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第28話「パイロVS護衛団」

パイロの魔法によって一部の霧を消し、多くの魔物を葬った。



そして奥から護衛団の一人ムルブットが登場。

ムルブットは無双状態で次々に兵士を倒す。



「ぎゃぁぁッ!!!」


「ククク!次はどいつだぁ!?」


「護衛団が出てきたか・・」


「ええ!?本当ですか!?」



真也は遠くから眺めている。

マニカは護衛団出現に驚く。



今回出てきた護衛団はリザードマンか。

筋肉モリモリだし明らかに脳筋タイプだな。

・・・パイロ大丈夫か?



ムルブットから発せられる強烈な重圧(プレッシャー)

兵士たちはその重圧(プレッシャー)に怯み、足が竦む。

だが・・・



「・・ああ?」



パイロだけがムルブットに臆さず重圧(プレッシャー)に怯まずにいた。

そして杖を構え態勢を整える。



「・・チッ、気に食わねぇ目だな。」


「(僕は・・昔とは違う。あの時は怖くて何もできなかった。・・だけど、今は皆を守る立場なんだ。・・やらなきゃ!!)」



ムルブットがパイロに向かって走り出す。



「バラッバラの肉片に変えてやるよッ!!」


「行かせるかーーー!!」



他の兵士たちがムルブットに立ち向かう。

しかし、



「邪魔だぁッ!!」



たったの一振り。

それだけで兵士3人が一瞬でバラバラと化した。



「!!・・・来たれ炎よ 我を熱く燃やす 」


「魔法使いの欠点はな・・タメがなげぇってことだーーーッ!!」



ムルブットが加速。

一気に詠唱中のパイロまでの距離を詰める。



「!!」



急にパイロが詠唱をストップ。

そして杖の先端を突進してくるムルブットに向ける。

次の瞬間、



バチバチバチッ!!



杖から強烈な雷魔法が放たれムルブットに直撃。

全身に雷が走る。



「がっ!!?(こいつ・・仕込んでやがったなッ!!)」



パイロが使う杖の先端には簡易に雷魔法を放てる魔道具が仕込まれていた。

だがこれは虚を突くために使用するものであり、打てるのは一発のみ。



相手の動きが止まった僅かな時間でパイロは距離をとる。

そして詠唱を開始。



「母なる大地よ 我らは大地に立つ者 母なる大地よ 我らの防壁となりて 荒ぶる愚者を 囲え 囲え 囲え『大地の監獄(グラウンドプリズン)』!!!」



地面が盛り上がり、何重もの大地の壁がムルブットを囲い込む。



「こんな壁でどうにかなると・・思ってんのか!!」



雷撃の痺れが無くなり、斧をフルスイング。



バゴォン!!バゴォン!!



重なっている壁をどんどん破壊。

そして最後の壁を破壊した。



「来たれ炎よ 我を熱く燃やす炎よ 煉獄のごとく 」


「これで壁は無えッ!!あとはお前だけ・・・ん!?」



パイロは既に次の魔法の詠唱を開始していた。



「(こいつ!さっきと詠唱速度が違う!!)」



パイロは先ほどより早口で詠唱を行う。

パイロはムルブットが壁を破壊し出てくる瞬間を狙っていた。



「 我の前に立ち塞がる 愚かなる道化を 永遠とも思える灼熱地獄で 業火に包み 焼き尽くせ 『地獄火葬(ヘルクリメイシェン)』!!!」



ズドォォォォォンッ!!!



パイロ渾身の火属性魔法が放たれムルブットに直撃。



あれってたしか上級魔法だったはず・・。

パイロの奴、上級魔法まで使えるようになってるのかよ。



「ががあぁぁぁぁぁッ!!!」



ムルブット周辺は炎の渦で燃え盛る。



「ががががぁぁぁぁ!!!」



渦の中で悶えるムルブット。



「ハァ・・ハァ・・(魔力のほとんどをつぎ込んだ僕の中で最強の魔法だ・・火炎の渦は敵を燃やし尽くすまで止まらない)」


「やった!パイロ伍長がやった!!」



兵士たちは煉獄の中で苦しみ、悶えるムルブットを見て勝利を確信。

しかし、



バッシャァァァァン!!!



「「「!!?」」」



大量の水がどこからともなく炎の渦に降り注ぐ。

次第に炎の勢いが弱まっていき・・鎮火。



「な!?」


「どこから!?」


「・・・全く、貴方は油断大敵という言葉を知らないのですか?」



声のする方向は・・上。

全員が上を見上げる。



そこにはハットを被り、お面をつけた全身タキシードの魔物が浮かんでいた。



「なんだ・・アイツは!?」


「ハァ・・ハァ・・ハァ・・助かったぜ・・」


「魔法使う者に対してバカ正直に突っ込むなど・・愚の骨頂。貴方はもう少し頭を使いなさい頭を。」


「そんな・・僕の魔法が消された・・」


「皆様お初にお目にかかります。私は護衛団の一人ピエーロと申します。」



護衛団ピエーロは深々とお辞儀。



「以後お見知りおきを・・と言ってもあなた方はすぐに死んでしまうのですが・・」



ピエーロの両手に大きな水の塊が浮かんでいる。



「弾けなさい。」



そう言うと水の塊が一斉に弾け飛ぶ。

弾けた水はまるで弾丸のように下にいる兵士たちに襲い掛かる。



「「ぐあぁぁぁッ!!!」」



水の弾丸によって撃ち抜かれ、次々に倒れる兵士たち。



「ハァハァ・・さっきはよくもやってくれたな・・この野郎・・おかげでこんがり焼けちまったじゃねぇか。」



ムルブットが起き上がりパイロを睨みつける。



「大分ダメージは負ったが・・てめぇらを殺せるくらいはまだ余力はあるぜ?」


「(さっきので殆どの魔力を消費してしまった・・どうする・・)」



パイロの魔力はもう殆ど無い感じか・・。

このままだとアイツにやられる。

ここは手を貸すか。



真也はスコープを覗き、ムルブットに照準を合わせる。



友の窮地だ。致し方ない。

この弾丸でアイツを処理・・・ん?



「護衛団が2匹・・ようやく俺の出番だな。」


「なんだ・・てめぇ?」



パイロの後ろから悠然と歩いてくる男。

それは・・



「俺はマッケンロー・ジース。階級は・・中将だ。」

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