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第5話「士官学校入学」

=== 本土・士官学校 ===



ガラバ島から今年士官学校へ入学するのは3人。



アズモンド・シンヤ

ウィシュマート・ゼル

メッシーナ・パイロ



この3人は同じ島出身なのでもちろん顔見知りである。



「うひゃー!ここが士官学校か!でっけーー!!」



士官学校を見て興奮するのはゼル。



「あわわわ・・・大丈夫かな・・・僕本当にここでやれるのかな・・・。」



既に弱気になっているのがパイロ。



「なぁなぁシンヤ、パイロ!俺たちが通ってた学び舎とは全然違うな!!」


「そうだな。」


「なんでゼルはそんな元気なの・・?怖くないの・・?」


「怖い?な~に言ってんだよパイロ!俺もやっと士官学校へ入れる歳になったんだぜ?これから俺は魔物をぶっ潰しまくって英雄になるんだッ!!」



ゼルは小さい時から英雄に憧れている少年。

島でよく同年代の男子でチャンバラをしたけどゼルは年上にも物怖じしないタイプだ。

一応・・島で一番強い男子ということになっている。



「ま、魔物と戦うなんて・・怖いよ・・・。」



パイロは見るからに文学系の少年。

体を動かすことより本を読むことが好きなタイプだ。



「えー!これより入学手続きを行う!!速やかに受付に集合せよ!!受付を済ませた者から会場へ入りたまえ!!」



教官が大声で全体へ知らせる。

すると沢山の子供が受付へ集まった。



「た、たくさん来てるんだね・・・。」


「世界中の同い年の奴らが集まってるからな~。俺はこの中で1番になってやるさ!!だっはっは!!」



目視できる限り数にして100・・・いや、300はいるか?

10歳から男子は強制的に徴兵だからな・・・もっと増えるか。



今年士官学校へ入学する少年少女全員は一同大きな建物に集められた。

そして士官学校の校長から挨拶が行われた。



「えー・・第77期生の諸君、まずはお礼から言おう。士官学校へ入学してくれてありがとう。君たちも分かっているとは思うが、近年魔物の勢力はさらに拡大し、我々人類は滅亡の危機に瀕している状態だ。既に世界の3分の2は魔物の支配下となってしまった。だが、我々もただ魔物に屈する訳ではない。その為に若い人材を集め、今から魔物に対抗出来得るべく訓練を行うのだ。君たちはもうこの時から世界を救うための兵士の一人であることを自覚して欲しい。予め最初に言っておこう。訓練は厳しい。だが、自身の故郷を、自身の愛する者を魔物から守るため、または己自身のための訓練であることを肝に銘じて欲しい。皆はこれから5年間ここで寝食を共にする仲間だ。共に助け合い高め合い、将来魔物討伐の最前線に立って戦ってくれる者が必ず出てくれることを私は信じている———————」




校長の話に全員が真剣な顔をして聞き入っている。

真也たちは二階席に座っていた。



この建物にいるのが全員か?

・・・1000人くらいいるか?

全国から集まったにしては・・少ないな。



「————ちなみにここは本土で一番西に位置する学校だ。ここ以外にも4つ。本土にはここを含めて合計5つの士官学校が存在する。全ての学校で共通カリキュラムを実施、君たちと同じように訓練を受ける者はまだまだ沢山存在する。ぜひ、切磋琢磨してもらい存分に腕を磨いてほしい。・・・君たちの健闘を祈る。」



校長の話が終わり、皆はそれぞれ振り分けられた自身のクラスへ向かった。

俺とゼル、パイロは同じクラスだ。



真也たちが教室へ入ると中には既に多くの生徒が居た。



「お前ら席に着けー!」



後から教官が教室へ入る。



「今日から3年間、このクラスの担当教官に命じられたシリウス・ヴォットウェイだ。宜しくな。」



3年間?たしか校長の話では5年間だったような・・。



「あれ?5年間じゃなかったか?・・と思った奴いるだろ?まず入学してからの3年間はあらゆる分野での基礎的訓練をしてもらう。その後、各自が選んだ進路に進み、残りの2年間を過ごしてもらう。」


「シリウス教官!質問宜しいでしょうか!」


「なんだ?」


「進路というのは一体どういうことなのでしょうか!」


「3年間の基礎訓練終了後は戦闘要員を主体とする“兵科”、戦闘要員を支援する“技術科”に分かれる。3年後、お前たちはそのどちらかに進んでもらうという事だ。」



なるほど。人には向き不向きがあるからな。

・・・これチャンスじゃないか?

この選択肢があるなら・・技術科に行った方が戦闘は免れる。

・・・よし、技術科へ進もう。



「・・・では、さっそくだが本日から訓練を開始する!!全員着替えて速やかに第一校庭に集合!!」



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