第60話「潜入」
真也たち第五軍は護衛団2体を倒しプーネの町を奪還することに成功。
次なる場所へと向かっていた。
東部地方大規模攻略作戦が開始されてから2ヶ月。
各地の進捗は、
第一・二軍:東部(上層)担当。現状約6割の地域を奪還成功。
第三・四軍:東部(中層)担当。現状約4割の地域を奪還成功。
第五・六軍:東部(下層)担当。現状約4割の地域を奪還成功。
その後も第五軍の勢いは増し、魔物が支配している町村を奪還。
ついに『グラム城塞』へと到着した。
「ここを奪還できれば第六軍と合流だ。」
「グラム城塞・・やっぱり大きいですね。」
「ああ。ここは敵の守りも固いだろうな。どう切り崩すか。」
「ここにウェットの兄貴が居れば軽く城塞へ侵入できるんだけどな。」
=== 第五軍・作戦本部 ===
「オリンパス将軍、どう攻めますか?」
「・・・もっと細かい地図はないか?」
「こちらです。・・ただ、この城塞もかなり昔に魔物によって奪われたもの。残っている城塞の地図も古く、現状がどうなっているのか不明です。」
「・・・ランゴスタ将軍がいない以上、我々は正面から向かうのは得策ではない。それに・・こういった城塞には地下通路があるのが定石。・・この城塞の近くに川が流れている。この地図でいうと・・ここ。このポイントへ先遣隊を送り、地下通路があるか確認しなさい。」
「ハッ!」
「それと『索敵』が使える者を集めて城塞内の敵の数を正確に測るように。」
「ハッ!」
城塞内部へ通ずる地下通路を発見するべく先遣隊が動いた。
そして城塞に生息する魔物の数を調べるために『索敵』が使える者が招集された。
—————グラム城塞周辺に待機して2日。
「・・お!やっと戻ってきた。」
索敵要員で駆り出されていたウェットが帰還。
同時に作戦内容の伝令役も担っていた。
ウェットが作戦内容を話す。
「・・・げ、マジかよ。俺らが地下通路担当かよ・・」
「重要な役回りだな。」
「そうです。地下通路は道幅も狭く、大人数では入れない。なので100人規模の小隊を作って潜入します。」
「城塞の敵の数は?」
「約2万5千です。」
「私たちの半分くらいの数ね。」
「あっちは城塞って立地がある分こっちは不利。倍の人数でも厳しい戦いになるな。」
「その為に我々は地下通路から潜入し、いち早く門を開放せねばなるまい。」
「さらに城塞の中で大きい反応が2つありました。恐らく護衛団だと思います。」
「護衛団が2匹か。」
「作戦決行は明朝です。」
「ウェット、お前にしては良い仕事したじゃねぇか。」
「僕はいつも良い働きしてますけど!?」
そしてこの日は明日に備えて体力温存し休んだ。
—————作戦決行の朝。
真也たちは地下通路がある川沿いへ移動。
戦いの合図が出るまで待機。
「総員!!突撃ィィィッ!!!」
「「「「おおおおおおッ!!!」」」」
戦いが始まった。
敵の注意を正面に逸らし、真也たちは地下通路への潜入のタイミングを見計らう。
100人小隊の指揮を務めるのはカレン。
「・・・よし、行くぞ!」
カレンの掛け声で地下通路へ潜入開始。
=== グラム城塞・地下通路 ===
カレンたち小隊は細心の注意を払い地下通路を進む。
「カレン上級大佐殿、頭にちゃんと門までの道筋は入ってるかい?」
「問題無い。貴様こそ途中で迷子にはなるなよ?」
「ガハハ!儂は物覚えは良い方でな!むしろ儂が先導してやってもいいぞ?」
カレンに馴れ馴れしく喋りかけるのは同じ小隊に組されたベンジャミン・バトロ大佐。
ベンジャミンはドワーフの種族。
「儂は鼻も良いのでな。外の匂いがする方向は分かっとる。」
「前方200メートル先に敵反応有!数は・・・4!」
小隊の中に移動しながらでも索敵が使える者を組み入れ、随時索敵できるようにしてある。
「移動しながら索敵できるってウェットの数倍・・いや、数十倍便利じゃねぇか。」
「なッ!・・・」
「シー・・あんま大声だすなよ?」
咄嗟にミランダがウェットの口を塞ぐ。
「レイネスもあまりウェットをからかうな。大事な任務中だぞ?」
「すんません。」
「前方に敵4匹。迅速に倒さねばならないな。アズモンド、いけるか?」
「・・・・了解。」
真也は銃を構える。
今回真也の銃はリボルバー式ではなくオートマチックの銃。
さらに銃にはマニカに作成してもらった特別性のサプレッサーを装着。
それにより音を最小限に抑えることができる。
バシュッ!
弾丸は前方にいる魔物の頭に命中しその場に倒れた。
「ギャギャ!?」
倒れた音を聞きつけ、他の3匹の魔物が近寄る。
バシュッ!バシュッ!バシュッ!
「ゴギャ!」
連射で残り3匹の魔物を仕留める。
「やるじゃねぇか兄ちゃん!大した腕だ!ガハハ!」
「よし、進むぞ!」
真也たちは地下通路を突き進む。
地上への出口まで残り700メートル。
=== グラム城塞・内部 ===
「ラジャ様!人間どもの侵攻が始まりました!」
「・・ぐび・・ぐび・・ぷは~ッ!!」
城塞にある大広間にて酒を飲んで椅子に腰かけている魔物。
この魔物はフルーレ護衛団・ラジャ。
「ぷはぁ~、やっぱり人間が作った酒は上手いな~。」
「ラ、ラジャ様・・」
「わーってるよ!こんなデカい音してんだから分かるに決まってんだろ!」
ラジャは空になった酒樽を投げつける。
「飲みすぎだよラジャ。」
ラジャに対して冷静に話しかける魔物。
この魔物はフルーレ護衛団・カルカノ。
「あー?いいんだよ。戦闘前に酒を飲み、戦闘後に酒を飲む。これが俺のルーティンだからな。」
「相手はこれまでにうちの護衛団を何人も倒している人間たちだ。」
「あー?誰がやられたんだよ?・・たく、護衛団の格式も下がったんじゃねえか?増やせばいいってもんじゃねぇだろ。」
「その言葉は聞かなかったことにするよ。」
「そうしてくれ。今の発言をフルーレ様に聞かれたら俺が殺されちまう・・カカカ。」
「ここの主はラジャ・・君だ。どうする?」
「どうするも何も・・人間は・・ぶっ殺す。それだけだろ?」
「わかった。じゃあ私が先に行って数を減らしてくるよ。」
「おう。たのまー!」
フルーレ護衛団・カルカノが大広間を後にした。




