第30話「霧の中心部まで」
これで護衛団2匹は片付いた。
あとは・・
カレンたち別動隊は霧の外側から敵が手薄となってるであろうと予測した反対側まで回り込んでいた。
「よし!行くぞお前ら!!標的は霧を発生させている魔物だ!!」
「お前たち~、カレンに置いていかれないようについて来いよ。」
「ハハ!任せて下さい!なんなら僕が先頭を行ってもいいですよ!!」
「アホか。やめとけ。お前が先頭だと迷いそうだ。」
「僕走るの苦手だな~。」
「私はカレンさんについていくの余裕ですよ♪」
「では出撃ッ!!」
カレンたちが一斉に霧の中へ侵入。
はぐれないよう、一定の距離を保ちつつ一直線に走る。
カレンの予想通り反対側は手薄だった。
「ギャギャ!?」
「ゴギャァァ!!」
「決して止まるな!!真っ直ぐ進みながら敵を討て!!」
カレンたちは走りながら敵を倒していく。
敵も不意を突かれて戸惑い対処が遅れる。
真也はカレンたちの動向を見ていたが霧の中に入った後は見守るしかなかった。
「先輩、少佐たちは作戦通りに入りましたか?」
「ああ。ついさっき霧の中に入った。」
「大丈夫でしょうか・・・心配です・・。」
「ま、少佐たちを信じるしかないな。」
俺たち64支部はこの霧を発生させている魔物を倒すことが第一優先。
そうしなければ視界が塞がれているこの不利な状況を変えることができない。
「あとどの位で着きますかね?」
「そうだな・・距離的にあともう少しのはずだ。・・おっと!」
「魔物の匂いがキツイ~!鼻がもげそう・・・ほいっ!」
「この霧本当面倒くせぇな・・・たくっ!」
カレンたちははぐれないように互いに喋りながら進む。
そして喋りながら敵を倒していた。
「段々霧が濃くなってきたな。近いぞ!!」
カレンが皆に声をかけた瞬間、
「!!」
数本の触手がカレンたちに襲い掛かる。
だが、咄嗟に全員回避。
「おっと!」
「なんだ~?」
「・・・ぴょぴょぴょ、ま~さか人間がオラのとこまで来るたぁ思ってもなかったぞよ。」
声はするが濃い霧のせいで姿が見えない。
「こいつが霧の発生源ですかね?」
「口調的にそんな感じはするな。」
「・・だけども、おめぇたちはここでしまいだ。何故なら・・オラがいるからだ。」
「ふんッ!!」
カレンが攻撃するが当たらない。
「無駄だべ無駄無駄!この霧の中じゃオラの姿は見えないし魔力感知もでぎねぇ。だから当たりっこねぇ。」
「・・・ミランダ。」
「あいよ。」
「お前がこの霧を発生させている魔物か?」
「そうだべ。オラは護衛団の一人アグロスっていうもんだべ。」
「「護衛団!?」」
「そうか・・やはりこの規模の魔法を発動しているのは護衛団以上だとは思っていたが当たりだったようだ。」
「んだからおめぇたちがこの霧の中で何もできずにオラにやられるのがオチだべ。」
「・・・ふっ、そうかな?」
「?」
「お前ら!しゃがめッ!!」
カレンの掛け声で全員が咄嗟にしゃがむ。
「なんだべ?おめぇたちなに・・・をッ!?」
アグロスに突如何かが刺さる。
それは・・・鎌。
「なんだべコレ!?」
ミランダの鎖鎌がアグロスに命中。
カレンの掛け声と同時にミランダが鎖鎌を投げ、全方向に回した途中でアグロスに刺さったのだ。
「命中だ。10時の方向に奴がいる!」
ミランダの指示のもと、カレンたちが一斉にアグロスに向かう。
「はっ!!」
カレンの一撃がアグロスに当たる。
「ぎゃああ!!熱い!痛い!」
アグロスがダメージを受けるとカレン周辺の霧が少し薄くなった。
「・・なるほどな。貴様はこの霧を発生させるのに随時魔力を消費している。貴様自身、この霧を維持しなければならないため防御は薄い訳か。」
「むぐぐ・・・」
「図星だったみたいですね!護衛団って言ってもコイツなら楽勝じゃないですか?」
「オラを・・甘くみるなよ・・」
ブワッ
アグロスは自身周辺の霧を無くした。
そしてアグロスの姿が現れた。
全身触手で覆われており、辛うじて手と足が見える程度。
「うげ・・なにコイツ気持ち悪い。」
「俺ら周辺の霧が消えた・・だけど奥の霧までは消えてねぇな。どういうことだ?」
「ぴょぴょぴょ、オラの周りだけ霧を消したのは単に戦闘モードに切り替えたからだべ。これならおめぇたちの攻撃も防げるしおめぇたちをなぶり殺せるべ。」
「でも僕たちもお前が見えるからやりやすくなったけどね。」
「みんな、相手は仮にも護衛団。気を引き締めてかかろう。」
「アリダリの言う通りだ。護衛団は俺らの将官クラスと同等だと思っていい。気を引き締めないとやられるぞ。」
「全員、戦闘態勢!!我ら64支部の力を見せつけるぞッ!!」




