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第16話「2日目」

=== アスファ森林・入口キャンプ ===



1日目が終了し2日目の朝が訪れた。



「えー、今日も討伐訓練だ。昨日も言ったように決して単独行動は控えるように。必ずチームで動け。自分の身を第一に考えろ。今日は昼前にはキャンプに戻り休憩の後、午後も再度討伐へ向かってもらう。いいな?」


「「「はい!!」」」


「では準備が整ったチームから出発しろ。」



するとさっそく出発しようとしているチームがあった。

エルザのチームである。



「げっ、もうあいつらもう行くのかよ。」



するとリビアがエルザのもとへ駆け寄る。



「エル。」


「リビア。」


「調子良さそうね。さすがね。でも気をつけなよ?エルは強いけど無理しちゃダメよ?」


「わかっているわ。心配してくれてありがとう。リビアも気をつけて。」


「・・え?あいつらって知り合いなの?」



ゼルがポカーンとする。



「お姉ちゃんとエルザは宿舎でずっと同じ部屋なんだよ。」



楽しそうに会話をするエルザとリビア。



「じゃあねー!・・・・なによ?」


「エルザってあんな顔すんだな。」


「はぁ?アンタ何言ってんの?エルはいつもあんな感じよ?」




さて・・2日目も無事に終わればいいが。

一応索敵しとくか。



真也は地面に手を触れて『サーチ』を使用。

森林全体を把握する。



「・・・ま、これなら大丈夫か。」


「シンヤーー!!リビアが作戦会議するってよーー!!」


「ああ、今行く。」



真也たちは念入りに作戦会議を行い、装備の手入れをした後出発した。



「今日は昨日と違うエリアを探索しましょう。布陣は変更なし。」


「昨日はコボルトとローパーと戦ったけど違うエリアにはまた新しい魔物と会う可能性あるよね?」



コボルトは小柄で犬のような見た目をした魔物。

ローパーはイソギンチャクのような触手をもつ植物型の魔物。



「他のチームの話だとウィスパーマッシュやキラーアントもいるらしいぜ?」



ウィスパーマッシュはブツブツと常に何かを囁いている動くキノコ。その囁きを長時間聞くと混乱状態に陥ってしまう。

キラーアントは猫ほどの大きさをした蟻。獰猛な性格だが攻撃は単調。だが集団で襲われると厄介。



「こういった低級の魔物は動植物を食べて森林の生態系を壊す危険があるのよ。だから定期的にうちの学生や軍が寄って魔物討伐をしているの。」


「俺ら学生にとっては駆除と同時に格好の訓練にもなるって訳か。」


「この中で一番厄介なのは・・・キラーアントだね。」


「うん・・キラーアントは基本群れで動いているらしいから大群で迫られたら危険だよ。」


「キラーアントには距離をとりつつ遠距離から魔法で攻撃ね。」



その後魔物と出会い、何度か戦闘を行う。

リビアが考案した豊富な戦術パターンを何度も試し次第に身につけていく。

昼前に一度キャンプへ帰還。休憩を挟んで再度討伐へ向かった。



—————そして2日目の討伐訓練が終了しキャンプへ帰還。



「いやー、今日も結構討伐したなー!!」


「ええ。大分形になってきたわ。」


「それにしても・・・」



教官たちが寝泊まりしているテントの横には大量の袋が積み重なっていた。

これは全て学生たちが討伐した魔物の一部を剥ぎ取って袋に詰めたものである。



「すげー数の魔物を討伐したんだな。」


「僕らの学年の兵科の生徒数は850人だから全部で170チームあるからね。」


「もうこの森林の魔物は狩り尽したんじゃねぇの?」


「この森林は広いのよ?まだまだ沢山魔物はいると思うわ。」



この広大な森林の広さは約1100㎢。

日本でいうと大体東京都の半分くらいの面積だ。

俺ら学生が討伐しているエリアはそのほんの一部でしかない。

なので魔物はまだわんさか存在する。



「ゼル君!シンヤ君!パイロ君!」



聞いたことがある大声を発して駆け寄ってくる男。



「おー!トラじゃん!」


「久しぶりだねトラ。」


「どうだい!?調子の方は!?」


「俺らは結構狩りまくったぜ。」


「そうか!!僕らも結構頑張っているぞ!!」


「トラはいつ来たんだ?」


「僕たちは今日の昼に到着したんだ!ゼル君たちはこれで2日目終了だな!!」


「ああ、明日が最終日だぜ!」


「最後まで決して気を緩めないように!!僕たちも細心の注意を払って討伐に勤しむよ!!」


「そうか、お互い頑張ろうぜ!!」


「ああ!!・・・と、同じチームの仲間が呼んでいる!!それではまた!!」



そう言うとトラは全力疾走で駆け抜けていった。



「・・なんか忙しい奴ね。」


「そういう奴なんだ。でも滅茶苦茶良い奴だぜ。」


「そう・・。あの人が言ってたように明日が最終日。チームとして動きが良くなっているけど油断はせずにいきましょう。」


「おう。」



そして最終日3日目の朝を迎える。

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