第69話「六天将フルーレ」
護衛団レオパルドに勝利した真也たち。
その20分前————
ジルニール将軍率いる軍が敵を蹴散らし中央部へ進んで行く。
「蹴散らせ蹴散らせーーー!!!」
「「「おおおおおッ!!!」」」
「ジルニール将軍、もう少しで中央部です。」
ジルニールの参謀であるダニエル上級大佐が話しかける。
「ああ。奴の反応は動いていない。そうだな?」
「はい。依然中央部に反応があると報告受けてます。」
「では急ぐぞ。この戦いにおいて我々は数で劣っている。六天将を如何に早く処理できるかにかかっている。」
———こうしてジルニール将軍は六天将の反応がある中央部に到着。
だが、六天将の姿が見えない。
代わりに多くの魔物が襲い掛かってきた。
「敵が多いな!」
「だりゃぁッ!!」
中央部での戦いは激しさを増す。
乱戦となり、至る所を探しても六天将を見つけることができない。
「クソ!六天将はどこにいる!全然見えないぞ!」
「こんな敵が多くちゃ分からないわね・・」
ジルニール将軍含めた兵士たちが次々に魔物を倒す。
「六天将!!どこにいやがる!!隠れてないで出て来いッ!!!」
一人の兵士が大声で叫ぶ。
「・・・・ボクのこと呼んだ?」
大声で叫んでいた兵士の背後に子供が突然現れた。
「・・・ッ!?」
兵士は振り向き、下に視線をズラした瞬間・・
スパンッ!!!
兵士の顔が横にずれ、ボトッと顔が地面に落ちる。
「こ、こいつッ!!」
すぐ近くで見ていた兵士が子供に襲い掛かる。
スパンッ!!!
だが、兵士の体が横に真っ二つにされ、切れた体が地面に落ちた。
「「「ぎゃあああ!!!」」」」
「!!?」
子供の姿をした魔物が出現した位置から少し離れた場所で戦っていたジルニールまで兵士たちの叫び声が響く。
「将軍。」
「・・ああ。出たか。」
声を聞きつけすぐさま現場へ駆けつける。
「「「ぎゃあああッ!!!」」」
ジルニールたちが現場に到着。
既に現場は1匹の魔物を取り囲んでいる状態となっており、その中心には何人もの兵士の死体が積み重なっていた。
「なんだい、君たちが呼んだから出てきたのに・・・張り合いが無いな~。」
その魔物は身長130cm程で、チェック柄のシャツ、ベストを着用しており短パン姿。
髪はショートボブで男女の判別がつけづらい顔立ち。
見た感じ人間と遜色ない容姿をしていた。
だが、子供からは想像できない身の丈以上の大きな禍々しい鎌を所持。
その鎌から血が滴り落ちる。
「あ・・あれが六天将・・ですかね?」
「見た目完全に子供じゃないのよ・・」
「・・・あれ~!やっと強そうな人が来た~?」
その魔物はジルニールを発見すると呼びかける。
そしてジルニールは前に出た。
「貴様が六天将か?」
「その通~り!ボクは六天将のフルーレ!」
「「「!!!」」」
六天将と名乗った瞬間、辺りがザワつく。
「あれが・・六天将・・・」
「あれ~?なんか皆信じてないって顔してるな~。・・・じゃあ、その強そうな人を殺せば信じてもらえる?」
フルーレは鎌をジルニールに向ける。
「・・・・・。」
「ここはね・・ボクが魔王様の命令で最初に攻めて滅ぼしたところなんだ~。」
「!?」
「だからここはボクにとってお気に入りの場所なんだ。んで、ここの人間の中に結構強いのもいてさ~。楽しかったな~。」
するとジルニールが口を開く。
「ここは元帝国領地ブルンガルド。はるか昔に貴様に葬られた我が先祖たちの場所だ。」
「・・・先祖?おいローザ、将軍が元帝国民だって知っていたか?」
「し、知らないわよ。そういう事は喋らないお方だし・・・」
ボソボソと喋るダニエルとローザ。
「・・・先祖たちの無念、今こそ私が晴らそう。そしてこの地を返して貰うぞ。」
ジルニールが剣を構える。
「お前たち!下がれ!!将軍の邪魔だッ!!巻き添えを喰らうぞッ!!ここは将軍と俺らに任せて周りの魔物共を討てッ!!!」
「「「ハッ!!!」」」
ダニエルが周囲にいる兵士たちに叫び散らせる。
「あれ~?いいの?数で圧せばボクを倒せるかもよ?」
「他の兵を私の戦いに巻き込む危険性がある・・だからこれで良い。」
「あ、ならいいけど。」
ジルニールは剣を構え集中。
・・・そして一気にフルーレへ詰め寄る。
ガキンッ!!!
ジルニールの剣とフルーレの鎌がぶつかる。
「早いね~。」
「ふんッ!!」
剣を横薙ぎに払うがジャンプして避けられる。
「ダニエル、ローザ!」
「「ハッ!!」」
ジャンプして避けたフルーレに対し、ダニエルとローザが攻撃を仕掛ける。
ローザは『異空間収納』から槍を取り出し遠投。
フルーレは飛んできた槍を鎌で下に弾く。
その瞬間、横からダニエルが剣で斬りにかかるが・・・
「ッ!!」
フルーレは空中で態勢を変え攻撃を躱す。
そして足蹴りを食らわせ地面に叩き落とした。
「ぐはッ!!」
「大地よ 我が名はジルニール 大地よ この大地を脅かす 愚者に裁きを与え 圧し潰せ 『大地の大槌』!」
ジルニールは高速詠唱によって魔法を発動。
フルーレの下の地面が高く盛り上がり大きな槌を生成。
その大槌がフルーレを思い切り叩く。
だが、フルーレは大槌を鎌で正面から受け止めた。
ドォォォォンッ!!!!
激しくぶつかった衝撃で周囲に土煙が舞う。
・・・・スパンッ!!スパンッ!!
「!!」
「いいね~!楽しいよ!」
フルーレは受け止めた後、大槌を斬る。
「いや~、久しぶりに楽しい戦いができそうだよ~!」
何事も無かったように平然な顔をするフルーレ。
これからジルニールたちとフルーレの激しい戦いが始まる。




