第66話「開戦前」
第五軍はグラム城塞を奪還に成功。
第六軍との合流地点であるブルンガルドへ向かっていた。
長期間に渡って戦っていた兵たちに疲労の顔が見える。
「ブルンガルドを制圧、奪還することができれば東部下層のミッションはほぼ完遂したと思って良い!!あともう少しだ!!踏ん張れ!!」
行軍している最中に檄を飛ばす上官たち。
「流石に疲れたな~・・」
「あー、早く終わってのんびりしたいわー!」
「この大規模攻略が終わったら休暇もらますよね?ね?」
「そうだな。東部全体を取り戻すことができたら残るは魔王軍の拠点がある北部のみ。時間をかけて兵を集めて一気に攻め落とす筈だから少しの間は休めると思うぞ。」
「だったら海行きたいわ!海!南部にある海は絶景でとても良い所って聞いたことあるの!」
「たしかに南部の領土は取り返したから行けるな。」
「ねー、一緒に行こうよシンヤー!ねー?」
「マーベルさん、くっつき過ぎですよ!!」
戦時中に呑気なもんだな・・・
終わったらどっか行こうって・・あまりフラグを立てるな。
—————軍は歩き続け・・・ようやくブルンガルドへ到着した。
【ブルンガルド】
東部南方に位置する元帝国領。
かつて存在した元帝国は武力で他の国々を次々に制圧、支配下に置いて栄えた。
その帝国が活動の主としていたのがブルンガルド。
だがブルンガルドは魔王軍によって激しく攻められて滅ぼされた。
その為外観は辛うじて残っている程度であり、ほぼ廃墟と化している。
真也たちは遠目からブルンガルドを観察。
「・・・ここから見ても異常な魔物の数ってわかるぜ。」
「ここは今までとは全然違うな・・数にして15万~20万ってところか。」
「数は第五・六軍よりも多い。だが、質では我々の方が上だ。」
「・・だな。あとはここをどう攻めるか。将軍たちの作戦にかかってくるな。」
=== 作戦本部 ===
「さて、この数の魔物をどう殲滅するかですが・・」
「ブルンガルドは広い。恐らくここに六天将はいる筈だ。」
「六天将を倒せば・・魔物の士気は格段に落ちる。となれば六天将を早めに討つことが最善の手になりますか。」
「ああ。六天将を早めに引きずり出す。」
「只今戻りましたッ!!」
索敵に向かっていた兵たちが本部へ帰還。
「どうですか?六天将と思しき存在は確認取れましたか?」
「・・・はい!!このブルンガルド全域にて一番強い反応がブルンガルド中心部から1つ。それと他の魔物よりも強い反応が各方面に4つ散らばっておりました!!」
「六天将の他に護衛団が4匹ですか。」
「六天将のもとへ護衛団が集結したら面倒ではある。」
「そうですね。では護衛団を惹き付ける役回りは私にお任せを。六天将には近づけさせないようにします。」
その後暫くして作戦会議は終了。
作戦内容を各支部へ伝達。
「伝達が来た。我々88支部は東側2万の軍に参加だ。」
東西南北の4ヶ所にそれぞれ2万の兵を配置。
ブルンガルド中央部に居ると思われる六天将をジルニール将軍率いる2万の軍が攻めるというもの。
「俺たちは護衛団を惹き付け、六天将に近づけさせないようにする役回りか。」
「そうだ。勿論護衛団を早く片付けることができれば我々も中央部へ向かい将軍を援護する。」
「ここが山場・・ここが山場・・」
ここが東部下層での大一番の戦いということもあり、全員がソワソワする。
「前にも言ったようにこのブルンガルドが下層での一番大きな戦だ。ここを乗り切れば・・下層での任務はほぼ完遂。気張っていこうぜ。」
「・・おっしゃ!!」
「陣形はいつも通りでいく。マニカ、全員分の装備のメンテナンスは大丈夫か?」
「はい!!バッチリです!!」
「よし・・では行くぞ!!」
「「「了解ッ!!」」」
真也たち第88支部は気合を入れ、出発。
そして、それぞれの軍も指定された配置場所へ向かう。
さて、今回も力がバレることなく、仲間を守りつつ、敵を排除できればいいが。
正直、俺抜きで六天将たちを倒してくれることを願う。
出番が来ることがありませんように・・
程なくして全軍指定の配置に着いた。
人間だけでなく待ち構える魔物も静かに待機。
ブルンガルド一帯に風の音だけが聞こえ、妙な静けさが漂う。
「ランゴスタ将軍。」
「・・今よりブルンガルド奪還作戦を行う!!ここに住み着く魔物共を殲滅し、我ら人類の領土を取り戻すッ!!何も恐れるなッ!!お前たちの周りには頼もしい仲間・同士がいるッ!!我ら人類の力を・・・魔物共に見せつけてやるのだッ!!」
「「「「おおおおおおッ!!!!」」」」
東西南北全ての場所から兵士たちの雄叫びがこだまする。
その大声量の雄叫び、足踏みによって大地が震えた。
「全軍・・・・出撃ィーーッ!!!」
「「「「うおおおおおッッ!!!」」」」
ジルニール将軍の号令のもと一斉にブルンガルドへ向かって出撃。
ブルンガルド奪還作戦開始。




