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第58話「プーネの町奪還作戦②」

=== 東部地方(下層)・プーネの町 ===


護衛団が出たと知らせを受け現場へ向かう真也たち。

だが、



「「護衛団が出たぞぉーー!!」」



逆側から護衛団が出たと叫ぶ声が響く。



「!?」


「マジかよ!反対にも護衛団!?」


「カレン、どうする?」


「我々は最初に出たところへ向かう。反対側は他の支部が対処するだろう。」


「了解。」



真也たちは速度を上げて現場へ急行。

現場へ到着すると既に何人もの兵士が倒されていた。



「汚い足で僕たちの町を汚さないでおくれよ。」



グシャ!グシャ!



そう言って倒れている兵士の顔を何回も踏みつぶす子供の姿をした魔物。

辺りは血で真っ赤に染まっていた。



「ここはフルーレ様から預かった僕たちの町なんだ。人間が立ち寄って良い場所じゃないんだよ?」


「なんだあのガキ?あれが護衛団?」


「見た目に騙されるな。」



護衛団の周りに続々と兵士たちが集まる。



「全く・・こんなに人間が集まってきて・・不快だよ。そうだ!これが終わったら全員の首を町の外に飾り付けしようかな!フルーレ様喜んでくるかな~?」


「結構人数集まりましたぜ?行きますか?」


「待て。相手がどのような能力を持っているかわからん。無暗に突っ込むわけにはいかない。」


「うんうん!こんな沢山の人間を町のオブジェにしたら絶対喜んでくれるはず!」



すると魔物は死体の顔を持ち上げ、



「は・や・く・か・ざ・り・つ・け・た・い・な」



まるで腹話術のように死体の顔をパクパク動かして挑発。



「・・・貴様、今貴様が持っている者は私の・・部下だッ!!!」



一人の兵士が怒りを露わにして建物の上から魔物に飛び掛かる。



「・・はい。バッラバラ~。」


「・・ッ!?」



魔物が兵士に向かって指を指す。

すると・・



ブシューーーッ!!



飛び掛かった兵士の体がバラバラに切れた。



「「「「!!?」」」」



バラバラに切れた兵士の肉片が無残にも地面にボトボトと落ちる。



「な、なんだ!?なにが起きた!?」


「僕はフルーレ様の護衛団、ギドマ。この町のオブジェになりたいと思う人はどうぞ向かって来て下さい。」



・・・魔力の糸か。

あの護衛団の周辺の至る場所に魔力で作られた極細の糸が張り巡らせてる。

俺は魔力を感知する魔法を付与してるからよく見えるけど・・糸が細すぎて他の兵士には視認は難しいか。

しかも人を切断する程の強度・・勢いよく飛び込んで糸に触れたら切れるってことか。



「カレン、どうする?」


「・・・ミランダ、お前さっきのはどう思う?」


「飛び込んだらバラバラに切られたことか?」


「そうだ。」


「・・・・あの護衛団の魔法か?」


「私も最初はそう思った。・・だがあの魔物が魔法を発動させたようには見えなかった。挑発的な態度・・その場を動かない・・・誘導・・・そうか、奴は待ち構えているだけだ。」


「待ち構えてる?」



するとカレンが前に出る。



「はっ!!」



カレンは火属性魔法をギドマに向かって放つ。

すると炎がギドマの手前で止まり、炎が糸を伝る。

どんどん炎が糸を伝っていき、



「!?」


「こ、これは!?」



兵士たちは糸が至る場所に張り巡らされていることに気付く。



「へ~、こんな簡単にバレちゃうなんて・・やるねお姉さん。」


「糸が目視できるのであれば恐れることはない。」



ズバッ!!



カレンが糸を剣で切る。

それに続けと他の兵士も糸を切った。



「佐官クラスを中心に攻める!他は補助支援を!!」



カレンが全体に指示を出し、一気に攻め込む。

剣をギドマに振りかざすが、ギドマは糸を出して上に回避。



「ハハハー!こっちこっちー!」



糸を出して縦横無尽に動き回る。

そして建物の上に降りた。



「は、早えッ!!」


「糸に気を付けろ!!人体を軽く切断するほどの強度だ!!」


「それー!!」



ギドマは建物の上から網状の糸をカレンたちに向けて放つ。



「俺に任せろ!」



一人の兵士が網に向かって飛び込む。

そして目にも止まらぬ高速の剣技で網を切断。



「ありゃ?」


「別働隊!!撃てッ!!」



ギドマの周囲に沢山の兵士が回り込んでおり、全員弓・銃を構えていた。

そして一斉射撃。

・・・だが、



「・・・ッ!!」



糸が貝殻のようにギドマを包み込む。

全ての矢・弾丸を通すことなく弾き返した。



「良い間合いにいるねー!そりゃ!」



ギドマは大量の糸を放出し、周囲にいた別働隊を攻撃。



「「「ぐわぁぁぁッ!!」」」




糸で別働隊を切断。

バラバラに切り刻まれてしまった。

そしてまた糸を出して建物から建物へ移動。



「クソッ!!あの糸をなんとかしなければ!!」



糸は攻撃範囲も広いし、防御にも使える。

有能な技だな。

しょうがない・・力貸すか。



「ウェット。」


「な、なんだい?」


「これを渡す。」



真也がウェットに渡したのは銃。



「僕は銃なんか使えないぞ!?それに今の見ただろ!?矢や銃はアイツに防がれちゃう!」


「別にこれでアイツを倒せとは言わない。そもそもお前の射撃に期待はしてない。」


「ムキーー!」


「とりあえず俺の指示で撃て。いいな?」


「・・・わ、わかった。」


「ミランダさん。」


「どうしたシンヤ?」



真也はミランダに作戦を話す。



「・・・なるほど。分かった。」



次に真也は他のメンバーに作戦を話す。



「・・・という感じで。」


「了解した。」



作戦を伝えると真也が動く。



「ハハハ!どうしたの?早くかかってきなよ!それとも・・僕にビビっちゃった?」


「・・どうする?」


「・・ここで突っ立ってても何も起きん。部下の無念を晴らすために攻めるぞ!!」


「・・よし、わかった。」



一部の兵士たちがギドマに向かう。



「盾を前に構えて奴の糸を防ぐんだッ!!」


「「おおッ!!」」



兵士たちは盾を前に構えて突き進む。



「・・・そんなので僕の糸を防げると思ってるのかな?」



ギドマは向かってくる兵士たちに糸の攻撃を仕掛ける。



ガキンッ!!



糸が盾に当たる・・だが、盾は切られなかった。



「イケる!鋼鉄の盾ならば奴の糸を防げる!」


「だーかーらー、そんなんじゃ防げないってば。」



ズバッ!!!



糸が兵士の足を切り裂く。



「ぐあッ!!!」


「盾で体全部は防御できないでしょ?僕の糸は自由自在に動かせる。盾で防げない所に糸を操作するだけだよー。」


「「「ぐあああッ!!」」」



ギドマの攻撃によって次々とやられていく兵士たち。



「ハハハ!オブジェのパーツがどんどん増えていくよー!」



ギドマが高笑いしていた・・その時、



「!!」



ギドマの正面から鎖鎌が飛んでくる。

だが軽く鎖鎌を糸で弾き返した。



「おっと!僕に飛び道具なんて効かないよー!」



この鎖鎌はミランダが投げたものである。



「ウェット!!今だッ!!」



どこからか真也の大声が響く。



「!?」



ウェットは建物の上に登っており、ギドマの右へ回り込んで銃を構える。



ダァァンッ!!



ウェットが撃った弾丸は真っすぐギドマへ向かって行く。



「だーかーらー、飛び道具は効かないってば!」



糸で弾丸を弾いた。



「・・・んじゃ、これはどうだ?」


「!?」



急にギドマの後方に現れたのは・・真也。

真也は銃を構え・・射撃。



ダァァンッ!!



「まったく・・しつこいね!!」



飛んできた弾丸を弾こうと糸で弾丸に触れた瞬間、



パァァンッ!!



弾丸が弾けた。



「・・・!?」


「別にこの弾丸をお前に当てて倒そうなんて思ってないさ。この弾丸は特別性でね・・」



ギドマの周囲がキラキラと光る。



「なんだ・・これ?」


「『魔力妨害(マジックキャンセラー)』って・・意味わかるか?」


「・・・ッ!?糸がッ!!」



ギドマを纏っていた糸が消失。



「お前の糸は魔力で生成された糸。んで今俺が撃ったのは魔力の流れを妨害する特殊魔法が込められている特別性の弾丸で・・・この魔力妨害(マジックキャンセラー)の範囲内にいる者は一時的に魔力使用不可になる。とどのつまり・・」


「・・とど!?」


「今のお前は魔力が使えないただのクソガキってことだ。」



次の瞬間、下からカレンたちがギドマの前に現れる。



「・・なッ!?」



真也の作戦はいたってシンプル。

まず真也がギドマ後方へいち早く回り込む。

そしてミランダ・ウェットでギドマの注意を惹き、その間にカレンたちが接近。

真也が魔力妨害(マジックキャンセラー)の弾丸を撃ち、ギドマ周囲に拡散。ギドマの糸を消す。

最後にカレンたちが一気に強襲をかけるという作戦。



攻防一体型である魔力の糸を使ってるところを見ると、おそらく魔力値は高いが素の攻防ステータスは低いと予想できる。だから接近戦は好まずに移動を繰り返して中距離~遠距離で攻撃していた。

なので魔力さえ使えない状態にすれば・・・



「くたばれッ!!」


「オラァァッ!!」



ズバンッッッ!!!



「ギャアアアア!!!」



どうってことない。



カレンたちの一斉攻撃がギドマに炸裂。

ギドマは大量の血を噴き出し、胸を押さえながら下に落ちた。

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