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第14話「実践訓練開始」

=== アスファ森林・入口付近 ===



「よし、お前ら集合しろ!!」


「なんか雰囲気あるね・・。」


「ここで沢山経験積んでやるぜ!!カカカッ!!」


「今日から3日間、ここを拠点としキャンプを張る。キャンプ付近には低級の魔物が近寄れない聖水をかけているから安全だ。」


「ハァハァ・・緊張してきた・・・・。」


「ニック、シャキッとしなさい。大丈夫よ、あれだけ念入りに打合せしたんだから。」



森林の入口付近にキャンプ。

もし万が一何か起きてもすぐ避難できるようにってことか。



「これから各チームで準備に取り掛かれ。準備できたチームから出発だ。日没までにはここへ帰ってこい。いいか、必ずチームで動け。単独行動は絶対禁止だ。もし、はぐれたり迷ってしまったら各チーム毎に渡してある通信魔道具を使用し速やかに連絡するように。そしてもう一つ、魔力計測の魔道具は首から下げて決して肌身離さず持っていろ。」



魔道具。

魔法の力を応用し、簡易的に扱えることができる道具。

これは人類が魔物に対抗するために開発されたものである。

士官学校や宿舎にある灯りなども雷魔法を応用して作られた魔道具。



今回生徒たちに支給された魔道具は2つ。

1つは特殊属性の『テレパシー』を応用した通信道具。

一定範囲内であれば離れて通信が可能。トランシーバーみたいなものだ。



もう1つは特殊属性の『メジャー』を応用した計測道具。

自身に接近した魔物の魔力を計測し、魔物が持つ魔力量を色で知らせる。

青・黄色・赤の順に色が変化する。

その魔物が持つ魔力が低ければ青、高ければ赤に光る。

相手の力を色で判別。大雑把だけど相手の力量が分かるのはとても大きい。

戦うべきか退くべきかの判断がすぐできるからだ。



俺ら学生はまだ実践経験無いし力もまだ全然弱い。

黄色以上の魔物が出てきたら即退きだな。



「この森林で魔物を狩るが、倒したら魔物の一部を剥ぎ取って指定の袋に入れるように。」



魔物倒したら瞬時に消えて金貨やドロップアイテムが出るゲームらしさ抜群の異世界もあったが、この世界では死体がそのまま残るわけか。



「それでは各チーム準備に取り掛かれ!」



その後各チーム毎にばらけて作戦を再確認や念入りに装備をメンテナンスしていたり、のんびり飯を食っているところもあった。

真也たちのチームは・・・念入りに準備運動をしていた。



「いい?体を温めておかないと瞬時に動けないわよ。だからしっかり準備運動をしときなさい。」


「へーへー。」


「ちょっとゼル!少しは緊張感持ちなさい!!」


「ここまで来るのに結構歩いて運動してるからよくない?」


「念入りによ!!」



真也たちが準備運動をしている時、最初に出発したチームが現れた。



「んじゃ、行ってきま~す♪」



最初に出発したのはウィルティンのチームである。



「ああーー!!ウィルティンの野郎に先越されたぁ!!」



先に行かれたのを悔しがるゼル。



「なぁなぁリビア、俺たちも早く行こうぜ!!」


「まだよ!!まだ‥足りないわ!!」


「もう・・十分だろ。」



結局30分準備運動に費やした。

そしてついに・・・



「ではアリバ教官、行って参ります!!」


「うむ、十分気を付けて行くのだぞ。」


「「はい!!」」



真也チーム、初の実践訓練をスタートした。




=== アスファ森林・内部 ===



—————キャンプを出発して20分。

前衛2(ゼル・リビア)、中間1(真也)、後衛2(パイロ・ニック)の布陣で森林を進む真也たち。



「警戒は怠らないでね!いつ魔物が襲ってくるかわからないわ!」


「・・・こ、怖いな・・。」


「パイロ・・だ、大丈夫。ぼ、僕も周囲を見て警戒してるから。」



いや、既にビビりまくってて凄く不安なのだが。

なぜ同じような性格の2人を後衛にしたんだ?



「ニックの身長便利だよな~。でけぇから遠くがよく見えるだろーし。」


「アンタ・・本当緊張感無いわね・・。」



魔物が多く生息していると聞いていたが全然姿が見えないな・・。

どこかに隠れているのか?

・・・・しょうがない。



真也は急に立ち止まってしゃがむ。



「シンヤ、どうしたの!?」


「ア、チョット靴紐ガホドケタ。」


「?」



真也は相変わらずの大根演技を見せつける。

だが、真也はその隙に地面に手をつける。

その瞬間、魔法を発動。



真也が使用したのは特殊属性の『サーチ』。

サーチは範囲内にどこに何がいるのかを魔力を感知して把握する索敵魔法。

この世界では人間や魔物以外に動物等にも微弱ながら魔力が流れている。

真也の索敵魔法は超広範囲。一瞬にしてこの広大な森林全てを把握。

さらに真也が使うサーチは通常のサーチは違い、全体を脳内で3Dマップのように展開、魔力を発する存在の姿かたちもくっきり分かるようになっている。



ここから大分先にいるのは・・・ウィルティンか。

しかも戦闘中。

戦っている魔物は・・見た目からしてコボルトか?

あとは・・・ここからもう少し奥の方へ行けば魔物がいるな。

コボルトにうねうねした・・なんだこの生き物!気持ち悪っ!



この森林全体を見た感じだとやはり魔物自体大したことは無さそうだ・・・・・・ん?こいつは・・・。



「シーンヤ!いつまで靴紐結んでんだよ!」


「・・ア、ワルイワルイ。イマオワッタ。」


「なんだそれ?」


「・・なにが?」


「・・・ま、いいや。先進もうぜ。」



進行を再開する真也たち。



そろそろ魔物に遭遇する頃か・・。



その時、茂みからガサガサと音がなる。



「「!!」」



全員が進行を止めて構える。

そして・・・茂みからコボルトが1匹現れた。



「ゴギャ?」


「こいつは・・たしか・・なんだっけ!?」


「コボルトよ!!みんな構えてッ!!」


「で、出た!!」

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