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第7話「魔物勢力と人間勢力」

=== 宿舎・食堂 ===


徴兵ってことだからイメージは自衛隊とかを想像して朝早くから起きて訓練とか思ってたのだが・・・。



「飯だ飯ーー!!」



そうでも無いらしい。

普通に7時に起床し食堂で朝食。

朝食を終えたら校舎へ向かい、8時から授業が始まる。



・・・なんか普通の学校生活みたいだ。



=== 教室 ===



「おーし、お前ら席に着け!」


「全員ちゃくせーーーーきッ!!」



トラサルが大声で号令。

相変わらずうるさい奴だ・・。



「士官学校では午前が座学、午後が実技訓練となっている。なのでまずお前たちが学ぶべき座学は・・・我々の敵である“魔物”に関してだ。」



~~~~~~~~~~

~~~~~~~~~~

魔王

六天将

|-護衛団①-部隊

|-護衛団②-部隊

|-護衛団③-部隊

|-護衛団④-部隊

|-護衛団⑤-部隊

|-護衛団⑥-部隊

~~~~~~~~~~

~~~~~~~~~~



このエスティアの世界に存在する魔物のピラミッド。

ピラミッドの頂点に君臨するのが1人の魔王。

その魔王の直属には“六天将”と言われている6人の幹部が存在し、その幹部1人1人に護衛団があり、護衛団の下には何十もの部隊が紐づいている。

これが人類を滅ぼそうとしている魔王軍。



まぁ・・よくある・・ありきたりの設定だ。



部隊に属する下っ端の魔物の戦闘力に関してはさほど大したこと無いらしく、問題は各部隊より上の護衛団から。

護衛団はその名の通り幹部を護衛する部隊。

魔物の中でも選りすぐりの者を選別して形成されており、戦闘力は高い。

護衛団に所属する魔物一体一体が人間側の将官クラスに匹敵するとの事。



そこで人類は魔物の侵攻に対して人類滅亡の危機を抱き、約100年程前にいくつもの国が存在していたこの世界を各国の文化・種族の垣根を越えて1つへと統合した。



“世界連合軍”、またの名を“魔物対抗軍(レジスタンス)”。



世界の国々が魔物の侵略を防ぎ、魔王討伐という目的で一致団結。

侵略に対抗する為、世界連合軍を作り、階級制度を設けた。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【世界連合軍階級】

元帥

将官:上級大将・大将・中将・少将・准将

佐官:上級大佐・大佐・中佐・少佐

尉官:上級大尉・大尉・中尉・少尉

准士官:准尉

下士官:上級曹長・曹長・軍曹・伍長

兵:兵長・上等兵・一等兵・二等兵

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~~~~~~~~~~~~~~~~~~



この階級は俺が居た世界で採用されているものにそっくりだ。

どの世界でも考えることは一緒ってことか。



ちなみに俺ら学生は正式に軍に所属していないので階級は無い。

士官学校を卒業したら二等兵という階級になる。



この世界のパワーバランスは結構崩れていると思う。

今まで転生してきた世界では人間と魔物の勢力は大体五分五分。もしくは若干人間側が優勢だったからな。

ここまで人間が魔物に圧されているのは初めて見た。



「———————というのが現状の魔物の勢力と我々人類の勢力となる。一刻も早く各地での魔物の侵攻を止め、領土を取り戻す。それがまず第一段階と言えよう。」



現状の勢力では魔王には手が届かない。

護衛団にすら手を焼いている状態だからな。

人類はまず、魔物に奪われた領土を取り戻すことに必死だ。



「大丈夫だぜ教官!!俺が絶対魔物共を蹴散らして、護衛団も六天将って奴らもぶっ飛ばしてやるッツ!!」


「ウィシュマート・ゼル。席を立つな。あと授業中に大声を出すな。」


「ゼル君!その意気だ!!僕もやるぞぉぉぉぉッ!!!」


「マーティッシュ!!お前もか!!うるさぁぁいッ!!」



シリウス教官がチョークをゼルとトラに投げつけた。




—————午前中の座学授業が終了。

午後は実技訓練だが、はたして何をするのやら。




=== 第一校庭 ===



「今日の訓練内容は各々の体力測定、そして魔法適正とする。」


「げっ、体力測定ってまた昨日みたく走らされるのか・・?」



周りがざわざわし出す。



「体力測定と言っても昨日のような長い持久走はせん。今日はもっと細かい部分を見る。」




そう言ってシリウス教官は全員に体力測定の項目が書かれている紙を渡す。




【体力測定実施種目】

第一種目・・・50メートル走

第二種目・・・砲丸投げ

第三種目・・・反復横跳び

第四種目・・・垂直飛び

第五種目・・・上体起こし

第六種目・・・握力

第七種目・・・長座体前屈

第八種目・・・立体体前屈

第九種目・・・1500メートル走



「普通の学校か!」


「シンヤ?」


「あ、いや、なんでもない・・・。」



体力測定って・・普通の学校とやってること変わらないぞ。

ここって士官学校だよな?

これはかなり手を抜かないとヤバそうだ・・・。



「よっしゃーー!!全種目で一番になってやるぜぇ!!」


「・・・・バカじゃないの。」


「?」



ゼルが熱くなっているところへ水を差す一言。



「なんだお前?」


「こんなことで一番に拘って何になるの?」



冷静に、そしてゼルに冷たい目線で問いかける少女。



女・・・?

うちのクラスのやつか?

志願して入学したのか。



「遊び気分でここにいるなら・・・邪魔なだけよ。」


「なっ!?遊びで来てる訳ねぇだろ!!」


「・・・そういえばあなた教室で言ってたわね。『護衛団も六天将もぶっ飛ばす』って。」


「お、おう。」


「まだ何も力の無い子供のくせに・・軽く言わないでちょうだい。あいつらを甘くみすぎよ。あなたもそのうち奴らの恐ろしさがわかるわ・・・。」



・・・まるで実際に対峙したかのような言い草だな。



「・・・ふん、まぁいいわ。私は・・・あいつらを殺す・・・それだけの力を得るために鍛えるだけだから。」



少女はそう言うとその場を離れた。



「なんなんだよアイツ!」


「あの子たしか・・エルザさんだよ。うちのクラスの。」


「パイロ知ってるのか?」


「ううん。僕はトラと同じようにクラス名簿を見て覚えただけ。」



あの冷たい目・・・魔物に故郷を滅ばされたり、肉親でも殺されたような感じだな。

今までの転生で嫌と言うほど見てきた目だ。

ああいうのは結構危なっかしいんだよな。



「ほら!次はお前たちの番だぞ!!早く位置につけ!!」



教官に呼ばれ真也たちは体力測定を始めた。

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