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第13話「アスファ森林までの道中」

=== 士官学校・校門 ===


朝5時。

魔物討伐の実践訓練でアスファ森林へ向かう為生徒たちが集合していた。



「ふわぁぁ~・・・ねみぃ。」


「ゼル・・よく昨日眠れたね。僕なんか一睡も出来なかったよ・・。」



兵科に在籍する4年生の全生徒850人が本日アスファ森林へ出発する。



「ん?他のクラスは?全然来てなくね?」


「人数が多いから時間ずらして何班かに分けて出発するって昨日教官が言ってたじゃない。」


「そうだっけ?」


「それではアスファ森林へ向けて出発する!!しっかり列を保って進むように!!」



士官学校からアスファ森林へは片道1日半程かかる。

本土の西に位置するこの地域はまだ魔物の侵攻は無い為、森林までの道中は魔物は滅多に出ないとの事。



この世界に転生して14年。

ついに魔物と対峙する時が来た。

実際この世界の魔物がどの程度のレベルか分からないが、教官も多く引率に来ているので絶対に目立ってはならない。

この糞パッシブの効果が出ること間違いなしのイベントだ。



「お前たち!この歩いている最中も決して気を抜くな!そして今のうちに武器・防具の点検と整備をするように!」



一日中歩き続け、すっかり夜になったので野山で野営することになった。



真也たちは焚き火を囲って夕飯を食べていた。



「はぁ・・緊張する。明日にはアスファ森林に着くんだね・・・。」


「パイロ大丈夫だって!俺らが力合わせりゃなんとかなるって!なっ、シンヤ?」


「ああ。魔物とは決して1対1では戦わない。チームで魔物を討伐する。その為に役割分担を決めただろ?」


「あ!いたいたー!!もう!!アンタたち探したわよー!!」


「リビア。」


「ニックーー!!ここにゼルたちが居たわよー!!」


「ハァハァ・・皆ここにいたんだね。」



今回の実践訓練では五人一組でチームを形成。

互いにサポートして魔物を討伐するのが目的だ。



俺とゼルとパイロはいつも通り同じチーム。

そして残り2人は・・



1人目は金髪ポニーテールの女子。

名前はマーチェ・ルド・リビア。

外見は普通に可愛いのだが男っ気と負けん気が強く、男子に負けない程の身体能力とポテンシャルを持つクラスのリーダー格。クラス委員長みたいな感じだ。

武器は短剣。魔法は1属性のみ使用可能であり、属性は氷。



2人目は身長190センチもある巨体で14歳とは思えない強面の男子。

名前はマーチェ・ルド・ニック。

リビアとニックは双子である。リビアが姉でニックが弟。ちなみに顔は全然似てない。

ニックはその巨体と強面からは想像できないほどの優男である。

武器は槌。魔法は無し。



「アンタたち本当に仲が良いわね。いつも一緒にいる。」


「まぁな~。幼馴染だしな。」


「明日の実践訓練の作戦をもう一度確認しましょ。」


「またかよ。昨日の夜も散々話したじゃん。何回目だっての。」


「バカ!何回でもやって頭に叩き込みなさい!いざって時に動けないかも知れないでしょ!」



正論だな。



「僕ももう一度確認したい。」


「まず陣形の説明をするわ。前衛は私とゼル、後衛にはニックとパイロを配置。そして前衛と後衛の中間にはシンヤ、貴方に担当してもらうわ。」


「ああ。」


「この前衛2人後衛2人の配置には利点があって、どちらにも魔法が扱えるのがいるって点よ。前衛は私、後衛にはパイロがいるから対処もしやすい。そしてもし敵が後方から現れたとしても後方にはニックがいる。そして中間にいるシンヤ、貴方はこのチームの要。司令塔となってもらうわ。いつも冷静な貴方に指示を出してもらいたいの。できる?」


「大丈夫だ。」


「みんなシンヤの指示には必ず従ってね。いい?」


「おう。シンヤなら安心だ。」


「うん。宜しくねシンヤ。」



指示出し・・むしろそっちの方が有難い。

敵の強さとか俺が一番判別できると思うからな。

上手くゼルたちを使って俺が目立たないようにすればこのイベントはクリアだ。



「あとは私とパイロが魔法詠唱をしている間は必ず1人は守備を固めること。詠唱中は無防備になるからね。」



この世界での魔法は詠唱が必要らしい。

魔法ランクが上がるほど詠唱時間は長くなる。

まぁ、過去に行った世界でもよくある事だったが。



なので俺はいちいち詠唱するのが面倒くさかったので詠唱破棄のスキルは既に習得済みである。

しかもスキルの熟練度はMAXなので多分この世界の上級魔法でも詠唱破棄できると思う。



「あとゼル、アンタはむやみに突っ込まないでよね。単細胞なんだから。」


「なっ!?突っ込まねぇよ!!」



こうして作戦会議は終了し全員寝床へついた。



—————そして朝。

再び目的地であるアスファ森林へ向けて出発。



暑い日差しの下、半日かけてようやく・・到着。



【アスファ森林】

本土西部にある標高4000メートル級の霊峰アスファ山。

そのアスファ山麓から三地方にまたがって広がるのがアスファ森林である。

この森林では多くの動植物が観測されており、ポーションの原材料である薬草が多く茂っていることで有名。

又、低級ではあるが多くの魔物が生息していることも観測済である。

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