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第36話「やってしまった」


「シーンヤ!私も乗りた~い!!一緒に乗ろ!!」



いつもの如くマーベルが抱き着く。



「マーベルさん!」


「一応2シートだから乗れるが・・多分酔いますよ?」


「酔う?」



とりあえずバギーに真也とマーベルが乗車。

エンジンを起動するボタンを押す。

原動力は雷属性魔法の魔道具を使用。



ブロロロロロ・・




「お、ついたついた!」


「ねえシンヤ・・これまだ走ってないよね?止まってるよね?」


「ええ。」


「なんでこんな揺れてるの?」


「・・・そういうもんです。」



真也はハンドルを握りアクセルを踏む。

すると・・



「「!!」」



猛スピードで直進するバギー。

車体を大きく揺らしながら走る。



「凄い揺れてるな・・・」


「な!な!なにこれーーー!!揺れて・・揺れて・・・オエェェェ。」



見事に酔って吐くマーベル。



「マ、マーベルさん!!」



マニカが駆け寄る。



「き・・気持ちわるい・・・」


「でもあれ凄いね~。本当に走ったね~。」


「俺は・・乗りたくねぇな。俺もあーなりそうだ・・・」




ま、試作品だからしょうがないか。

動いただけ上出来。最初はこんなもんだろ。

あとはトライ&エラーあるのみ!



その後もバギー改良に勤しむ。

何回も失敗を繰り返し、試行錯誤して改良に改良を重ねて・・・



「うひょーーーー!!気持ちいいなーーー!!」


「ちょっとシリウスさん!飛ばさないでください!!落ちる!落ちる!!あーーーーッ!!!」



シリウスの運転でウェットが振り落とされた。

運よく泥水の中に着水。



車制作から1ヵ月。

バギーが完成した。



「ふ~、気持ち良かったぜ!これイイな!!」


「・・・・・。」


「オイオイ、悪かったって。そんな顔すんなウェット・・・汚ねぇし臭せぇから早く水浴びてくれねぇ?」


「こっちは死にかけたのですが!?」


「おー、できたのか?」



カレンとミランダは中央から戻ってきていた。

カレンは日頃の働きと今回の護衛団討伐により一階級昇進。少佐から中佐へとランクアップ。



「これが車ってやつか。カッコイイじゃん。」


「・・・荷物運搬が楽になるな。よく作ったなアズモンド。」


「あとはこの車の後ろに荷台を付ければ結構な量の荷物運べるようになりますよ。」


「この車というのはあと何個作れる?」


「・・1台作るのに結構材料要りますからね。作れてもあと2台ですかね。」


「よし。アズモンドとマニカはこの・・・」


「バギーです。」


「バギーという物の制作に取り掛かってくれ。」



真也とマニカがカレンの指示でバギー制作に取り組む。



—————追加のバギー制作作業開始から2週間。

バギー計3台の制作完了。



作り方慣れたから2台目からは余裕だったな。



西部地方第64支部はこのバギーを使用し、調査範囲が格段に広がった。

そしてこのバギーの噂はどんどん広まり、軍での正式採用となった。

みるみるうちに全国でバギーが普及。

エスティアという世界での移動手段で革命が起きたのだ。



バギー開発の功績が称えられ、真也は昇級。

一等兵から兵長までランクアップ。



・・・・こんなはずじゃなかった。

まさかここまで広がってしまうとは。

そして車を作った功績がこんなに大きいとは思わなかった・・・。

一等兵のままで良かったのに・・。

やってしまった・・・。



—————

——————————

———————————————



魔王軍幹部六天将ランギルスを討伐して5ヶ月。

人類は六天将を倒したという自信、真也が開発したバギーによって行動範囲が広がり勢いづく。

各地方で次々に魔王軍を撃破。

そしてランギルスが管轄していた地方・領土を見事取り返した。




=== エスティア・最北部・【魔王城バルティゴ】 ===



人類の領土から遥か北に建設された城。

そこが魔王軍の拠点、【魔王城バルティゴ】。

そして今、この魔王城内部の会議室に六天将が集合していた。



「ランギルスがやられてから人間の勢いが増す一方だぜ?」


「全く・・本当図体だけがデカイ奴だったわね。六天将に相応しくないのよ。私は前から思ってたけど。」


「これこれ、魔王様がランギルスを六天将に任命したのだ。文句を言うでない。」


「だってアイツの力で六天将と言われてもね~。本当は()()()だったのにさ~。」


「おいグラシャ!いつまでもネチネチ言ってんじゃねぇよカスが!」


「ああ?バラム、あんたのところも最近よく攻められてるじゃないのよ。もっと仕事すれば?あー、でも前に深手負わされてビビッてんのかしら?」


「んだとコラァ!?」



双方席を急に立ち上がり今にでも喧嘩しそうな険悪ムード。



「まーまー二人とも落ち着きなって。僕たちが今日集まったのは今後の方向性をどうするか・・でしょ?」


「フルーレの言う通りじゃぞ。これは魔王様の命令じゃ。六天将が1人欠け、どうするのかを話し合うのじゃ。」


「・・わーったよ。でもジズよ、アマルギットはどこだよ?アイツ来てねぇじゃん。」


「アマルギットは別行動中じゃ。」


「なんでだよ!アマルギットの野郎・・魔王様に一番気に入られてるからって調子に乗りやがって。」


「でも、アンタよりは仕事してるわよね~。」


「このクソブス・・・表に出ろやコラ・・」


「上等よ・・肉片に変えてやろうかこのトサカ野郎が!」


「これこれ、やめんか馬鹿者。」


「はぁ~、いつもこの二人は会うとこうなるよね~。ここに魔王様が居てくれればいいんだけど・・」




=== 西部地方第64支部・ベースキャンプ ===



ベースキャンプ内の席に全員が座る。



「さて、我々の支部に新たな任務命令が下された。」


「内容は?」


「北部地方へ応援だ。」



北部・・・最前線じゃないか・・



「どうして俺らに応援なのですか?」


「最近の我々の働きが認められ、最前線での活動に参加して欲しいと要請が入った。」



たしかに最近は行動範囲を格段に広げ、頭おかしくなる程来る日も来る日も魔物討伐してたからな・・・

バギーを作ったせいでこうなってしまうとは・・・

しかも北部地方・・・



行きたくない・・・

本当に・・・やってしまった・・・

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