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第17話「雲行き」

=== アスファ森林・入口キャンプ ===



討伐訓練最終日3日目。



「よ・・・しゃぁぁぁ!!今日で最後!!昨日よりも狩ってやるぜ!!」


「えー、今日は最終日だ。学校へ戻る時間も考えて最終日は半日。つまり昼で訓練は終了する。各々準備を進めて出発せよ。」



真也はいつも通り索敵を開始。



「・・・うん。これなら大丈夫だな。」



真也チームは恒例の作戦会議。



「今日は連携のスピードを上げていこうと思うのだけれど・・どう?」


「うん。僕は問題ないよ。」


「僕も。」


「そうだな!俺も異論はねぇぜ!その方が多く討伐できるしな!」


「シンヤはどう?」


「ああ。問題ない。」



その後装備の手入れも念入りに行い出発。



現状この討伐訓練での各チーム毎の討伐数は

1位・・エルザチーム 討伐数175

2位・・ウィルティンチーム 討伐数118

4位・・真也チーム 討伐数109


となっていた。



「ちくしょう・・やっぱエルザの所が1位か。」


「圧倒的だね。」


「しょうがないよ。エルザの魔法で魔物を一掃しちゃうらしいし。」


「別にいいじゃない順位なんて。討伐した数より私たちが経験を積むことが一番大事よ。一回一回の戦闘を大事にしましょ。」


「そうだね。」


「んで今日はどの方向に行く?」


「そうね・・シンヤはどうしたい?」


「そうだな・・東に向かうか。」



索敵して確認した限り東は大したことのない魔物が多くいる。

数もこなせるから良い経験値になると思う。



進行し茂みを抜けると・・コボルトの集団が現れた。



「3・・4・・5匹!」


「ゼルとリビアは正面2匹を迎え撃て。パイロは土魔法で壁を作ってコボルトを分断。ニックはパイロの守護。」


「「了解!」」



ゼルとリビアが正面2匹のコボルトに攻撃を仕掛ける。

パイロは詠唱を開始。



「母なる大地よ 我はこの大地で生きる者 母なる大地よ 大地を荒らす愚者から 我が身を守護せよ 『土防壁(アースウォール)』!!」



相変わらず長い詠唱だな。



パイロの土魔法が発動。

地面が盛り上がりコボルトたちの間に土の壁を形成。

左2匹、中央2匹、右1匹にコボルトを分断する。



ゼルとリビアは正面2匹、真也は左2匹のコボルトと対峙する。



「おらぁぁッ!!」


「やあぁぁッ!!」


「ゴギャァァッ!!」



ゼルとリビアでコボルト2匹を討ち取る。

真也はまるで虫を殺すかのようにコボルト2匹を瞬殺。

残った右側のコボルト1匹がパイロに襲い掛かるがニックが槌を振り上げて叩き潰した。



「よし!上手くいったわね!」


「複数いても戦力を分ければどうってことないな!」



ゴロゴロゴロ・・・



「雲行きが怪しくなってきたわ。雨が降ってきそうね・・。」


「雨が降ると暗くなるし視界が悪くなる。一度キャンプに戻るか?」


「えー!まだ全然戦ってないぜ?それに雨での戦闘も経験した方がよくないか?」


「・・・そうね。今の私たちでもこの森林の魔物なら雨でも十分対処できると思うわ。只、雨によって視界悪くなるし足元も緩くなる。十分警戒しながら戦いましょう。」


「おう!」



真也たちはその後も魔物との戦闘を続けた。



「うおっ!滑るッ!!」


「やあぁぁ!!」



ゼルが滑って態勢を崩したがリビアがサポートして魔物を討伐。



「・・大雨になってきたね。」


「この雨だとパイロの火と土魔法の威力が弱まるな。」



この大雨の中での戦闘は体力を消耗しやすい。

朝から戦闘を初めて4時間。現在の時刻は11時。



「結構奥まで来ちゃったね。」


「そうね。ここからキャンプへはどのくらいかしら?」


「大体1時間くらいかな。」


「そろそろ戻るとするか。」


「だな!」



真也たちがキャンプへ戻ろうとした・・その時、



メキッ!!バキバキッ!!



「「「!?」」」



後ろから木がなぎ倒される大きな音が響いた。



「・・・なんだ?」



ドスン・・ドスン・・・



何かがこちらに向かってくる。

そして何かが木々の間から顔を出した。



「ブルゥゥゥゥアァァ・・・。」


「「「!!」」」



木々の間から現れたのは体長3メートルはある黒い魔物。

深紅の目をして黒い羽を生やしていた。



「・・なっ!?」



巨大な魔物の突然の出現により全員が驚く。

そして・・



計測魔道具が真っ赤に光る。

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