第55話「将軍参謀」
=== ハイカル砦・内部 ===
六天将フルーレの護衛団バンナムがジルニールの前に立ちはだかる。
「おーおー、お前さんは高みの見物か?」
「・・・・・。」
「お前の相手は・・俺たちだッ!!」
「!?」
バンナムの横から二人の兵士が乱入。
攻撃を仕掛ける。
「おっと!」
バンナムは軽やかに攻撃を回避。
「おいおい、横から茶々いれるなや。」
「護衛団・・ジルニール将軍が相手するまでもない。」
「ほう・・お前たちが俺とやると?」
「ダニエル、ローザ。ここはお前たちに任せる。」
「「ハッ!!」」
「お、おいッ!」
ジルニールは土巨人と共に砦の奥へ進む。
護衛団バンナムと代わりに戦うのは、
第六軍・ジルニール将軍の参謀ダニエル・オリバ上級大佐とローザ・マリアーヌ大佐。
「・・ちっ、行っちまいやがった。」
「わざわざ将軍自ら護衛団如きの相手をする訳ないだろう。身の程をわきまえろ下郎が。」
「・・ああッ!?」
「ちょっとダニエル、そんな言い方しなくてもいいんじゃない?・・でもフフフ、相手にされなかった時の顔はウケたわね。」
「てめぇら・・殺す。」
「本当魔物って何かと殺すだの潰すだの・・ボキャブラリー少ないわよね。品性の欠片も無いわ。それにアンタからもの凄く獣臭がするんだけど・・あー臭い。」
「待て待てローザ、お前も言い過ぎだぞ。ここは戦場だ。油断するな。」
「油断なんかしてないわよ。」
「処刑決定だ!!てめぇらッ!!」
バンナムが怒りの表情を浮かべ、二人に向かって勢いよく突進。
その勢いでハンマーを叩き落とすが、二人は左右に避けて躱す。
「ダニエル、どっちがコイツとやる?」
「ローザ・・将軍は俺たちに任せると仰られた。確実な方法でやる。二人同時だ。」
「おっけー。」
二人は着地と同時にバンナムへ突っ込む。
「このッ!!潰すッ!!」
「ダニエル!」
「ああ。」
ローザはダニエルの背中を蹴り高くジャンプ。
「!!」
ローザが空中で弓を構えバンナムに向けて矢を射る。
矢を射ったと同時にダニエルが即座に横へ回り込み斬りにかかる。
「・・・こんな攻撃で俺を倒せるとでも思ったのか!」
バンナムは矢を片手で掴み、横から襲い掛かるダニエルにもう片方の手でハンマーを振り抜く。
「・・俺はただのお膳立てさ。」
ダニエルは低い態勢でスライディング。ハンマーを躱してバンナムの股下を潜る。
「ッ!?」
そして空中でローザは弓ではなく次に銃を構える。
ダァァァンッ!!!
バンナムの視線はダニエルへ向いていた。
だが銃声に気付き即座に反応し回避。
しかし、躱しきれずに上から撃たれた弾丸はバンナムの腕に着弾。
弾丸は腕の中に入り込み、そして・・
バァァンッ!!!
爆発。
この着弾して爆発する弾丸の名前は炸裂弾。
これはマニカ・ハルルカが作成した弾丸である。
今までこの弾丸は真也だけが使用していたが、軍全体で使用した方が良いという流れとなり、正式に軍採用となった。
「・・・なッ!!?」
爆発し、バンナムの左腕が吹っ飛ぶ。
「こ・・この野郎・・ッ!」
「この炸裂弾は弾に込めた魔力を爆発させる仕組みなの。これ考えた子は本当凄いわ。」
「俺の腕がッ!!チクショォォッ!!」
「まだよ。」
ドスッ!!
「ガッ!?」
槍がバンナムの腹を貫く。
「お前・・どこから槍を・・」
「まだまだー!!」
ローザは槍を数本投げる。
ドスドスドスッ!!
「・・ガ・・ガハッ!!」
バンナムは串刺し状態となり、大量の血が垂れ流れる。
「私は武器や物を収納し、いつでも自由に取り出すことができる特殊魔法『異空間収納』が使えるのよ。だから貴方に刺さってるその槍も、この弓や銃も普段から持ち歩かなくていいって訳。便利でしょ?」
ローザはそう言うと異空間を広げて銃と弓をしまう。
「こ・・こんな攻撃で・・俺が・・やられてたまるかッ!!」
「・・ま、片腕が吹っ飛んで槍が数本刺さったところでまだ動くわよね。・・ただ、私の仕事は終了~。」
「!?」
「私はお膳立ての・・お膳立てよ。」
バンナムの背後にはダニエルが立っていた。
そして、
ズバッッ!!!
「オ・・俺が・・チ・・チクショ・・」
ダニエルの豪快な一振りでバンナムを一刀両断。
「私とダニエルの2人なら護衛団1匹くらいどうってことないわね。」
「将軍から承った任務は完遂。これより残党の掃討にかかる。」
「ダニエル上級大佐とローザ大佐が護衛団を討ち取ったぞぉぉッ!!!」
「「「おおおおおッ!!!」」」
護衛団を倒したことによって俄然活気づく兵士たち。
猛烈な勢いで残りの魔物を殲滅。
ジルニールも巨人に乗りながら魔物を倒していき、
—————結果、幾度も挑戦し敗れ続けた難攻不落の砦は・・ジルニール将軍たちの活躍により、たった1日で落ちた。




