・まぁなんでもいいや。とにかく強い戦士だったんだよね~。」
「・・ローザ、帝国戦士長の強さってどの位だ?」
「私が知る訳ないでしょ!・・でも、帝国は他国から恐れられていた国。その戦士長って言うんだから強いのは間違いないでしょーね。」
一方その頃真也たちは護衛団を倒して中央部へ到着。
「な、なんだコレ!?」
真也たちが見た光景は人間・魔物・アンデッドが入り乱れ合う戦場。
「アンデッド!?なんで!?」
「アンデッドを呼び出すことのできる者がいるということだろう。」
「数が多いな・・・」
「ジルニール兄さん・・・」
「我々も直ちに交戦だ!!行くぞ!!」
「「「了解!!」」」




