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第27話「パイロの打開」

=== マロア湿原 ===



カレンは軽やかなステップで且つ素早く湿原を見渡せる高い丘へ登る。

そして全貌を掌握。

確認後は速やかに全員のもとへ戻った。



「確認したがかなり広範囲で展開されている。」


「中心部はここからどのくらいの距離だ?」


「ここから約1km。そこが中心だ。」


「1km!?そんなに広く展開されてるんですか!?」


「複数で展開しているのか、はたまた1匹で展開しているのかはわからん。もし1匹のみでこの霧を展開していたら相当の手練れだ。」


「場所は分かった。あとはどうやって切り込むかだな。これを止めるには霧の中に突っ込むしかない。」


「声の位置から察するに魔物はおそらく兵士が霧の中へ入り200~300メートル付近で待ち構えていたものだと推測する。だから我々は霧の外側から回り込み、手薄な箇所から切り込むとしよう。」


「敵は前を固めてるから裏から攻めるってことですかい?」


「そうだ。」


「よし、それで行こう。シンヤとマニカは湿原の外側から援護頼む。」


「「了解。」」


「では行くぞ!!」



カレンたちは湿原の中へ入り、霧がかかっていない部分を走って移動。

シンヤはカレンらの周囲に敵がいないか確認する。



「マニカ、俺たちも見やすい位置へ移動しよう。あと8スコともう一つの銃も持ってきてくれ。」


「8スコ?」



あ、ついゲーム内での用語を使ってしまった。



「えーと、8倍率のスコープだ。今のスコープだと見にくい。」


「あ!了解です!」



真也とマニカは全体が見やすい場所へ移動した。



ここからだと俺の銃は射程範囲外だな・・・。

なのでもう一つの銃の出番だ。



「マニカ。」


「はい!」



マニカから銃を受け取る。



今回使用する狙撃銃は射程範囲が今までと違う。

普段使用している銃の射程範囲は1km。

もう一つの銃の射程範囲は3km。



だが、この長距離タイプの狙撃銃には自動アシスト機能がついていない為全て自分で照準を合わせなければならない。

なので真也は暇な時に積極的に練習をしていた。



「マニカ、例の弾出来てるか?」


「はい!先輩の要望通りのを作りました!」



マニカがケースから弾丸を取り出し真也に渡す。



「でも・・これでいいんですか?弾に魔力注ぐ容量を拡大しましたけど、弾には全く魔力入ってないですよ?」


「いや、これでいい。」



そう言って真也は弾丸を握りしめる。



=== 霧内 ===



「ぐわぁぁぁ!!」


「殺せッ!!殺せッ殺せッ!!人間は皆殺しだッ!!」



依然人間側は魔物に強襲を受け続ける。

霧のせいで視界が悪く、仲間とも連携がとれにくい。

次々に襲われ負傷してく兵士たち。



「(なんとか・・僕がなんとかしないと・・)」



パイロは周囲を確認。

パイロの傍には兵士が2人。



「パイロ伍長!どうしますか!?このままだと・・」


「・・・一旦霧の外へ出よう!!外に出れば僕がなんとかするよ!!」


「わ、わかりました!外に出るまで我々が援護します!!」



パイロはダッシュで霧の外へ駆ける。

仲間2人が襲い掛かってくる魔物に対処。



「ぐわっ!!」


「だ、大丈夫!?」


「行ってください!!ここは我々が食い止めます!!」


「・・・くっ!」



パイロは歯を食いしばりながら霧の外へ向かって全力で駆けた。

そして霧の外へ抜ける。



「ハァ・・ハァ・・この霧を・・打開する!」



パイロは杖を掲げ詠唱を開始。



「静かなる風よ 集え 静かなる風よ・・」


「ギャァオッ!!」



1匹の魔物が霧から飛び出しパイロに襲い掛かる。



「させるかー!!」



パイロの傍にいた兵士が魔物を食い止める。



「暴れ狂う風となりて旋回し 愚者もろとも全てを飲み込め 『竜巻(トルネード)』!!!」



パイロの魔法により大きな竜巻が発生。

この竜巻によって一部の霧がどんどん吸い込まれていく。



「視界が・・霧が晴れていく!!」


「さすがパイロ伍長!!」


「霧が晴れればこっちのもんだ!!かかれーー!!」



パイロの活躍により活気づく兵士たち。

先ほどと打って変わり攻勢に出る。



「・・フン、少し状況が変わって調子にのりやがって人間どもが。・・・ククク、見せてやるよ。行けッツ!」


「「「!!!」」」



兵士たちの前には沢山の魔物が待ち受ける。

さらにその魔物の中に他と色が違う強個体が何匹も混ざっていた。



「なっ!?強個体がこんなに!?」


「人間どもを殺せェェッ!!」



魔物たちは一斉に襲い掛かる。



「聖なる炎よ もっと燃えよ 聖なる炎よ 業火の礫となりて 愚者たちを 炭へと変えろ 『業火球の雨(ディグルトレイン)』!!!」



魔物たちの頭上から大量の炎の塊が降り注ぐ。



「「「ギャァオオオォォ!!!」」」



次々と倒れる魔物。

パイロが後方で火属性の魔法を発動させていた。



「行けーー!!今が好機!!魔物どもを潰せーー!!」



勢いづく兵士たち。



「ハハ!パイロやるじゃん!」



遠くで眺めていた真也はパイロの奮闘ぶりに興奮。



「・・チッ、属性複数持ちがいたか。邪魔くせぇ・・。」



中で指揮していた1匹の魔物がゆっくり前進。



「どけッ!!クソ人間どもがッ!!」


「ぐあぁぁぁ!!!」



その魔物は巨大な斧でバッサバッサと兵士たちを斬り裂いて進む。

魔物が持つ斧からは夥しい量の血が流れ落ちる。



「な・・なんだコイツ・・」


「ククク・・この俺様は偉大なるランギルス様の護衛団の一人、ムルブット様だッ!!」


「護衛団!?」


「ククク・・てめぇらみたいな下等な種族は俺様が・・血祭りにしてやるよ。」


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