第64話「真也VS護衛団ラジャ」
=== グラム城塞・大広間 ===
『魔力吸収』で全員の魔力を吸い取り全員の意識を無くした真也。
今、大広間に立っているのは真也と護衛団ラジャのみ。
「お前のその自信たるものを見せてみろよ。」
「・・・・。」
真也はポケットに手を突っ込んで立っている。
「オイオイ・・そんな恰好でやるつもりか?」
「いいから来いって。」
「んじゃ・・いくぜッ!!」
ラジャが最初に仕掛ける。
目にも止まらぬ速さで真也の背後に回り込み、肘で強打。
「まだだぜッ!」
ラジャの追撃。
倒れかかった真也の腹を思い切り蹴り込む。
真也は後方へ吹っ飛び壁に激突。
南部で六天将とやった時は正面から戦ってなかったからな。
この護衛団はあの時の六天将と近い実力を持っている。
そしてこの護衛団は見るからに近接型のタイプ。
さすがに攻撃力は高いな。
この世界に来て初めてダメージを喰らった・・・・だけど、
「・・・こんなものか。」
何事も無かったように立ち上がり、服の埃を払う真也。
「・・ッ!!」
ラジャが再度真也に向かって突進。
連続攻撃を仕掛ける。
だが全て躱し、一発の拳を受け止める。
『分析』。
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レベル:80
HP:12700
MP:620
弱点:炎
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レベル80か。
前に北部で戦った護衛団のレベルはたしか・・・65だっけ?
それに比べたらやはり強いな。
このレベルだったら他の異世界では魔王クラスだ。
HPもそこそこ高い。
「この野郎ッ!」
ラジャは後方へ一旦下がり、全身に力を溜める。
そして床を強く踏み込み加速。
鋭い爪で真也を攻撃するが、その攻撃も真也は難なく躱す。
しかし、躱したことによってラジャの攻撃が床に当たり、床が激しく損傷し瓦礫が吹き飛ぶ。
「・・・おい。」
「ッ!!」
「ブンブン振り回して・・倒れてる奴らに被害被るだろーがッ!!」
バコッ!!
真也はラジャの脇腹を蹴る。
「ぐおあッ!!」
真也の蹴りによって後方へ吹き飛ぶラジャ。
大広間の壁に激突し壁をぶち破る。
開いた穴から真也が飛び出し追撃。
かかと落としをラジャに食らわす。
「がばあッ!!!」
ドォォォンッ!!!
ラジャは真っ逆さまに地面に落ちた。
「な、なんだ!?」
激しい音を聞いて魔物たちが集まってくる。
「・・が・・がはッ・・」
強く地面に叩きつけられたラジャは立ち上がり、真也は地上へ降りてきた。
「・・お、お前・・・ッ!!」
「今ので死なないって・・やっぱりタフだな。」
「バカな・・お、俺が・・クソがぁぁぁぁッ!!!」
ラジャの突然の激昂。
「クソがッ!!クソがッ!!!クソがぁぁぁぁッ!!!」
「ラ・・ラジャ様・・」
「いいぜ・・お前をぶち殺すために・・・力を開放する・・」
するとラジャの体がモコモコと膨張。
四足歩行となり、背中から翼が生え、手足も先ほどとは比べ物にならない程太くなった。
その姿はまさに獣。
・・第二形態か。
見た目はRPGでよく出てくる合成獣みたいだな。
ステータスもさっきより高くなっているはず。
「お前の体・・バラバラに切り裂いてやるぜ・・ウオオオォォッ!!!」
馬鹿でかい咆哮をあげる。
その咆哮に周囲の魔物たちが耐え切れず失神。
「なんちゅうバカでかい声・・」
真也は耳を塞いで防御。
「いくぞ人間ッ!!!」
「!!」
猛烈な速度で真也に向かい、正面から前足で攻撃。
真也は太い爪を掴む。
だが、ラジャの勢いは凄まじく、後方へ押される。
「・・大分パワー上がってるな。」
すると真也の横から尻尾が飛んでくる。
バシンッ!!!
尻尾が真也の頭にヒット。
顔がのけぞる。
「・・ッ!」
真也がのけぞった一瞬の隙を突いてラジャが大きな口を広げて噛みつく。
「!!」
「オイオイ・・これ俺じゃなかったら簡単に噛み千切られてるぜ?」
真也は上顎と下顎を噛みつかれる前に押える。
「このッ!!」
ガチンッ!!!
ラジャは力一杯噛みつくが、真也は手を離して後方へ回避。
「待て人間ッ!!」
ラジャが後方へ下がった真也を追撃。
さすが脳筋型。
真っ向勝負がお好みで。
真也は立ち止まり迎撃の構えをとる。
そしてタイミングを合わせて・・ラジャに一撃を浴びせる。
「!!」
しかし真也は空振り。
ラジャの残像を殴っていた。
次に背後から襲い掛かるラジャ。
振り向きざまに殴るも・・またしても殴ったのは残像。
周りをみると大量のラジャが視界に映る。
「このどれが本物であるかわかるまい、迫りくる恐怖を味わえ人間ッ!!」
一斉に襲い掛かってくるラジャとその残像たち。
「・・・へぇ、案外小手先のこともできるんだな・・お前。」
真也は手を広げて上にかざす。
「『光線の雨』。」
真也の手から1本の光が頭上に放たれる。
そしてその光が弾けて拡散。
大雨の如く光の粒が降り注ぐ。
その光の雨が襲い掛かるラジャの残像を全て撃ち抜き・・本体だけが残った。
「な・・んだとッ!?」
「見っけ。」
真也はラジャを見つけると一瞬にして距離を詰める。
「なッ!?」
バゴンッッ!!!
強烈なアッパーがラジャに炸裂。
ラジャの顔が激痛で歪み、その巨体が浮き上がる。
「・・ゴ・・バッ・・」
「お前結構タフだからな・・重い一撃をくれてやるよ。」
『攻撃向上』、ステータス上昇、攻撃力50%増加。
真也は自身にステータス上昇のバフを付与。
拳を強く握りしめ、浮き上がったラジャ目掛けて・・・振り抜く。
ドゴォォォォォォォンッ!!!!
一帯の大地が揺れ、激しい轟音が鳴り響く。
一定時間揺れは収まらなかった。
揺れが収まった時、真也の拳の先にはクレーターのような大きな凹みができ、その凹みの中心には・・顔が潰れて肉片と化したラジャが横たわっていた。
=== グラム城塞・外 ===
真也がラジャに一撃を与えた衝撃音はグラム城塞の外で戦っていた兵たちのもとまで届いた。
「今の音は・・!?」
何かを察知したカルカノは城塞の方を眺める。
「(いや・・まさか・・ラジャ?)」
「戦いの最中によそ見とはいいご身分ですね。」
ズバンッ!!
「ッ!!」
オリンパス将軍が隙を見逃さず一太刀を浴びせ、カルカノは膝をついた。
「・・・くっ!」
「そろそろ幕引きといきましょうか。」




