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第25話「成長した姿」

=== 南部地方・合流地点付近 ===



「うおぉぉぉっ!!」


「バギャァァオ!!」



真也たちが到着した合流地点の丘を少し下ったところに岩石地帯が広がっている。

その岩石地帯で魔物との戦闘が行われていた。



「やってるやってるー!さぁ!僕の出番がきたようだ!!少佐!大尉!もう行ってもいいですか!?」


「おーい、待て待て。」



ミランダがウェットの首根っこを掴む。



「アホ。このごちゃごちゃした中を無暗に突っ込むのはダメだ。」


「我々がまず切り崩すポイントは・・・どこだかわかるか?アズモンド。」


「まぁ、あそこでしょうね。」



真也が指さした方向は激しく戦闘が行われている中央ではなく奥。

その奥には敵の弓兵集団がいた。

敵の弓矢の攻撃によって味方が苦しめられている。



「正解だ。我々はまずあの敵後方部隊を・・潰す。」


「あそこまで遠くないですかー?真ん中突っ切る感じですか?」


「本当バカねウェットは。回り込むに決まってるでしょー。ね?シンヤー?」



マーベルが真也に抱き着く。



「ちょ!何してるんですかマーベルさん!先輩から離れてくださーい!」



マニカが必死にマーベルを真也から引きはがそうとする。



「んじゃ、行くぞ。シンヤはいつも通り後方支援頼む。マニカはシンヤのサポート。」



カレンたちは足早に丘の外側から駆けて回り込みに向かう。



「先輩!私にできることあったら何でも言って下さいね!」


「ああ。」



真也が狙撃ポイントまで歩いていると・・



ドォォォンッ!!!ドォォォンッ!!!



中央から一際大きい魔法が放たれた。

その方向を確認すると・・・



「・・パイロ!」



パイロが火属性魔法を放っていた。



南部地方33支部はやっぱりパイロの配属先だったか。

それにしても・・・



パイロは火属性の他に土・風の魔法を多様に駆使して敵を殲滅していた。



「はは、大分成長したなパイロ。」


「先輩?」


「ほら、あそこで魔法ぶっ放している奴いるだろ?あれは同郷の幼馴染だ。」


「先輩、嬉しそうですね。」



久しぶりに見る顔。

そして昔とは比べ物にならない程成長しているパイロの姿を見て真也は感激していた。



「先輩、少佐たちがそろそろポイントに着きそうですよ?」


「少し急ぐか。」



真也とマニカは少し駆け足で狙撃ポイントへ向かう。



「固定台くれ。」


「はい!」



マニカから銃を固定するための台を受け取り地面に設置。

そして銃を台に乗せて調整。スコープを覗く。



カレンたちは弓兵がいる後ろの丘へ回り込み、一気に駆け下りて強襲。

魔物たちは不意に後ろから現れたカレンたちに驚き態勢を崩す。



オバマス・カレン少佐。

彼女の武器はサーベル。

凄まじい速さでの攻撃を繰り出し、敵に反撃の隙を与えない。

また、自身が持つ火属性の魔法をサーベルに付与することによって敵を斬り裂いて燃やす。



マーベル・カリン・ウッド上級曹長。

両手に鉤手甲を装備し戦う武闘家(モンク)である。

戦闘となると普段のスキンシップ多めの馴れ馴れしい態度とは正反対。

笑みを浮かべながら敵をその鉤手でズタズタに切り裂く。

戦闘になると性格が変わるタイプの人だ。



アリダリ・マカロニ上等兵。

家事全般得意なうちの穏やかなマスコットキャラは大型ハンマーで敵を粉砕する。

スライムをプチプチ潰すような感覚で敵を次々に殴殺。

殺生を好まない性格の彼は、本人曰く戦闘中に献立を考えているのだとか。



ダァァン!!



真也が撃った弾丸はカレンたちのさらに奥にいる魔物を撃ち抜く。

後方にいる魔物たちがカレンたちに襲い掛かろうと準備していたからだ。



俺のここでの役目はカレンたちが思う存分戦える状況を作ること・・・。

なによりここで狙撃してれば中心でドンパチしている奴ら程目立つことはない。

あくまで後方支援。

なので戦功が認められていきなり最前線に異動ってことはないってことさ。



魔物500匹に対し魔物対抗軍(レジスタンス)の数は100程度。

敵は低級~中級の魔物だったが魔物対抗軍(レジスタンス)が圧倒。

みるみるうちに敵の数が減り、次第に魔物たちが逃走し始めた。




「我々の勝利だぁーー!!!」


「「「オオオオオオッ!!!」」」



今回の戦闘で重軽傷合わせて負傷者の数は20人。死者0人。



—————そしてその日の夜。



「・・・あれがオプソンの町を襲った魔物ですかね?弱すぎじゃないですか?」


「数は多かったが・・全然統率が取れてなかった感じがするな。指揮官が不在だったという可能性はあるな。」


「ミランダ大尉、そんなのいいじゃないですか~♪今日は移動と戦闘で頑張ったんですから、飲みましょ飲みましょ~♪」


「マーベル・・既に結構飲んでるな。」


「あ~~れ~~?シンヤは~?シンヤはど~こだ?ハルちゃ~ん、シンヤは~?」


「先輩なら友人に会いに行っちゃいましたけど。」


「え~~!なによもう・・・私というものがありながら・・・。」


「マーベルさん!あんな奴はほっといて僕と飲みましょう!こう見えても僕、酒強いんですよー!」


「うるさぁぁい!お子ちゃまは・・ひっく、ミルクでも・・飲んでればいいのよ。」



真也は南部地方33支部のベースキャンプへ訪れていた。



「パイロ。」


「・・・シ、シンヤ!!」


「よっ。元気にしてたか?」


「久しぶりだねシンヤ。顔見れて嬉しいよ。」


「今日パイロの戦いぶり見たよ。かなり成長しててビックリした。」


「・・・まだまだだよ。」



真也はふとパイロの腕章を確認。



げっ!パイロの奴・・・伍長に昇級してる・・。

・・・まぁこの世界では数少ない3属性の魔法を扱えるし、妥当といえば妥当か。



「僕たちの管轄でもあったオプソンの町の人たちを救えなかった・・・」



パイロは険しい顔をして拳を握りしめる。



「シンヤはどう思う?今回の町への襲撃に関して。」


「予想だが・・敵はステルス・・こちらの索敵に引っかからないような魔法を使って侵入してきたんだと思う。」


「うん・・僕もそう思った。だから今回戦闘した魔物の中にそういった魔法を使うのがいるのかと思ったんだけど・・」


「今回の敵は約500匹。・・だけどその中に魔法を使う魔物はいなかったな。」


「そうなんだ・・・敵は全員武器を所持していたけど魔法を使うのは1匹もいなかった。」


「パイロ伍長!これから作戦会議を始めます!すぐお集まりを!」


「・・あ、うん。今行きます。・・じゃあシンヤまたね。」


「ああ。会議頑張れよ。」



真也はパイロと別れ自身のベースキャンプへ戻った。

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