第67話「ブルンガルド・開戦」
=== ブルンガルド ===
ブルンガルドでの戦が開戦。
一気にブルンガルドへ押し寄せる兵士たち。
真也たちもブルンガルド入口へ向かう。
「今回は特に砦や要塞でも無いから入るのに苦労はしなそうだな。」
「レイネス、敵の数が今までと段違いだ。常に周囲の状況を確認を忘れずにな。」
「・・だってよウェット。」
「いや、貴方に言ったんでしょーが!」
そして、魔物の軍勢と人類の軍勢が衝突。
入り乱れる激しい戦闘となった。
「カバー!!」
「はいよ!」
「いけ、シンヤ!!」
ズバッ!!
真也たち第88支部もしっかり陣形を組み魔物に対処。
ドォォォォンッ!!!
真也たちから離れている所では魔法を使用し一気に敵を殲滅する部隊もあった。
「護衛団発見ッ!!!」
護衛団を発見したと大声で叫ぶ兵士。
この距離・・俺らが行かなきゃダメなやつだな。
なんでいつも俺らの近くに護衛団いるんだよ・・・
これもパッシブのせいか?
「護衛団のもとへ急行するぞ!」
「「了解!!」」
第88支部は護衛団のもとへ向かう。
「護衛団ッ!!うおりゃぁぁッ!!!」
真也たちが到着すると既に護衛団との戦闘が始まっていた。
ん・・この声・・どこかで・・
「僕は負けないぞッ!!!護衛団ッ!!」
「いちいち五月蠅い奴だなおめぇ・・」
オイオイ・・・今戦ってるのって・・・
現在護衛団と戦っているのは複数の支部。
真也はその中で顔見知りを発見した。
それは・・・
「なんなんだおめぇ、本当五月蠅いわ。ずーーとバカでかい声出して。」
「僕は・・東部地方第5支部所属・・・マーティッシュ・トラサルだッ!!!」
真也と同じ西部地方士官学校を卒業し、元ルームメイトでもあったトラだった。
「別におめぇの名なんて聞いてないわ。それよりその・・」
「僕はマーティッシュ・トラサルッ!!!人類の平和の為にお前を倒すッ!!!」
「五月蠅いわッ!!それになんで名前2回言った!?十分聞こえてるっつうの!!」
トラの奴・・変わってないな。
てか・・うるさいのに拍車がかかってる。
えーと・・トラの階級は・・曹長!
頑張ってるな~。
「トラサル!!あまり一人で先行するな!!連携を保て!!」
「申し訳ございませんッ!!!」
深々とお辞儀をするトラ。
「護衛団とは複数の支部と連携して戦う。いいな?」
「はいッ!!」
「ひゃひゃひゃ、おめぇたちが何人で来ようが全て返り討ちにしてやるよ~。」
「貴様の名前はなんだッ!?」
「・・あ?」
「僕は自身の名前を名乗った!!名乗られたら名乗るのが礼儀だろう!!貴様の名前はなんだッ!?」
「・・・俺の名は・・」
「さぁ言えッ!!貴様の名前はなんだッ!?」
「・・・俺の名は・・・」
「さぁ言えッ!!」
「いや、だから俺の名は・・」
「貴様の名前はなんだーーッ!?」
「五月蠅いわァッ!!!言おうとしてるのに邪魔するなァッ!!!なんだ!?わざとやってるのかおめぇ!!」
なんだこの茶番・・・
「ハァ・・ハァ・・俺の名はレオパルド。フルーレ様の護衛団だ。」
「なんだ、しっかり名乗れるじゃないか!!」
「おめぇが邪魔してたんだろうがッ!!」
トラは結構天然だからな。
しっかりしているように見えて案外マイペース。
俺も士官学校時代は苦労したよ。
フルーレ護衛団・レオパルド。
カメレオンのような外見をしている二足歩行の魔物。
顔がカメレオンだからな・・・
使う技は想像できる。
「おめぇらは全員ここで死ぬ。死ぬまで何が起きたかわからないだろーよ。」
「全員構えろッ!!」
「我々も参戦する!行くぞ!!」
カレンが先頭切って向かう。
ドスドスッ!!
「・・うッ!?」
突如兵士の一人に短剣が突き刺さる。
「ど、どこから・・!?」
ドスドスドスッ!!!
さらに複数本の短剣が体中に突き刺さる。
「がッ・・・」
体中に短剣が刺さった状態で倒れた。
「何が・・・」
「起きた!?」
「ひゃひゃひゃ!俺は物を透明にすることができる。全ての武器は暗器に変わる!暗器使いとは俺のことよ!」
いや、そっち!?
自分を透明にするんじゃなくて物!?
「さぁて、どこに武器があるかわからないぜ~?もしかしたらおめぇたちのすぐ傍にあるかもな?」
グサッ!!
「ぐあっ!!」
さらに他の兵士の背後から槍が刺さる。
刺さった瞬間に槍の姿が確認できた。
「ひゃひゃひゃ!見えない恐怖に怯えろ!」
異空間から武器を出している感じではないな。
・・・どれ。
真也は目を凝らして周囲を確認。
魔法で武器を透明にしている訳では無いな・・
となると・・アイツ特有のスキルか。
物を見えなくするスキルで武器を透明化。
その透明にした武器をどこかにしまってあるか、置いてあるか・・・
「ぐああ!!」
レオパルドの見えない攻撃によって次々に倒される兵士たち。
アイツから魔力の流れが見えるな。
・・・そういう事か。
「卑怯だぞッ!!正々堂々戦えッ!!」
「バカが!戦いに正々堂々も糞もあるか!!おめぇが一番五月蠅いから大胆に殺してやるよ!!」
「ッ!!」
「トラ!後方へ避けろ!!」
トラは言われた通り後方へ回避。
ズドン!
トラが立っていた位置に大きい斧が突き刺さった。
「なに!?」
「・・・・シンヤ君!!」
「・・なぜ分かった?」
「お前の動きだよ。」
「!?」
「お前、誰かに見えない武器で攻撃する時、妙に指先が動いてるんだよね。で、その指で武器を操っていると予想した。」
「・・では上から武器を落とすのはなぜ分かった?」
おそらくコイツは操作系の魔法を使ってる。
物を引き寄せるとかそんなとこだろう。
それで俺の目には魔力の流れが糸状に見える。
その糸状の流れで武器を操っているのが確認でき、その流れがトラの頭上に向いていたから分かったんだけど・・
あまり喋ると良くないことは分かる。
普通魔力の流れなんて見えないし。
「・・・・・・。」
真也は黙秘権を発動。
「なるほど・・そこまでは予想できたが躱せたのはたまたまってことか。」
あ、良いように解釈してくれた。
「助かったよ!!ありがとうシンヤ君!!そして久しぶりッ!!」
「お、おう・・」
「では奴が武器を見えなくすることができるというのをわざと公言したのは、見えない武器に警戒した周囲の人間の動きを止め、そこを武器を操って攻撃。それが奴の手法という訳か。」
「そういう事ですね。」
「アズモンド、素晴らしい洞察だ。ならば・・止まってなければ奴も的を絞れないということ。・・お前たち行くぞ!!」
「「「了解!!」」」
「これで攻略したと思うなよ・・・」




