第3話「10回目の転生生活スタート」
=== 天界 ===
「ただいま~。」
「おかえりなさい。」
「お、帰ってきた。」
女神ディーテは真也の転生を終えて天界へ帰還。
自宅へ戻ってきた。
「お勤めご苦労さん。」
「いや~今回もちょっと駄々こねられちゃったよ~。エイレー、喉乾いた~。」
「はいはい。今持ってくるわ~。」
「茶ぐらい自分で持ってこいよな。」
「私は疲れたんだよ~。ニケはいいよね。転生担当じゃないからさ。転生って結構体力使うんだよ?知ってた?」
「お前だってもともとは転生担当じゃないだろ。今の子を急に転生させちゃったから担当になっただけで。」
「紅茶持ってきたわよ~。」
ここは天界にある一つの一軒家。
そこには3人の女神がルームシェアをしていた。
愛と美を司る女神ディーテ、結婚と出産を司る女神エイレ、勝利を司る女神ニケ。
「でもディーテちゃんの転生回数は多いわよね~。ディーテちゃんの担当しているあの子、名前は・・・」
「真也様。小鳥遊信也様だよ。」
「そうそう。真也様って本当に凄いわよね~。」
「確かにな。魔王討伐には平均40年かかるところを大体20年前後でやっちまうんだからな。これで何回目の転生だ?」
「・・・10回目かな。」
「たった200年で10回はすげぇな。もう転生の玄人だな。」
「ステータスがチートよ。チート。」
「ディーテちゃん、真也様を今回どちらに転生したのかしら?」
「えーと、たしか・・・エスティアだったかな。」
「「!?」」
女神エイレとニケが驚く。
「ディーテ・・お前、転生先はいつもどういう風に決めてんだ?」
「え?そんなのいつも適当だよ適当~♪ど・れ・に・し・よ・う・か・なって。」
「あらあら~。真也様も大変ね~。」
「・・え?エスティアってそんなヤバい所なの?」
「他の転生担当でも渋るくらいのな・・。」
「これ真也様のステータスなんだけどこれでもダメ?」
女神ディーテはエイレとニケに真也のステータス表を見せる。
「・・・・げっ!」
「あらあら~。」
「どうだい?真也様のステータスは。」
「・・・・・これなら大丈夫か。」
「でしょ~♪」
仲良し女神3人は今日も優雅に天界にて紅茶をすする。
=== 10回目の転生異世界・エスティア ===
大陸の最西端に位置するガラバ島。
島の人口は約300人。
ガラバ島は漁が盛んな島であり、住民の約9割が漁師である。
真也は今回このガラバ島で生活しているアズモンド夫妻の子供として生を受けた。
小さな家に産声が上がる。
「@■!!●◇&!!△%▲☆%#!!!!(おお!!生まれたぞ!!元気な男の子だ!!)」
毎回転生して思うのだが・・・・・
「&◎■◇!!(おめでとう!!)」
何故・・・・・生まれたてなのに既に意識がある?
まだ0歳ですけど?
生まれた瞬間から意識があるのはどうなんだ?
幼き赤子は母親から取り上げられ、家族や近所の人らが歓喜している。
まだ声を発することはできないけど・・・目は開くことができる。
毎回出産時には沢山の人が関わっているが今回は・・・・。
滅茶苦茶いるな!!
何人いるの!?
「&■△!!&■△!!(バンザーイ!!バンザーイ!!)」
島中の住民が出産に立ち会って喜びの万歳をしていた。
まだこの世界の言語知らないから何言ってるのか全然わからないが・・・。
盛大に祝福しているのは分かる。
生まれた時にこんな祝ってくれるのは毎回嬉しいんだが・・・はあ、これからなんだよな。
意識ある状態で母親から授乳されるとか結構恥ずかしい・・・。
・・・人として平均的に物心つく年齢が来るまで我慢だ。
あと毎回転生してのお決まり事がある。
それは・・・。
「■&▽%?(この子の名前は決めたのか?)」
「◆◆、$☆#▲・・・○#、“★$◇”。●&%&#“★$◇”。(ええ、決めてるわ・・・そう、“シンヤ”。この子の名前は“シンヤ”。)」
毎回俺の名前はシンヤになるってことだ。
なぜ毎回同じ名前になるのか・・前にディーテに確認したことがある。
そしたら・・・
(「えっ?なんでシンヤになるのか・・ですか?そんなの決まってるじゃないですか~!!毎回違う名前になったら面倒くさくて覚えられないですよ~!!」)
と言っていた。
あの女神の態度にはイラっときたが、名前が同じであることには俺も賛成だ。
「“★$◇”&・・・〇☆&。▽$☆&★%&?(“シンヤ”か・・珍しい名前だね。どうしてその名前にしたんだい?)」
「#☆$●#%&。(天からシンヤにしなさいって声が聞こえた気がするの。)」
こうして真也は異世界エスティアのガラバ島で10回目転生をスタートすることになった。